日産 51年前のこども自動車「ダットサン・ベビイ」がよみがえる

レストアされた「ダットサン・ベビイ」

2015年3月27日、日産は、1964年から65年にかけて「こどもの国 (神奈川県横浜市青葉区)」へ100台を寄贈した、こども自動車「ダットサン・ベビイ」の現存車1台を、2015年の「こどもの国」開園50周年を機に再生し、同園の50周年記念イベント等への活用を開始する。また「こどもの国」と協力し、開園50周年にちなんだ写真展と、ダットサン・ベビイの展示を日産グローバル本社ギャラリーで3月28日から開催する。

ダットサン・ベビイは、1965年にオープンした「こどもの国」のために日産が専用に設計・開発し、100台寄贈したクルマのうちの100号車にあたるクルマで、同園内に長年保存されていたもの。当時は、車両の寄贈だけではなく交通教育の教材提供、こども自動車専用のコースの監修も行なった。

1965年のこどもの国の開園当時のダットサン・ベビイ

ダットサン・ベビイは、「こどもの国」のグランドコンセプトの中で「こどもたちに本物の自動車交通教育を提供する」という役割を担い、当時、愛知機械から市販されていた200ccで2人乗りのユーティリティトラック「コニー・グッピー」をベースに専用設計し、こども用のクルマとして類をみない本格的な構造を持つ車両であった。

サスペンションのフロントにはダブルウィッシュボーン形式を採用するなど、レーシングカーのような四輪独立サスペンション、日本初の国産トルクコンバーターを実用化したメーカー(岡村製作所)製のトルコン付トランスミッションを搭載。30km/hでカットオフするスピードリミッター、当時の現実の交通法規要件に適合したランプ類、スプリングを利用したハンドルのセルフリターン機構、スポーツカーのデザイントレンドを巧みに取り入れたスタイリングを備えている。

今回、ダットサンベビイの再生を担当したのは、「日産名車再生クラブ」という日産テクニカルセンターに勤める現役社員が中心に活動するボランティア組織だ。同クラブは、かつての名車に採用した技術の伝承や自動車文化の継承・発信を目的に2006年の発足以来、毎年1、2台の歴史的車両を再生し続けており、この「ダットサン・ベビイ」は10台目となる。

ダットサン・ベビイの再生にあたって、他の車両再生と同様に当時の仕様を綿密に調査し、劣化した部分を丁寧に再現。更に、各サプライヤーの協力も得ながら、休日の作業を9ヶ月以上続けて完成したという。

今回再生したダットサン・ベビイは、今後1年間の予定で「こどもの国」の50周年イベントなどで展示などで活用されることになっている。

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