2014年10月3日、パリ･モーターショーで行なわれたルノー・日産アライアンスを代表するカルロス･ゴーンCEOとダイムラーAGのディーター・ツェッチェCEO氏は記者会見し、長期にわたる安定した未来を目指し、両社の共同プロジェクトは順調に進んでいると語った。
ルノー・日産アライアンスとダイムラーAGは、2010年にパートナーシップを締結し、その時点での協業の範囲は、ヨーロッパ地域における3つのプロジェクトだった、現在はヨーロッパに加え、アジアやアメリカ地域を含む12のプロジェクトへと拡大している。
「私たちのグローバル規模の共同プロジェクトは、両企業の協業を更に拡大し、長期にわたるパートナーシップになると信じています。この協業により重要な車両の早期市場投入を可能にするなど、本パートナーシップはルノー・日産アライアンスにとって紛れもない戦略的優位となっています。私たちは今後も、本パートナーシップを、自信をもって継続していきます。」とルノー・日産アライアンスのカルロス・ゴーンCEOは語った。
「2010年に開始して以来、両社の協業は当初のプロジェクトだけでなく、更に拡大し実現してきました。世界中のお客さまにとっての価値を創造し、すべてのパートナー関連企業がウィンウィンとなる共同プロジェクトに、引き続き協力して取り組んで行きます。この協業により今後も引き続き確かな実績を上げていきます。」と、ダイムラーAGのディーター・ツェッチェCEOも語る。
両CEOは、ルノー･日産アライアンスとダイムラーが設計から完成まで、共同で開発した初の車両をまもなく市場に投入する準備ができているとコメントした。
その車両は、新型「ルノー・トゥインゴ」、新型「スマート フォートゥー」、「スマート フォーフォー」だ。ルノー・ トゥインゴは9月に発売を開始しており、スマート フォートゥーとスマート フォーフォーは11月に発売予定だ。この3車種は、両企業のチームが密接に協力し、4年間を費やして共同開発した後輪駆動アーキテクチャーにより成立している。
これら3車種は、独自のブランドアイデンティティを持つそれぞれ独立した商品とされる。スマート フォートゥーはフランスにあるダイムラーのハンバッハ工場で生産され、ルノー トゥインゴとスマート フォーフォーは、スロベニアにあるルノーのノボメスト工場で生産される。
そして2014年6月、日産とダイムラーは、プレミアムコンパクトカーを共同で開発し、メキシコ工場で共同で生産すると発表した。アグアスカリエンテスにある日産の既存の工場に隣接した共同工場の建設は2015年初頭に開始する予定だ。
生産は2017年を予定しており、インフィニティの車両を生産する予定となっている。そしてメルセデス・ベンツ・ブランドの車両は2018年に生産を開始する。本格稼働状態になれば同工場は年間30万台の生産能力を有するという。また、このプレミアムコンパクトカーは、ヨーロッパや中国を含む世界中のダイムラー、日産の工場で生産する計画になっている。
両企業は、パワートレーンの相互供給も継続展開する。9月にはルノーは、メルセデス・ベンツの新型「Cクラス」と商用車「ヴィトー」向けに、1.6Lディーゼルエンジンの供給を開始した。また、ルノーは、1.0L・3気筒自然吸気ガソリンエンジンと900ccの3気筒ターボチャージャー付ガソリンエンジンをスマート フォーフォーとスマート フォートゥーに供給する。
6月には2.0L・4気筒ガソリンエンジンの共同生産を、アメリカのテネシー州デカードに新たに建設した日産とダイムラーのパワートレーン工場で開始している。インフィニティ・デカードパワートレーン工場で生産したエンジンは、最初は、ヨーロッパ向けのインフィニティQ50とメルセデス・ベンツCクラスに搭載される予定だ。新パワートレイン工場は、本格稼働時には年間25万基のエンジン生産能力がある。
また商用バンでは、ダイムラー傘下の三菱ふそうトラック・バスと日産は、商用バンの完成車を海外輸出用に供給する契約を締結した。本契約の下、日産は商用車「NV350アーバン」（総重量：3.5トン）を三菱ふそうに供給し、2014年内に中東地域で「キャンターバン」として販売する契約が決定している。
