ホンダ ビッグマイナーチェンジした「フィット」 ここが注目点!

大幅なマイナーチェンジを受け、2017年6月30日から発売されたフィットは、主力グレードにホンダ・センシングを標準装備化したが、4年ぶりのビッグマイナーチェンジとあって、デザイン、ボディ、シャシーなど各部に渡ってアップグレードされ、商品力を高めている。

ホンダ ビッグマイナーチェンジした「フィット」 ここが注目点!

マイナーチェンジしたフィット フィットRSホンダ・センシング フィット・ハイブリッドLホンダセンシング フィット・ハイブリッドSホンダ・センシング
左からRS ホンダ・センシング、ハイブリッドL ホンダ・センシング、ハイブリッドS ホンダ・センシング

今回のビッグマイナーチェンジでは、従来からのBセグメントの常識を破りクラスを超えたパッケージをそのままに、デザインの進化、静粛性、乗り心地の向上、ハイブリッド・モデルの燃費向上、そしてホンダ・センシングを装備し予防安全性能を大幅に向上させ、Bセグメントにおける商品力を高めている。

マイナーチェンジしたフィット 変更されたポイント

マイナーチェンジしたフィット モデルバリエーション

■デザイン

今回のマイナーチェンジでエクステリア・デザインが手直しされ、新デザインのヘッドランプとグリルの一体感が強まり、前後バンパーの形状を変更してワイド&スポーティさを強調している。それによって前期型ともひと目で識別できる。

マイナーチェンジしたフィット パッケージングイラスト
フィットのアピールポイントの広いパッケージング

マイナーチェンジしたフィット センタータンクレイアウトイラスト

上級グレードの「ハイブリッド S ホンダセンシング」と、1.5Lエンジンを搭載する「RS ホンダセンシング」は、よりスポーティなバンパー・デザインでテールゲートスポイラーを備える。このスポーティ・バンパーのため、このグレードの全長4mをわずかにオーバーし4045mmとなる。その他のグレードは3990mmだ。

マイナーチェンジしたフィット ハイブリッドL ホンダ・センシング
ハイブリッドL ホンダ・センシング

マイナーチェンジしたフィット ハイブリッドL ホンダ・センシング

マイナーチェンジしたフィット ハイブリッドL コックピット

マイナーチェンジしたフィット カーゴスペース

インテリアではメーターパネルデザインを変更した他、インテリアの質感を高めている。ベースグレードは黒を基調とし、洗練さを追求。

ハイブリッド L ホンダ・センシングと15XL ホンダ・センシングは質感を高めた素材のブラック・コンビシートと専用インテリアに。さらに上質感にこだわったハイブリッド L ホンダ・センシングは、本革のような風合い、触感の素材を使用した「プレミアムブラウン・インテリア」をメーカーオプションにするなど、グレードごとに質感を高めたインテリアカラーを設定した。

マイナーチェンジしたフィット ハイブリッドS ホンダ・センシング
ハイブリッドS ホンダ・センシング

マイナーチェンジしたフィット ハイブリッドS ホンダ・センシング

マイナーチェンジしたフィット ハイブリッドS コックピット

マイナーチェンジしたフィット ハイブリッドS エンジンルーム

マイナーチェンジしたフィット ハイブリッドS インテリア

また装備ではiPhoneやAndroidのスマートフォンをUSBで接続し、音楽再生や通話、マップアプリケーションの操作などを、ナビ画面や音声で行なえる「Apple CarPlay」、「Android Auto」に新たに対応している。

■エンジン/トランスミッション

パワーユニットのラインアップは従来と同じで、1.3Lアトキンソンサイクル・エンジンは100ps/119Nm で、CVTか5速MTを設定。1.5Lエンジンは132ps/155Nmで、CVT、6速MTを選択できる。

マイナーチェンジしたフィット エンジンラインアップ

またハイブリッド用は1.5Lアトキンソンサイクル・エンジンとモーター内蔵7速DCTの組み合わせで、エンジン単体では110ps/134Nm、モーター出力を加えたシステム出力は137ps/170Nmだ。

