ブリヂストン試乗記 軽自動車の性能をアップさせるレジェーラ、スポーツモデルにマッチするアドレナリンRE003

マニアック評価vol429

レグノGRレジェーラを装着したムーヴとポテンザ・アドレナリンAE003を装着したN-ONE
レグノGRレジェーラを装着したムーヴ(手前)とポテンザ・アドレナリンAE003を装着したN-ONE

ブリヂストンは2016年2月15日から、初の軽自動車用プレミアムタイヤ、レグノGRレジェーラを発売した。また同日、軽自動車用サイズのスポーツタイヤ、ポテンザ・アドレナリンRE003も発売を開始している。これらは軽自動車用として初ともいえるプレミアム・ブランドで、性能を総合的、全方位的に高めたレグノGRレジェーラ、ポテンザ・アドレナリンRE003はどのようなタイヤか?試乗してみた。<レポート松本晴比古/Haruhiko Matsumoto>

ブリヂストンは、2015年2月にレグノの新商品、セダン/コンパクトカー用の「GR-X1」、ミニバン用の「GRV Ⅱ」を発売したが、「GR-X1」は、従来の大型セダン用という商品イメージを変え、コンパクトカー用のラインアップを充実させている。これは、市場がダウンサイズ方向に変化していることを反映させた結果で、実際に発売されてからコンパクトカー用のサイズの販売は好調だという。

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軽自動車用サイズのレグノGRレジェーラ

しかしコンパクトカー以上に市場規模が大きいのが軽自動車だ。そのため、ブリヂストンは軽自動車の商品ラインアップ強化に手抜かりなく、軽自動車用のプレミアム・ブランドとしてレグノGRレジェーラ、スポーティタイヤとしてポテンザ・アドレナリンRE003を投入した。軽自動車も多様化が進み、これまでのような低価格のスタンダードタイヤ一本やりではなく、ユーザー層の価値観の多様化に応える商品ラインアップとしているのだ。

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■レグノGRレジェーラ試乗
試乗したのは、ダイハツ・ムーヴとホンダN-BOXで、タイヤサイズはともに155/65R14(ホイールは4.5×14)。試乗では同じ車種に比較のためのコントロールタイヤとしてエコピア EX20を装着し、レグノGRレジェーラとの違いをチェックするというテストだった。ちなみにエコピアEX20は、低転がり抵抗による低燃費とウエット性能、長寿命をバランスさせたタイヤだ。

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レグノGRレジェーラを装着したムーヴ

一方のレグノGRレジェーラは、軽自動車用にチューニングして、エコピアEX20のレベルを上回る快適性、静粛性、運動性能を高め、特に軽自動車特有の低中周波域での振動・騒音の低減。また軽自動車はハンドルの据え切りが多用されるという使用状況に合わせ、偏磨耗しにくいトレッド・ブロックの構造を採用しているのが特徴だ。さらに、一般的な乗用車に比べ小径のためタイヤ回転数が多い軽自動車の特性に合わせ、耐摩耗性も十分配慮されている。

試乗した市街地の道路では、舗装の表面がざらざらと荒れた路面、あるいはコンクリート舗装の表面のような場所で、レグノGRレジェーラの静粛性能が最も分かりやすかった。ざらついた路面では、ゴー、ガーといった種類の振動音が発生し軽自動車の車内に侵入してくるが、レグノGRレジェーラはその振動、音がかなり抑えられているのだ。

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これはレグノGRレジェーラがトレッドの補強ベルトにポリエステル製の「ノイズ吸収シートⅡ」を採用していることと、圧縮剛性抑制サイプ、3Dノイズカットデザインのトレッドパターンを採用することでロードノイズ全般を抑え込んでいるからだ。もちろんこの振動・騒音の低減効果は、エンジン音が大きくなる加速時はなかなか実感できないが、一定速度での巡航状態では実感できる。

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レグノGRレジェーラを装着したN-BOX

またトレッドに対して全高が高い軽自動車のために、ハンドルを切った時のふらつきを抑えるため、レグノGRレジェーラは内部構造を左右非対称にしている。その結果、安定したハンドリングとなり、ステアリングを大きめに切った後の修正舵も抑えられている、というが残念ながら直線路が多い市街地ではそれはあまり実感できなかった。

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軽自動車は、今では上級グレードやスポーティタイプは純正装着でクルマの性格に見合ったタイヤが装着されているが、中級グレード以下は低転がりでグリップ性能全般が低く、振動や騒音、乗り心地に不満を感じるタイヤが装着されていることが多い。こうしたクルマにこのレグノGRレジェーラを交換すると、クルマの走り、快適性は大幅にレベルアップすると思われる。

ブリヂストン レグノGRレジェーラ価格表

◆ポテンザ アドレナリンRE003試乗
ポテンザ・アドレナリンRE003は、ポテンザ・ブランドでストリート・スポーティタイヤと位置付けられているタイヤだ。ドライ路面はもちろん、ウエット路面でも一段高いグリップ性能が確保され、ドライ路面ではステアリング・レスポンス、操縦安定性によりハンドリングを楽しめるタイヤだ。

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ポテンザ・アドレナリンRE003を装着したN-ONE

軽自動車用は、こうしたアドレナリンRE003の基本性能に加え、タイヤ重量の最適化、偏磨耗の抑制を目指した専用設計としている。そしてコーナリング時でも接地面積を確保し、グリップ力を高めるのはもちろん、ステアリングの操舵フィーリングを高めているのが特徴だ。

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試乗したのはホンダN-ONEで、装着タイヤは165/55R15(ホイールは4.5×15)。スポーティ系のN-ONEとこのアドレナリンRE003はよくマッチしている。またタイヤサイズも15インチで、それだけステアリングの手応えがしっかりしている。

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イメージ的には軽自動車ではなく、上のクラスのコンパクトクラスのクルマに乗っているような感覚になる。もちろんタイヤ自体のグリップ感、ブレーキ時などでの余裕も十分感じられ、スポーティな走行時だけではなく市街地走行でもそれだけ余裕のある走りができるわけだ。

軽自動車の中でもターボ車、スポーツ系のモデルには、このポテンザ・アドレナリンRE003はよくマッチすると感じられた。

ポテンザ アドレナリン AE003価格表

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