ホンダ ステップワゴンがフルチェンジ 独創のリヤゲートとホンダ初のダウンサイジング・ターボを搭載

新型ステップワゴン スパーダ(左)とステップワゴン
新型ステップワゴン スパーダ(左)とステップワゴン

2015年4月23日、ホンダは5代目となる新型ステップワゴン/ステップワゴスパーダの発売を開始した。4代目の現行モデルは2009年に発売されており、今回が6年ぶりのフルモデルチェンジとなる。

グレードは、ステップワゴンがG・EX、G、Bの3グレードで、FFと4WDを設定。ステップワゴン・スパーダはスパーダ・クールスピリットとスパーダの2機種で、それぞれにFF、4WDが設定されている。エンジン、トランスミッションは全車共通となる。また基本は3列シート/7人乗りで、メーカーオプションで2列目シートがベンチシートタイプの8人乗りも設定されている。

ホンダ 新型ステップワゴン
エンジン部を短縮したワンモーション・ビッグキャビン・フォルムを採用

新型ステップワゴンの開発コンセプトは「Happy Creator’s Base」で、全席平等わくわく空間で、ホンダらしい驚きのあるホスピタリティの実現を目指している。ターゲットユーザー層は、子育て世代であることはもちろん、3世代でのモビリティにジャストフィットさせることが狙いだという。

ステップワゴン G( プレミアムディープロッソパール)
ステップワゴン G(プレミアムディープロッソパール)
スパーダ(プレミアムスパークルブラックパール)
スパーダ(プレミアムスパークルブラックパール)

ホンダ 新型ステップワゴンホンダ 新型ステップワゴン

エクステリアのデザインは、機能性を重視したモダン・ファンクショナル・ビューティがテーマで、ビッグ・ワンモーションキャビンとしている。5ナンバーサイズのボクシーデザインはこのモデルでも踏襲されているわけだ。

ホンダ 新型ステップワゴン

ホンダ 新型ステップワゴン
フロントシート
セカンドシート
セカンドシート
サードシート
サードシート

インテリアはビューティリティ・リビングがテーマで、さりげないスマートなリビングルーム感覚を追求した。ステップワゴンはブラウン系、スパーダはスポーティさや個性を重視しブラック基調のカラーリングとなっている。

ホンダ 新型ステップワゴンホンダ 新型ステップワゴン

パッケージングは、5ナンバーサイズを守り、全長4690㎜、全幅1695㎜としているが、エンジンルーム長さを40㎜短縮し、それを室内長に割り当て、フロントシートからサードシートまでの距離を40㎜延長。全高は25㎜アップして1840mmとし、室内高は30㎜増加し1425㎜となっている。また、セカンドシート以降のサイドウインドウを立てることで、頭部周りの開放感を向上させている。

ホンダ 新型ステップワゴン
フラットフロアで7人乗りはウォークスルーも可能

新型ステップワゴンのユニークな特徴が、ゲートにもドアにもなるリヤゲートの新機構で、「わくわくゲート」と名付けられている。このリヤゲートは、スーパーでの買い物などを軽い操作でリヤに積載できるようにハーフサイズの横開き(サブドア)構造を取り入れているのだ。また、この横開きリヤゲートから人も乗り降りできるのがポイントだ。もちろん大きな荷物を出し入れするために、通常のワゴンのように縦に跳ね上げ開きもできるようになっている。なおサブドアは安全上の理由から停止時でないと開閉できない。

リヤの横開きサブドア
リヤゲートの横開きサブドア
リヤゲートの通常の跳ね上げ開き
リヤゲートの通常の跳ね上げ開き

またこの横開きのサブドアを採用したため、床下収納式のサードシートは左右分割式となり、片側を収納しておくことで、リヤのサブドアからの出入りができるようになっている。シートアレンジは、フルフラットからサードシート折り畳み状態、セカンドシート折り畳み状態など従来通りの多彩なアレンジができ、さらにリヤ・サブドアから運転席までアクセスもできる。リヤゲートの床面を85㎜も低床化させたことで積載性、乗降性も大幅に高められている。

