マツダは2025年10月3日、モータースポーツ活動のサブブランドMAZDA SPIRIT RACINGから「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER」を限定2200台、「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R」限定200台の予約受注を10月24日より開始すると発表した。デリバリーは2026年1月からの予定だ。

MAZDA SPIRIT RACINGブランドとして発売される今回の限定モデルのロードスターは、スーパー耐久レースに関わったエンジニアが開発を担当し、国内仕様ソフトトップモデル初となる2.0Lエンジンを搭載。パワートレインや車体をチューニングし、市街地でもサーキットでもスポーツカーらしい速さと走りの質感にこだわったモデルだ。

184psの2.0Lエンジンを搭載する2200台限定の「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER」は、街中からサーキットまで意のままに走る楽しさを追求。200台限定の 「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R」は、2.0Lエンジンを特別にチューニングし、最高出力200psを発生し、フルバケットシートを装備するなど、サーキット走行を存分に楽しむための技術や装備を搭載したメーカーコンプリートモデルである。




パワートレイン
パワートレインは、サーキット走行を楽しめるように、特定の操作をすることで、ノーマルのブレーキ・オーバーライドとスピードリミッターを同時に解除する機能を追加。つまり、レブリミット回転直前まで出力を絞らずに走行できるように制御を変更し、エンジン応答スロットル制御を採用。
これに合わせ減速時のブレーキングに集中できるようにヒールアンドトゥ操作時の回転上昇をアシストする制御を新採用した。ブレーキ、アクセル、クラッチの各センサーを用い、ブレーキ踏力やアクセル操作量、エンジン回転数に応じてアシスト量は適切にコントロールされる。

スペシャル仕様の「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R」のエンジンは、高回転域での伸びやかな加速にフォーカスし、最高出力を200psまでアップ。そのため吸気ポート形状の変更と、手作業による吸気ポート内側研磨により吸気抵抗を低減し、吸入空気量を増加させることで出力とレスポンスを向上させている。


エンジン内部部品では、スーパー耐久レース仕様と同じ低抵抗のピストンとピストンリングを採用。ピストンリングは、低摩擦係数と高い硬度を併せ持つDLC(ダイアモンド・ライク・カーボン)被膜を採用している。

その他に、フレッシュエアダクトを大型化して吸気温度を低減し、カムのプロファイルも変更している。エキゾーストマニホールドは藤壺技研と共同開発し、従来の4-2-1排気から太径の4-1等長排気に変更。マニフホールド部はグラスファイバーのバンテージを巻いてステンレスメッシュで固定し、耐久性、遮熱・防音性能を確保している。
また、ダイレクトなトルク伝達と高負荷使用での耐久性を重視し、標準仕様のデュアルマスフライホイールからシングルマスフライホイールに変更。
今回の2.0Lエンジンを高出力化したことに合わせ、ラジエータ容量を大型化して冷却性能を向上。トランスミッションのメインドライブギアに固体被膜潤滑剤を塗布し、摩耗を抑制し耐久性を向上させている。さらに、より冷却性能を高めるために、サーモスタット開弁タイミング(冷却開始タイミング)の早期化もさせている。



ボディ、シャシー
サスペンションは、専用にチューニングされた高圧ガス封入式のビルシュタイン製ダンパーを採用。また、サスペンション取り付け剛性を高めるためにストラットタワーバーも標準装備している。

さらに「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R」は、組立工程での高精度なサスペンションアームの締め付けと、一旦着地させてサスペンションをストロークさせ、ブッシュがたわんだ状態での1G締めによりホイールアライメントのリアルな精密調整を実施している。
インテリア、装備
インテリアは黒基調の内装にシートベルト、ステアリングトップマーク、ステッチ、シートパイピングに刺激的な赤いアクセントを施した専用内装となっている。
アルカンターラ生地をハンドル/シフトノブ/パーキングシフトレバーに採用し、ドライバーの正確な操作をサポート。インパネやドアトリムなどにも採用し、レース車両のようなスパルタンなムードと上質さを表現している。
シートはレカロと共同開発。「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER」はセミバケットシートを採用。アルカンターラを採用し、機能と質感を両立。ヘッドレスト部にブランドロゴをエンボス加工している。
一方、「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R」ではフルバケットシートを採用。専用シート形状とし快適性と操作性を両立。表皮素材はRECARO純正で使用されるカムイ素材を採用し、質感・耐久性を確保している。

そして「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R」のタコメーターは、200psを発揮する回転数に「▲」表示を追加している。
エクステリア
フロントグリルは「MAZDA SPIRIT RACING」のエンブレム付きのメッシュタイプを採用。

「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R」には、レースイメージの専用デカールを設定。さらに、エンジンヘッドカバーは手塗りの結晶塗装を採用し、シリアルナンバープレートを貼付している。また、リヤスポイラーも装備する。
ホイールはレイズと共同開発した専用鍛造アルミホイールを装着。S耐レースで使用しているレイズの「TE37」をベースに剛性を高めて、形状を最適化。「MAZDA SPIRIT RACING」のエンブレムをホイールセンターキャップに描き、外周にブランドネームをあしらった専用デザインとなっている。
スポーツ走行向けアフターパーツ「MAZDA SPIRIT RACING SPORTS PACKAGE」
以下のパーツを設定している。
・低回転から高回転での音色変化にこだわったチタン製スポーツマフラー(藤壺製)

・スポーツタイヤ「ADVAN NEOVA AD09」(横浜ゴム)
・ブレーキセット(スリットロータ+スポーツパッド) (ブレンボ製)


・LSD&専用オイル(オーエス技研製)
・フルバケットシート&サイドアダプター(レカロ製)
・「サベルト」×「MAZDA SPIRIT RACING」ダブルブランド ハーネス(4点式/6点式)
「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER」は、10月24日から全国のマツダ販売店で先着順販売となる。「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R」は抽選販売となり、10月5日14時から倶楽部 MAZDA SPIRIT RACINGの公式アプリで10月20日の23時59分までが申し込み期間となり、10月23日に当選者に告知される。

価格
