マツダ3の実像
ロサンゼルスモーターショー2018でマツダ3が正式発表されたとはいえ、その具体的な内容はきわめて限られており、詳細発表はされていない。つまり今回は魂動デザイン第2ステージを具体化した姿のお披露目となっている。
マツダ3の生産の立ち上がりは2019年3月頃の予定で、2019年半ばから年末にかけて地域ごとに発表、発売を開始する予定となっている。
今回発表された内容はボディサイズで、ハッチバックは全長4459mm、全幅1797mm、全高1440mm、セダンは全長4662mm、全幅1797mm、全高1445mmで、ホイールベースはいずれも2725mmだ。セダンはハッチバックより全長が20cmほど長いが、それ以外は共通となっている。
現行型のアクセラと比べてみると、ボディサイズはほぼ同等で、全高が25mmほど低くなっていることが目立つ程度。サイズ的にはCセグメント+に属し、Cセグメントとしてほぼ最大サイズになっている。
マツダ3のボディ骨格は、第2世代の「スカイアクティブ ビークルアーキテクチャー」で、2012年のCX-5でこのモジュラープラットフォームが導入されたが、それから7年でプラットフォーム/ボディ骨格の構造を一新したことになる。つまりこれはスモール商品群の新プラットフォームを意味している。そしてラージ商品群はFR用の新開発プラットフォームが採用されるが、このマツダ3の新世代FFプラットフォームとFRプラットフォームはある程度モジュラー化されているのではないかとも推測できる。
そしてマツダ3に搭載されるパワートレーンは、「SKYACTIV-G 1.5」、「SKYACTIV-G 2.0」、「SKYACTIV-G 2.5」、「SKYACTIV-D 1.8」、高圧縮/リーンバーン/SPCCIという新しい燃焼方式の「SKYACTIV-X」という5種類だ。もちろんこの5種類は市場ごとに選別されるはずで、北米市場は「SKYACTIV-G 2.5」がメインエンジンになると考えられる。トランスミッションは6速AT、6速MTで、これは従来と同じラインアップだ。
スカイアクティブ-Xは、マイルドハイブリッドが組み合わされるが、24Vのモーター/ジェネレーターとリチウムイオン・バッテリーを組み合わせているという。これにより減速エネルギー回生と、発進時のモーターアシストを行なう。低負荷時には大量EGRを含む超希薄混合気を高圧縮して燃焼させ、加速時には瞬時に混合気を理想空燃比に切り替えるためにスーパーチャージャーの過給器を使用するというシステムになっている。
サスペンションは、フロントがストラット式、リヤがこれまでのマルチリンク式に代えてトーションビーム式としている。トーションビームの取り付け部のトレーリング部は「逆ハの字」形で、フォルクスワーゲン方式だ。またリヤダンパーのアッパーマウントもVWゴルフやトヨタのTNGA-Cともよく似た形状になっている。マルチリンク式からトーションビーム式に変更した理由は、ラゲッジスペースの拡大、軽量さ、コスト低減などだろう。
電動パワーステアリングはコラム式を引き続いて採用し、ラックギヤはサブフレームにダイレクト・マウントされている。サブフレームはエンジン/トランスミッションを搭載する枠型フレームと、サスペンション・アームやステアリング・ラックを取り付ける部分から構成されているが、サスペンション取付部の前後スパンが短いため、この部分の動きを規制するのは難しい。そのため、ボディ後方にエクステンション・ブレースが伸びている。
ボディ骨格は青色の部分が超高張力鋼板を採用しており、主として軽量化と衝突安全対策として採用されている。骨格の入力が大きい部分は徹底的にストレート形状にこだわり、さらにBピラー回り、ドア開口部、リヤハッチ開口部などは環状骨格構造にしているのが特長だ。