2015年1月13日、ホンダの米国現地法人であるアメリカン・ホンダモーターはミシガン州デトロイトで開催中の2015年北米国際自動車ショーでアキュラ・ブランドの新型「NSX」のワールドプレミアを行なった。ついに市販仕様のNSXがベールを脱いだわけで、発売までのカウントダウンが始まったといえる。
新型NSXは、軽量なボディーに新開発の直噴V型6気筒ツインターボエンジンをミッドシップマウントし、走りと燃費性能を両立した高効率・高出力の3モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWDR(Super Handling-All Wheel Drive)」を搭載したまったく新しいスーパーカーだ。
新型NSXのSPORT HYBRID SH-AWDRは、エンジンと高効率モーターを内蔵した9速デュアルクラッチ・トランスミッションを組み合わせ、前輪の左右を独立した2つのモーターによる、4輪の駆動力を自在に制御する加減速対応トルクベクタリングができる電動式の4輪駆動システムを搭載したハイブリッドシステムを採用。つまりレジェンドの3モーター・ハイブリッド・システムを前後逆に搭載しているシステムともいえる。
直噴V型6気筒ツインターボエンジンは高い横Gに耐え、低重心化のためにドライサンプ潤滑方式を採用している。
エクステリアはエキゾチックなフォルムと、スーパーカーとしての機能性を融合させており、キャビンフォワードなパッケージングにしているのが特徴だ。エクステリアデザインを構成する各部は、安定性を高めるダウンフォースの発生や、エンジン冷却のための効果的なエアフローマネジメントなどの機能性も合わせて表現している。
インテリアはドライバーが運転に集中できるデザインで、優れた前方視界やカラー液晶ディスプレイによる良好な視認性を実現し、インプルで直感的なインターフェースとしている。
ボディ骨格は革新的な複合素材ボディをとなっている。アルミニウムや超高強度鋼板、その他の先進素材などを採用したスペースフレーム構造で、ねじれ・曲げ剛性を大幅に高めているという。アルミ材は鍛造と鋳造材を結合できる世界初の鋳造技術も採用。カーボン製フロアパネルとアルミ、高強度鋼板の上部骨格を結合するという骨格構造としている。
サスペンションはオールアルミ製、ホイールはフロントが19インチ、リヤが20インチサイズ。ブレーキはフロントが6ポット、リヤ4ポットのモノブロックキャリパーとカーボンセラミック・ディスクを組み合わせている。
ドライビングモードは、インテグレーテッド・ダイナミックシステムを備え、低速時にモーター走行を行なう静粛モード、スポーツ・モード、スポーツ+モード、サーキット専用のトラック・モードの4モードが選択できる。また3モーターとエンジンをフルに使用し、最大級の急発進ができるローンチ・モードも装備している。
新型NSXはオハイオ州にあるホンダR&Dアメリカズを中心に開発され、オハイオ州のメアリズビル4輪車工場の隣接地に位置する「パフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター」で少数の熟練工の手で生産され、2015年後半にアメリカでの発売を予定している。今回、デザインやスペックの詳細と、アメリカでの販売価格は約15万ドル(約1790万円)からというプライスを正式発表し、夏から受注を開始するとしている。