日産は、ABB FIA フォーミュラ E 選手権シーズン9の開幕に向けて、新しいカラーリングのGen3マシンを公開した。
日産はこのマシンを「NISSAN e-4ORCE 04」と名付け、日本を象徴する花の一つである桜のデザインを取り入れた印象的なカラーリングを施している。
日産の最高執行責任者であるアシュワニ グプタ氏は「日産の長期ビジョンを実現するための電動化戦略において、フォーミュラEは大きな役割を担っています。日産単独チームとして初めて参戦するシーズン9は、日産にとって新しい時代の到来を告げるものとなるでしょう。日産の長いモーター スポーツの歴史を支えてきたのは、他がやらぬことをやるという精神です。日本の伝統を表現した新しいカラーリングも、コース上で大きな注目を集めることでしょう。Gen3時代の素晴らしい幕開けを迎えるための準備はできています。シーズンの開幕が本当に楽しみです」と述べた。
日産フォーミュラEチームのマネージングダイレクターであるトマソ ヴォルペ氏は「私たちは、新シーズンの門出を祝し、日本のDNAを取り入れた今までにないユニークなデザインのマシンを作ろうと考えました。今シーズンは、フォーミュラEにとってGen3 マシンを導入する大きな節目です。また、私たち日産にとっても、チームの全オーナ ーシップを取得し、新チームとして運営を始める重要な節目となります。さまざまなチャレンジを乗り越えて新シーズンを迎えることを、すべての日産従業員、関係者が楽しみにしています」と語った。
日産フォーミュラEチームの新ドライバー、ノーマン ナトーとサッシャ フェネストラズは、12月13日から16日にかけてバレンシアのリカルド・ トルモ・サーキットで行われる公式プレシーズンテストにおいて、新たなカラーリングをまとったGen3マシンの初走行をする。
シーズン9はフォーミュラE史上、最多となる17戦が予定されている。インド、南アフリカ、ブラジルの3都市で初めてレースが開催され、ロンドンe-Prix が最終戦となる予定だ。
シェルとザ・ウールマーク・カンパニーとのパートナーシップを締結
日産フォーミュラEチームは、シェルとの提携を継続するとともに、ザ・ウールマーク・カンパニ ーと新たなパートナーシップを結んだ。
シェルは、新シーズンにおいても日産チームとのパートナーシップを継続し、EV の効率を最適化す るシェルEフルードの開発と、EV充電ネットワークの拡大につなげていく。
シェル・モビリテ ィのグローバルエグゼクティブバイスプレジデントであるイストゥバン カピターニは「フォーミュラEにおける日産とのパートナーシップを通じて、私たちはサーキットで得た経験を、一般道におけるEVユーザーに向けた製品やサービスの開発に活用しています。フォーミュラEは、シェルリチャージやシェルEフルードなど、よりクリーンな製品を開発・生産するための重要な実験場なので す」と語った。
ザ・ウールマーク・カンパニーは、日産チームのテクニカルパートナーとして、メリノウールを使用 した高性能なチームユニフォームを開発した。
メリノウールは肌に優しく、通気性に優れているため、湿度や体温の調節がしやすいという特長がある。こうした特長を高度なパフォーマンスが要求される環境に合わせて最適化し、チームのユニフォームに採用。
ザ・ウールマーク・カ ンパニーのマネージングディレクターであるジョン ロバーツは「私たちの技術チームは繊維特有の 性質を生かし、環境負荷の少ない、これまでにない製品を開発することに成功しました。メリノウー ルならではの革新的な性能を、私たちの開発力と生産技術によって最大限に引き出し、フォーミュラEの活動を支えていきます」とコメントしている。
ヴォルペは「サステナビリティと電動化という視点で、価値観や優先課題、そして長期目標を共有で きる企業と提携することは非常に重要なことでした。日産と同様に、より持続可能な未来の実現を目指すシェルとザ・ウールマーク・カンパニーの両社と、技術とイノベーションを通じた協業ができる ことを誇りに思います」と締めくくった。