日産は6月29日、社内業務システムや顧客向けサービスのデジタル化をグローバルで推進するための拠点「デジタル・ハブ」をインド・ケララ州に設立することで同州政府と合意し、覚書を締結した。
日産は業務用ソフトウェアの開発や蓄積データの有効活用などを推進する自社拠点「デジタル・ハブ」の設立をアジア、欧州、北米それぞれで計画しており、インドはその中でも最初の拠点となる。「デジタル・ハブ」は、日産の主要な社内業務システムおよび顧客向けサービスのITソリューションを開発し、業務効率やサイバーセキュリティ、顧客満足度などの向上を図っていく。
日産は既にインドに複数の拠点を持っており、タミルナドゥ州チェンナイ市郊外にはアライアンスパートナーであるルノーと共同で設立した年間生産能力48万台の工場があり、インド国内向けおよび輸出用に車両生産を行っている。また、同地域のアライアンス研究開発センターでは、約7,000人のエンジニアが自動車技術などの開発に携わっている。インド国内向け販売拠点もデリー近郊のグルグラムに設置されている。
今回の「デジタル・ハブ」はそれらのインド拠点に加わることになり、ケララ州政府が州都ティルヴァナンタプラム市に設置しているIT産業特区「テクノパーク」内に開設し、その後本格稼働に向け、市内に移設する予定だ。