【マツダ】新型アクセラ試乗記 上質と俊敏さの両立を目指す3代目 プロトタイプ試乗 レポート:髙橋 明

マニアック評価vol215
アクセラがフルモデルチェンジをし、2013年秋にデビューする。そのプロタイプに試乗することができたのでレポートする。試乗コースは箱根ターンパイクを占有した一般公道。勾配の厳しい観光道路で、ほど良い大きさのRやアンジュレーションもあり、インプレッションしやすいステージだ。

試乗に用意されたのは1.5Lの6ATと2.0Lの6AT/6MT。輸出モデル(LH)の2.0L/6MT。ボディタイプは5ドアハッチバックのみ。モデルラインアップとしては他にハイブリッドモデルとディーゼルターボモデル、そしてセダンタイプもあるが、現在開発途中ということで用意されなかった。また、試乗できた1.5L、2.0Lモデルともプロトタイプ(量産試作車)であり量産モデルではないのが前提のレポートになる。

3代目アクセラ・プロトタイプ。箱根ターンパイクを封鎖してテストドライブを行った

ちなみに、プロトタイプではあるが最終モデルとなるため、ボディサイズは公表された。全長4460mm(4580mm)×全幅1795mm×全高1470mm(1455mm)、ホイールベース2700mmとなっている。()内はセダンサイズ。まさにインターナショナルのフルCセグメント・サイズだ。

マツダの開発目標のひとつに「人馬一体」という表現で示されるものがある。良くご存知の方も多いと思うが、意味するものは、人の操る行為とクルマとのコミュニケーションの二つが最高の状態で組み合わさったときに、クルマと心が通じ合い、こういう状態を人馬一体と言っている。つまり、人とクルマとの一体感はどこから生まれてくるかということを非常に大切にしているということだ。

そこを念頭に置き1.5Lの6ATに試乗してみる。タイヤは205/60R16サイズを装着。エンジンスペックは直列4気筒111ps/144NmでJC08モードは6ATで19.4km/L、6MTも用意され19.2km/Lで、ともに75%の減税が受けられる。また4WDもAT仕様で用意されている。

タイヤは16インチと18インチがあり、写真は18インチ
スカイアクティブGを搭載。エンジンは2.0L(写真)と1.5LのNAがある

 

その1.5Lの6ATは上質な乗り心地があり、攻防激しいCセグメントのクラスレベルの乗り心地と言えるだろう。特筆はやはりハンドリングだ。微小舵角でもきちっと反応し、正確にクルマは反応する。またアンジュレーションのきついコーナーではステアリングを保持していれば、そのままコーナーをクリアしていき、安心感がある。ただし、路面の凹凸による上下の動きも大きく、クルマ全体が動きすぎる印象があった。

言い換えれば国産大衆車レベルであり、この動きをもう少し抑えると欧州の大衆車レベルになるのだろう。このあたりの味付けはグローバルモデルとは言え、日本仕様のダンパーを採用するなど、成熟していない日本のユーザー向けにセッティングしているように感じた。もっともクルマ好きであれば意識も成熟しているので上級モデルをチョイスするだろ。したがって、この味付けは営業的にベストという判断だと想像する。

さて、その上級モデルとなる2.0Lの6ATはガソリンエンジンの自然吸気で見栄えの良い215/45R18サイズのタイヤを装着している。出力は155ps/196Nm 無鉛レギュラー仕様でJC08モードは19.0km/Lというスペック。燃費技術としてはミラーサイクルエンジン&減速エネルギー回生、アイドリングストップ、直噴&可変バルブタイミング、電動パワーステアリングなどの機構を持つスカイアクティブGである。これが新型アクセラの最量販モデルとなり、スポーティではあるが、大衆車の領域を超えた味付けは狙っていない。

開発主査の猿渡健一郎氏と3代目アクセラスポーツ

走り出しは非常に滑らかでしっとりしている。しかし、速度を上げていくとフロアパネルからのロードノイズを拾い始め、路面の舗装状態にリンクするように走行音が侵入してくる。エンジン音が低く抑えられているため、よりロードノイズが気になった。また、アンジュレーションのきついコーナーではハンドルの切り戻しが必要になるなど、やや過敏な印象を持った。低速域の微小舵角では正確に反応し、安心感があるものの、高速の舵角には疑問が残った。

ところが、輸出モデルに試乗すると、また違った印象を持ったのだ。左ハンドルの6MTでエンジンは国内仕様と同じでボディも同じ5ドアのハッチバックであるのに、走り出すとフロアパネルからの音の侵入が少なく、明らかに先ほどの国内仕様とは違っている。さらに高速でコーナリングしてみると、切り戻しの操作など不要。アンジュレーションによりクルマが上下に動いてもフラットライドなフィールがあり、ステアリングは保持していればクリアしていくから安心感が高い。これなら、クラスレベルを超える繰安性能であり、人馬一体に繋がるイメージが生まれるのだが。

これは同じ2.0Lモデルでありながら、どうして違うのか?アクセラ開発主査の猿渡氏に聞くと、「実は輸出モデルはすでに量産体制で生産されたもので、プロトタイプではないんです」と言う。その違いはやはり量産生産になるとボディがしっかりしてくるので、サスペンションが設計数値どおりに動くという違いが起こる。つまり、ボディ性能という点で輸出モデルと国内仕様のプロタイプでは性能の乖離が存在したということだ。

さらに日本仕様のダンパーと欧州用ダンパーの違いはある。そしてATとMTというトランスミッションの違いもあり、ウエイトバランスなども微妙に違うのかもしれないが、いずれにしても上記の国内仕様モデルで感じた「違和感」はセッティングによって解決できるレベルのものであることが分かったのだ。

さて、マニア的に注目したいのはシャシーにおいて操安性能開発グループの虫谷氏によれば、CX-5、アテンザと始まったスカイアクティブで、3台目となるアクセラではフロントのブッシュ変更をしているという。「見た目はほとんど変わらないので分からないのですが、アクセラでは変更しました」と言う。

CX-5やアテンザと比較して車輌重量も軽くなるわけで、ハンドリングにその違いが出て当然だ。そこで注目したのはロアアームの後ろ側にある「ポイント4」と呼ばれるブッシュを変更している。ゴム自体が持つダンピング機能を積極的に使ってやるため、形状の変更をし、すぐりも1.7mmオフセットしているものを採用している。そのため、ブッシュ単品でみるとセンターがずれ、1Gの荷重がかかるとセンターになるようにセッティングしているという。こうしたことで上質さとアジリティの両立を創っていくということだ。

一方エンジンでは、登り勾配の厳しいコース設定のため、2.0LのATは、Dモードだとキックダウンとシフトアップを繰り返す場面があり、トルクが細いのか、ギヤリングがマッチしないのか、ビジーな場面があった。逆に1.5LのATは元々が2.0Lより非力なため、あるギヤでホールドされ、それなりに登坂していく。また同じ2.0LでもMTであればギヤ選択をドライバーの意思で決定するため特にトルク不足という印象は持たなかった。

さて、新型アクセラでは新たな取り組みとして「MAZDA CONNECT」を提案している。これはスマホなどの普及により、インターネットへの常時接続が当たり前になった現在、クルマに乗っているときでもネットワークと繋がる楽しみを安全に享受することができるようにしたシステムであり、ドライブする楽しみを広げるものとして開発されている。

エクステリア、インテリアそしてこのマツダコネクトなどのレポートは次の機会に譲るとして、まずはプロタイプ試乗による走行インプレッションレポートをお届けした。

マツダ アクセラ 諸元表

レポートは編集部タカハシ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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