ホンダは2020年7月9日、鈴鹿サーキット国際レーシングコースで、「シビック タイプRリミテッド・エディション」の最終的な性能評価のための走行テストを行ない、市販FFモデルで最速となる、2分23秒993のラップタイムを記録したと発表しました。
「メガーヌR.S.トロフィーR」との戦い
周知のようにシビック タイプRは、「ルノー メガーヌR.S.(ルノー・スポール)トロフィーR」と、ニュルブルクリンク サーキット、鈴鹿サーキットで、市販FFモデルの最速ラップタイムを競い合っています。
2019年後半に投入された新型「メガーヌR.S.トロフィーR」は、ニュルブルクリンク、スパ フランコルシャンでそれぞれコースレコードを記録し、11月に鈴鹿サーキットに乗り込んできました。
「メガーヌR.S.トロフィーR」は1.8Lターボながら300ps/400Nmを発生し、さらにトロフィーRは軽量化のためにリヤの4コントロール・システムの除去、リヤシートの取り外しなどを行ない車両重量1300kg強という軽量ボディで鈴鹿サーキットに挑みました。ドライバーはルノースポールのベテラン開発テストドライバーで、ローラン・ウルゴン氏がステアリングを握り、2分25秒454のレコードタイムを記録しています。
マイナーチェンジするシビック タイプRと軽量モデル
シビック タイプRは、2020年2月にマイナーチェンジすることが発表され、2020年夏に発売予定でしたが、残念ながら新型コロナウイルスの感染拡大により生産しているイギリスのスウィンドン工場も影響を受け、発売の延期が決定しています。
今回のシビック タイプRの鈴鹿での最終確認とタイムアタックも本来の予定より遅れて実施されました。
マイナーチェンジしたシビック タイプRには、「メガーヌR.S.トロフィーR」と同様に、軽量化された限定200台のスペシャルモデルがあり、それが今回の最速ラップタイムを記録した「シビック タイプRリミテッド・エディション」です。
この軽量モデルにより、2.0Lターボで320ps/400NmというタイプR用エンジンの本領が発揮されたわけです。
リミテッドエディションは、超軽量の鍛造アルミ製20インチホイールと専用タイヤのミシュラン パイロットスポーツ Cup2を装備しています。さらに今回はアダプティブ ダンパー システムとEPSの専用セッティングを行なってタイムアタックに臨んでいます。
そして結果として2分23秒993と、「メガーヌR.S.トロフィーR」のタイムを1.5秒近く短縮しました。