ホンダは、軽乗用車「N-BOX」に、日常はもちろん介護から趣味まで、幅広いシーンでの使いやすさを追求した「スロープ仕様」を追加し、2018年4月20日に発売する。
N-BOXには従来から「N-BOX+」という派生車があった。N-BOX+は荷室部の床を傾斜させ、リアの開口部下端を低くかつ幅広くすることで、重い荷物を楽に積み下ろしすることができたり、車いすを載せる介護車両への発展が容易なことが大きな特徴となっていた。
しかし、2017年8月にN-BOXがフルモデルチェンジされた際には、そうした派生モデルは作られず、N-BOX+は従来モデルを継続販売。新型N-BOXが色々な面で大きく進化しただけに、N-BOX+の機能を持った新型が待ち望まれていた。
今回追加になったN-BOXスロープ仕様は、そんな期待に応えるべく、N-BOX+の福祉車両としての機能をさらに煮詰めて、新型N-BOXに取り入れたモデルとなっている。ベースが新型N-BOXなので、広い室内空間、存在感あるデザイン、優れた走行性能、先進の安全運転支援システム「ホンダ センシング」の標準装備といったスペックは、新型N-BOXそのものだ。
注目のスロープ機能はというと、N-BOX+のものをさらに進化させていて、車いすの人にも介助する人にも便利な機能が採用されている。普段はフラットな荷室の床として、引き出せばそのままスロープとして使える「スーパーフレックススロープ」は、N-BOX+車いす仕様車のものと較べると約4.5kgも軽量化。操作性を向上させている。
さらに「4人乗車モード」と「車いす乗車モード」の切り換え手順を簡略化し、従来の半分以下の手順でモード変更が可能となった。車いすを引き上げる電動ウインチも進化していて、モーターを高出力化することで、ベルトのたるみやウインチへの噛み込みを防止。さらに、車いす固定推奨位置付近で減速させる高度な制御を導入することで、安心感を高めている。リモコンは車いすを押しながら操作ができるよう、押し手へのセットが可能な仕様とされた。
N-BOX+車いす仕様車では脱着式だった車椅子乗員用手すりが回転式に変更されていたり、後席シートフレームを専用設計とすることで、シート収納時の高さを大幅に低減したりと、細かいところへの気配りも大きく進化。ドリンクホルダーやサイドポケットも、車いす乗員が使いやすい位置に設定されている。
また、今回はN-BOX+のようにひとつの車種に纏めてしまうのではなく、スロープ仕様というバリエーションとして設定が追加されたのだが、これにはちゃんと訳がある。それはN-BOX、N-BOX Customの2つのタイプそれぞれで、スロープ仕様が選択できることを意味するからだ。
つまり2種類のボディタイプに加え、豊富なカラーバリエーション、FF/4WD車、「車いす専用装備」を装備しない仕様など、ユーザーのニーズや好みに合わせて、幅広いラインアップからスロープ仕様を選択できるということ。これはユーザーにとっては、非常に有難い設定といえるだろう。
N-BOXは、ベンチシート仕様・スーパースライドシート仕様に加え、今回追加したスロープ仕様の3つのバリエーションにより、あらゆる生活スタイルのニーズにお応える体制を整えたことになる。
なお、ボディーカラーは以下のとおり。
【N-BOX】
・プラチナホワイト・パール
・ルナシルバー・メタリック
・クリスタルブラック・パール
・プレミアムピンク・パール
・プレミアムアイボリー・パール
・プレミアムアガットブラウン・パール
・プレミアムイエロー・パールII
・ブリリアントスポーティブルー・メタリック
・モーニングミストブルー・メタリック
・ブリティッシュグリーン・パール
・タフタホワイトIII
<2トーンカラー>
・プレミアムピンク・パール&ホワイト
・プレミアムアガットブラウン・パール&ホワイト
・プレミアムイエロー・パールII&ホワイト
・プレミアムアイボリー・パール&ブラウン
【N-BOX Custom】
・プラチナホワイト・パール
・ルナシルバー・メタリック
・シャイニンググレー・メタリック
・クリスタルブラック・パール
・プレミアムグラマラスブロンズ・パール
・ブリリアントスポーティブルー・メタリック
・プレミアムベルベットパープル・パール
<2トーンカラー>
・プラチナホワイト・パール&ブラック
・ミラノレッド&ブラック
・ブリリアントスポーティブルー・メタリック&ブラック
・プレミアムグラマラスブロンズ・パール&シルバー
・クリスタルブラック・パール&レッド