新開発の1.5L・ダブルVTEC直噴ターボ
新開発の1.5L・ダブルVTEC直噴ターボ
高タンブル吸気ポート、ダブルVVTを採用
高タンブル吸気ポート、ダブルVVTを採用

新型ステップワゴンに搭載されるエンジンは、ホンダ初のダウンサイジング直噴ターボエンジンである。このL15B型と呼ばれる1.5L・VTEC直噴ターボは、2.4Lエンジン並みのトルク203Nmを1600-5000rpmで発生する。パワーは150ps/5500rpmで低回転型に仕上げられている。

シリンダーヘッド一体型排気マニホールドを採用
シリンダーヘッド一体型排気マニホールドを採用
吸排気カムにVVTを装備
吸排気カムにVVTを装備

エンジンの排気量は1496㏄、ボア・ストロークは73.0×89.4㎜という超ロングストローク型で、圧縮比は10.6(レギュラーガソリン)と、かなり高圧縮になっている。吸排気カムにはVVTを装備し、始動時はバルブタイミングのオーバーラップを小さく、ごく低負荷域ではオーバーラップを大きくして排気ガスを還流して、アクセルを開けてポンピング損失を抑え、低回転から負荷が大きくなる場合もオーバーラップを大きくして排気の抜けをよくする。そして高回転、高負荷域ではオーバーラップを小さくするという制御を行なう。

燃焼室は、スモールボアを前提に、高タンブル流を生成することで燃焼速度の向上を図り、ノッキングを回避している。そのためタンブル流を生み出す吸気ポート形状と、ピストントップ部に凹型のくぼみ(ボウルインピストンと呼ぶ)を設けている。

排気マニホールドはシリンダーヘッド一体型で、ターボはヘッドに直付けされ、ターボの直後に触媒が配置されている。低回転型であることとエンジン内部のフリクションの大幅な低減により、JC08モード燃費は17.0㎞/L。動力性能と燃費の両立を図ったダウンサイジングターボにふさわしい特性となっている。

このエンジンに組み合わされるCVTも低回転・高トルクのエンジン特性に合わせて専用チューニングされ、さらに内部の摩擦抵抗も低減した。CVTのみで3%の効率向上を果たしているという。

ホンダ 新型ステップワゴンホンダ 新型ステップワゴン

ボディは軽量化と高剛性化が図られている。軽量化のために高張力鋼板の使用量が従来の42%から52%に拡大され、1500MPa級の鋼材も採用された。高剛性化ではボディサイド、リヤ周りの開口部などに接着剤も併用している。またボディは、フロントシートから3列目シートまで会話明瞭度を高めるために、エンジンルームの遮音、ボディ各部のインシュレーターが追加されている。

ホンダ 新型ステップワゴン

シャシーでは、高速走行時の直進安定性の向上と、市街地での軽快さを追求。サスペンションはフロントがストラット、リヤがトーションビーム式で、フロントはブッシュの液体封入式の採用や、ダンパーのバンプラバーにウレタン製を採用。リヤはダンパーの角度を直立化や、大型ブッシュに液体封入式を新採用している。

ホンダ 新型ステップワゴンホンダ 新型ステップワゴン

また電動パワーステアのステアリング・フィールを向上させるために、ステアリング系全体を見直し、剛性を向上した。特にラックギヤは従来の2点式ブラケット止め式から4点式のボルトによりリジッド止めにしている。またステアリングギヤ比もロックツーロック3.5回転から3回転に速めている。最小回転半径はホイールベースを延長したため100㎜増大しているが、エンジン部を短縮しているため、ウォールtoウォールは5.8mで従来と同じだ。

乗り心地、静粛性、操縦安定性はクラスでトップレベルとなり、3列シートのいずれでも心地よい居住性を達成しているという。

新型ステップワゴンは、新たにドライバー支援システムとしてホンダ・センシングをメーカーオプションとして設定した。ミリ波レーダーと単眼カメラの組み合わせにより、レーダークルーズコントロール、衝突回避・被害軽減ブレーキ、車線逸脱警報システムなどが実現している。

ホンダ ステップワゴン/ステップワゴン スパーダ諸元表

ホンダ ステップワゴン・ステップワゴン スパーダ価格表
ホンダ公式サイト

COTY
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