【共同生産】ルノー・日産、ダイムラー プレミアム・コンパクトの共同開発とメキシコに合弁新工場を建設

雑誌に載らない話vol89

メキシコに新設されるアグアスカリエンテス工場
ルノー/日産、ダイムラーの両社が各690億円を出資する合弁事業となる「アグアスカリエンテス工場」

2014年6月27日、ルノー・日産アライアンスとダイムラーAGは、プレミアムコンパクトカーの共同開発と、メキシコにおける共同生産において協力体制を拡大すると発表した。

ダイムラーとルノー・日産アライアンスのパートナーシップは、2010年4月に締結され、主にヨーロッパに焦点を絞った3つのプロジェクトを開始した。現在は、この提携関係はアメリカや日本での主要な案件を含む12の重要プロジェクトに拡大しているという。

ルノー/日産 ダイムラー ロゴ

新たな協力関係として、ルノー・日産アライアンス会長兼CEOのカルロス・ゴーンとダイムラーAG取締役会長兼メルセデス・ベンツ会長のディエター・ツェッチェは、メキシコ中北部のアグアスカリエンテスの新工場の建設と、同工場の運営を統括する両社の折半出資の合弁会社を設立することで合意したと発表した。

新工場は、日産の既存のメキシコ工場に隣接して建設され、新工場は将来的に約5700人を雇用し、本格稼働段階では年間30万台の生産能力を発揮する計画だという。両社は、プロジェクト総額10奥ユーロ(約1380億円)のそれぞれ半額を等分出資する。

この新工場での生産開始は2017年を予定しており、当初はインフィニティの車両を生産する予定。メルセデス・ベンツブランドの車両は2018年に生産を開始し、2021年頃にフル稼働となる計画だという。この新工場はメキシコのサプライヤーベースを拡大し、高い現地調達率を実現するとしている。

ルノー・日産アライアンスの会長兼CEOのカルロス ゴーンは、「プレミアムコンパクトカーの共同開発と、アグアスカリエンテスでの共同生産は、ルノー・日産アライアンスとダイムラーにとって、最も大きなプロジェクトの一つです。これは、欧州でスタートした私たちの協業の範囲が、グローバルレベルになってきていることを示しています」と語る。

メルセデス・ベンツ会長のディエター・ツェッチェとカルロス・ゴーン
ダイムラーAG取締役会長兼メルセデス・ベンツ会長のディエター・ツェッチェ氏(左)とルノー・日産アライアンス会長兼CEOのカルロス・ゴーン氏

ダイムラーAG取締役会長兼メルセデス・ベンツ会長であるディエター ツェッチェは、「アグアスカリエンテスでダイムラーと日産は、ひとつの工場で両社のスキルを融合させることで、そのパートナーシップを新たな段階へ進めていきます。両社の協業が始まってからほんの4年余りで、メキシコの新たな工場建設という決定は重要なマイルストーンとなります」と語っている。

日産は、1992年からアグアスカリエンテス工場で車両生産を行なっているが、2013年11月には20億ドルを投資した新工場の稼動を開始し、この拡張により日産のメキシコにおける年間生産能力は85万台以上に拡大している。一方、ダイムラーもサンティアゴ・ティアンギステンコとガルシアにトラックとバスの生産工場を持ち、サン・ルイス・ポトシに部品物流センター、トルーカに組立工場を所有している。乗用車に関しては、納車前検査センターとトレーニングセンターも備え、メキシコ市場を重視している。

インフィニティとメルセデス・ベンツは、研究開発やデザイン、生産に至るまで密接に協力して行くが、共同プロジェクトにおいて開発される車両のデザインや仕様はもちろん全く別のものとなる。

ルノーとメルセデス・ベンツは2014年後半には共同開発のプラットフォームをベースに開発された次世代「スマート」トゥインゴの販売を開始する予定だ。ルノーのノボメスト工場(スロベニア)では「トゥインゴ」と4人乗りの「スマート」を、ハンバッハ(フランス)工場では2人乗りの「スマート」が生産されることになっている。

日産自動車公式サイト
ルノー公式サイト
ダイムラーAG公式サイト

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