2015年1月9日~11日、幕張メッセで毎年恒例の東京オートサロンが開催された。もともとはアフターパーツメーカーがメインのドレスアップ、チューニングカーショーとしてスタートしたこのショーも、今では自動車メーカーのニューモデルの事前発表の場となり、性格も第2の東京モーターショー的になってきている。そこで、注目のニューカーをピックアプしてみた。
■マツダ
2月末にも正式発表予定のCX-3と新型ロードスターを出展。CX-3はすでに2014年11月のロサンゼルス・オートショーでワールドプレミアを行なっているが、日本ではこれが初公開となる。今やグローバル規模で大きく成長しているコンパクトサイズのSUVで、マツダによっても重要車種と位置付けられる。
CX-3の搭載エンジンは1.5Lディーゼル、2.0Lガソリンエンジンの2種類が設定されているが、日本では1.5Lディーゼルがメインとなるだろう。デザインは、マイナーチェンジされたCX-5などと同じ進化型「魂動デザイン」を採用している。注目の発売時期は2015年2月末ごろと予想される。
新型ロードスターは、これまで日本ではファンクラブ・イベントでは公開されてきたが、一般公開は今回のオートサロンが初となる。また今回は、2016年から開始予定のマツダ・グローバルMX-5カップカーも展示された。
新型ロードスターの発売時期は、6月末から7月初旬頃の発売で、おそらく春頃から受注が開始されるはずだ。つまり春には詳細スペックも公表されることになるだろう。気になるエンジンだが、日本、ヨーロッパ仕様は1.5L、130psのスカイアクティブ高出力版のガソリンエンジン。そして北米仕様のみが2.0Lガソリンエンジン(167ps)が搭載される。
デザインは進化型の魂動デザインで、しかもこれまでのラインアップとは異なり、ラテンのテイストを盛り込んだスポーツカー専用になっているのがハイライトだ。
ワンメイクレース専用のレースカー、「マツダ・グローバルMX-5カップ」カーもすでにアメリカでは発表されているが、アメリカ仕様の2.0Lエンジン搭載車をベースにした世界統一仕様となっている。
レースカーとしての製作はマツダが行ない、販売、レンタル方式でレース参加者に供給する。2016年から開始されるレースは、日本、ヨーロッパ、アメリカで開催され、シーズン最後には世界No1決定戦も行なうという。
なお、日本では従来通りナンバー付き車両によるパーティレースも継続される。また、FIAのウーマンinモータースポーツの委員を務める女性レーサーの井原慶子氏の活動に賛同し、女性レーシングドライバー育成活動にもマツダは積極的に協賛することも発表された。
■ダイハツ
ダイハツのブースは、多数のコペンで埋め尽くされた。ダイハツ以外のサードパーティと連携したDRESS-FORMATIONによるコペンの拡がりを表現しており、アウターパネルのデザインを工夫することで様々な表情のコペンが生まれるという、コペンの着せ替えコンセプトを訴求しているのだ。
ダイハツのニューモデル予告としては、第3のコペンが登場した。第3のコペンは初代のデザインをイメージし、丸型ヘッドライト、ふくよかで優しいデザインを採用している。
今回はモックアップの状態であったが、ほぼこのままのデザインで夏頃には発売される見通しだ。
もう1台の注目は、藤下チーフエンジニアがコペンの目指す、走りのあるべき姿を実現したコペン・ローブSだ。ダンパーはビルシュタイン製、レカロの最新シートやBBSホイールを装備し、大人のためのドライビング・プレジャーに応えるスペックに作り込んでいる。2014年12月24日に発表されたが、今回の東京オートサロンで初披露となったモデルだ。
■スズキ
2015年の軽自動車で注目される新型アルトは、3月にアルト・ターボRSを発売する予定だが、今回登場したのは、そのアルト・ターボRSにレカロシートや、専用チューンド・サスペンション、17インチアルミホイールなどを装着したコンセプトモデルで、走りを磨いているという。デザイン的にも、イタリアのチューンド・モデルのような雰囲気だ。
■ホンダ
ホンダのトピックはなんといっても、2月に発表される軽自動車の2シーター・ミッドシップ・スポーツカー「S660」だ。今回もコンセプトモデルとされ、2013年東京モーターショーに出展されたコンセプトモデルと大差なかったが、発売時期は4月頃で、そこから考えても現時点では実際には量産試作車が走りこみを行なっているはずだ。
■スバル
スバルはレガシィB4をベースにしたブリツッェン・コンセプトを出展。3代目レガシィ時代(2000年)にB4をベースにしたポルシェ・デザインのブリツッェンは大好評を博したが、今回のモデルは6代目になったレガシィB4をベースに、ブラッグシップ・セダンらしさを強調している。ボディカラーはイメージカラーのプレミアムレッド。エクステリアは専用ホイール、リヤスポイラーを装備。インテリアも専用装備となっている。
またSTIからはレヴォーグS コンセプトが出展された。Sモデルのため、シャシーからエンジンまで手が加えられたコンプリート・チューニングカーで、出力もアップし6速MTを組み合わせている。スバル&STIは2015年ニュルブルックリンク24時間レース参戦車も発表した。
2014年も新型WRX STIで出場したが、2015年モデルはボディ剛性、サスペンション、エンジンの改良などを行ない、さらに空力性能をアップデートし、リヤフェンダーの外側は垂直フィン形状としている。このモデルは左ハンドル仕様とされ、コースでの視認性などで不利にならないように配慮。ドライバーは佐々木孝太、マルセル・ラッセー、カルロ・ヴァン・ダム、ティム・シュリックに決定した。
■ロータス SGT エヴォーラ
ロータス・カーズの総代理店のエルシーアイが会場で発表したSGT エヴォーラは、2015年スーパーGT300シリーズに参戦するGT300マシンだ。このマシンはGTアソシエーションのGTマザーシャシー(FR駆動方式)を利用し、ムーンクラフト製のオリジナルボディを架装したもの。ドライバーはエルシーアイの代表取締役である高橋一穂氏、加藤寛規選手という永年のコンビだ。