ミツビシ ミラージュ 1.2G 試乗記 抜群のコスト・パフォーマンスでパワーアップ

マニアック評価vol324

ミラージュ 1.2 G (セルリアンブルーマイカ)
ミラージュ 1.2 G (セルリアンブルーマイカ)

2014年12月25日にミラージュは、これまでは1.0Lエンジンだけというラインアップだったが、そこに最上級グレードとして1.2Lエンジン車が追加された。このニューモデルのステアリングホイールを握る機会がこのほどようやく訪れた。<レポート:松本 晴比古/Haruhiko Matsumoto>

ミラージュはグローバル・コンパクトカーとして開発され、2012年8月に日本でデビューしており、2年余を経て1.2Lモデルが追加されたことになる。ミラージュ三菱にとっては初の本格的なグローバル戦略車で、タイ工場で生産され世界中に供給されているクルマだ。日本の市場には1.2Lモデルは初登場となるが、じつは1.2Lエンジンモデルはタイをはじめ東南アジア、アメリカ、カナダ、ヨーロッパなどで以前から販売されているのだ。

グローバルで見ると、現在のミラージュの最大の市場はアメリカ、カナダで、アジア、日本、ヨーロッパという順となる。だから、1.2Lエンジン搭載のミラージュこそ本命モデルといえるかもしれない。

三菱 ミラージュ 1.2 G
15インチ・アルミホイールにハイパフォーマンスタイヤを組み合わせ、引き締まった足元
三菱 ミラージュ 1.2 G三菱 ミラージュ 1.2 G

日本に初登場の1.2Lエンジンは3気筒の3A92型で、型式名からもわかるようにこれまでの1.0L・3気筒の3A90型をベースとしたバリエーションだ。1.0Lの3A90型は75.0×75.4mmのボア×ストロークだが、1.2Lの3A92型は75.0×90.0mmとストロークが伸ばされている。最高出力は69psから78psにアップし、最大トルクは86Nm/5000rpmから100Nm/4000rpmへとトルクの増強はもちろん、1000rpm低回転化されている。

三菱 ミラージュ 1.2 G
三菱 ミラージュ 1.2 G三菱 ミラージュ 1.2 G

また1.2Lエンジンは従来の1・0Lとほぼ同サイズの軽量・コンパクトであることはもちろん、外部EGRを廃止し、エンジン制御を現在では珍しいDジェトロニックを採用。レスポンスを追求していることがわかる。その一方で1.2Lエンジンにもアイドリングストップを装備し、1.2Lクラスで25.0km/Lとトップレベルの燃費を維持している。

三菱 ミラージュ 1.2 G三菱 ミラージュ 1.2 G

1.2Lエンジン車の日本導入理由は、もう少し走りゆとりが欲しい、エクステリア、インテリアの質感が欲しい、インテリアの収納スペースを増やして欲しい、といったユーザーの声を反映したものだという。そのため、エンジン以外でも手が加えられている。

もちろん、ミラージュの基本コンセプトである、低燃費、低価格、コンパクトで扱い易いという3本柱はしっかりと維持しており、スポーツモデルではなく、最上級グレードという位置付けとされている。そのため、従来ラインアップのフル装備モデルの「G」グレードをベースに1.2Lモデルが設定されているのだ。

装備面は、エクステリアではフロント・フォグランプ、サイドターンランプ付ドアミラー、15インチタイヤ&アルミホイール、可倒式ショートアンテナを採用。インテリアは本革巻ステアリングホイールとシフトノブ、ピアノブラック調のパワーウインドウスイッチパネルとシフトパネルを新採用している。

もうひとつ、フロント・サスペンションにスタビライザーを追加したのも注目点だ。これは15インチタイヤの装着に合わせての装備である。試乗車のタイヤは175/55R15サイズのブリヂストン・ポテンザRE050とハイパフォーマンス・タイヤを装着しており、燃費だけではなく、走りも追求していることがわかる。またボディカラーが今回からチタニウムグレーメタリックを追加し8色の設定となっている。

試乗テストしたのはセルリアンブルーマイカのボディカラー。エクステリアでは、寂しかったフロントマスクにフォグランプが装備され、アンテナがこれまでのロッド式から可倒式ショートアンテナになっていることや、15インチ・アルミホイールを装着していることからバランスの取れたスタイルになったといえる。

三菱 ミラージュ 1.2 G

インテリアの仕上げ、機能性も十分満足できるが、機能本位なことやインテリアカラーが単調なブラック基調で、デザイン性に乏しい点はやはりちょっと寂しい気がする。

三菱 ミラージュ 1.2 G三菱 ミラージュ 1.2 G

走り出すと、エンジンは低速からトルクが発生し、扱い易い。アクセルの踏み込みに対して軽く吹け上がり、加速感は気持ちよい。信号の多い市街地で交通の流れに乗った走りから、緩やかな加速でも燃費に振ったワンテンポ遅れるようなフィーリングではなく、意図通りの加速ができる。

エンジンとCVTのチューニングはうまくできているし、エンジンの低速トルクが大きいことも好フィーリングを生み出しているのだろう。また、何といっても890kgという軽量なボディであることもプラスに働いている。またこのエンジンはアイドリングストップを備えているが、ストップの仕方と再始動も自然なフィーリングであった。

三菱 ミラージュ 1.2 G三菱 ミラージュ 1.2 G
タイヤがハイパフォーマンス系を装着していることもあり、走りはグリップ感もしっかりしており、低燃費系のタイヤに比べ、乗り味は優れている。乗り心地もしっかり派だ。

ただ、ステアリングはセンター付近があいまいなフィーリングであることと、路面からのインフォメーションがもう少し多目のほうが好ましい。ミラージュは女性ユーザーを意識して操舵力はかなり軽めにしているが、長距離ドライブなどを考えると、特にステアリングの直進時の座りがもう少し感じられた方が好ましいのではないかと思う。

三菱 ミラージュ 1.2 G
175/55R15のブリヂストンRE050を装着
Aピラー越しの視界も良好
Aピラー越しの視界も良好

一方で、剛性感の感じられるしっかりとしたボディと、それがもたらす乗り心地はミラージュならではの味といえる。

全長3710mm、全幅1665mmでコンパクトなボディサイズで取り回しがよく、室内の居住性も十分。価格も145万円であることを考えると、この1.2Lのミラージュは、ある意味で軽自動車のライバルであり、1.2Lエンジンによる動力性能と経済性の両立取り回しのよさは魅力的といえる。

 

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