なお今回のマイナーチェンジでは、ハイブリッド用の1.5Lエンジンは改良され、軽量ベースモデルのJC08モード燃費は37.2km/Lと燃費の向上を果たしている。なおハイブリッドF、ハイブリッドLは34.0km/L、ハイブリッドSは31.8km/Lだ。

マイナーチェンジしたフィット RSの1.5Lエンジン
RS用の1.5Lエンジン。132ps/155Nm

ハイブリッド用エンジンの改良点はインテークポートでタンブル流を強化する形状に変更し、エキゾーストバルブはナトリウム封入式を、そしてピストン冠面を整形してよりコンパクトな燃焼室としている点だ。

マイナーチェンジしたフィット ハイブリッド用エンジン 燃費向上のポイント

さらに全エンジのが吸排気カムシャフトの中空径を拡大、軽量化し、シリンダー間にスリットを加えて冷却性を高め、シリンダースリーブ表面の細溝加工を改良。カム駆動チェーンの摺動部の材質変更などにより、フリクションの低減を図っている。

■ボディ/シャシー

ハンドリングの質感の向上、乗り心地や静粛性を高めるため、ボディ、シャシーの各所にも改良が加えられた。

マイナーチェンジしたフィット ボディ剛性強化のポイント

ボディは各所に補強材を追加したり、入力の大きい部位はパネル板厚をアップするなどして変形を抑え、局部剛性を向上させている。

マイナーチェンジしたフィット ハンドリングと乗り心地のポイント

またフロア部のメルシート(制振材)の厚さを2mmから3mmにし、またダッシュボードインシュレーターの密度を高めるなど騒音を抑制している。さらにハイブリッドSはエンジンマウントを改良し、フロントアンダーカバーの材質の変更や遮音ガラスを採用するなど、一段とレベルの高い静粛性能を追求。クラスを超える静粛性を実現している。

シャシーでは、ステアリング・ピニオン部のベアリング径の拡大、ダンパーのバルブの改良と減衰特性の見直しを行ない、さらにブレーキペダルにリンク機構を追加しリニアなブレーキ・フィーリングにしている。

その結果、リニアなハンドリング性能、乗り心地性能でもクラストップレベルとし、より質感の高い走り、乗り心地となっている。

マイナーチェンジしたフィット RS ホンダ・センシング フロントスタイル
RS ホンダ・センシング

マイナーチェンジしたフィット RS ホンダ・センシング リアスタイル

マイナーチェンジしたフィット RS ホンダ・センシング コックピット

■ホンダ・センシング

今回から、1.3L、1.5L、ハイブリッドの各L、Sグレードは運転支援システム「ホンダ・センシング」を標準装備、Fグレードの場合はメーカーオプション設定となっている。また6速MT仕様のRSにもホンダ・センシングは装備されることも注目点だ。

ホンダ・センシング 単眼カメラ

ホンダ・センシング 作動イメージ

ホンダ・センシングは単眼カメラとミリ波レーダーを組み合わせたシステムで、8つの機能を持っている。車間距離を自動制御するアダプティブクルーズコントロール、車線の中央を維持するようにステアリングを支援する車線維持支援システムも備えるなど、クラス・トップレベルの機能を持っている。

ホンダ フィット 販売実績グラフ

Bセグメントの中で、新型フィットはホンダ・センシングを装備したことで自動ブレーキやアダプティブクルーズコントロール、操舵支援などドライバー支援システムとしては最も高性能なスペックを実現していることは評価できる。

フィットのマイナーチェンジより10日ほど早くにライバルのトヨタ・アクアもマイナーチェンジを行なっている。このクラスはアクアが長らくトップの座を守っていた。が、日産がノートe-POWERを送り出し、トップに躍り出ている。

そして、この新型フィットも商品力を大幅に高めてマーケットに登場したので、ここしばらくは日本のBセグメントのコンパクトカーの市場は激戦が予想され、興味深い。

新型フィット 諸元表

マイナーチェンジしたフィット 価格表

マイナーチェンジしたフィット 価格表

ホンダ フィット アーカイブ
ホンダ公式サイト

COTY
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