ちょうど4年前にあたる2013年3月、ゼネラルモーターズ(GM)とホンダは、燃料電池電気自動車の普及のため、2020年頃の実用化に向けた次世代型燃料電池システムと水素貯蔵システムの共同開発を行なうために長期的な提携契約を締結した。
そして2016年1月に、両社は自動車業界初となる先進の水素燃料電池システムの量産を行なう合弁会社を設立している。
「Fuel Cell System Manufacturing,LLC(FCSM)」社は、ミシガン州デトロイトの南に位置するブラウンズタウンにあり、GMの既存のバッテリーパック生産工場内に設置され、2020年頃に燃料電池システムの量産を開始する予定で稼働している。
燃料電池システムと水素貯蔵システムのより低コストな市販ソリューションを創出するために、両社は開発チームを統合し、燃料電池関連の知的財産を共有して開発に取り組んでいるのだ。
そして2017年3月8日、燃料電池システムを生産する合弁会社FCSMの経営体制が発表された。
FCSMは、社長職を両社が持ち回りで指名する経営方法を採用し、初代社長にはこれまでGM オペレーショナル・エクセレンスのディレクターを務めたソーヘイブ・ハック氏が就任。そして副社長には現在ホンダの執行役員でホンダ・オブ・アメリカ・マニュファクチュアリングの取締役社長を務める神阪知己氏が就任した。GMとホンダは、社長と副社長の職を2年毎に持ち回りで指名する予定としている。
また、FCSMは両社が指名するそれぞれ3名の取締役からなる取締役会を設置し、取締役会議長は両社が持ち回りで指名し、最初の取締役会議長は、現在ホンダで取締役・常務執行役員・四輪事業本部長を務める関口孝氏が就任した。
経営体制も確立され、FCSMはよりコストの安い燃料電池スタックや水素貯蔵システムの生産が開始される。もちろんその目的は2020年からのZEV規制に対応するためで、2社は燃料電池車の心臓部の開発、生産を合弁事業とすることで、開発コスト、製造コストを引き下げるというメリットが得られるのだ。FCSM社は、将来的に約100名の雇用を創出する見通しで、両社が同額ずつ拠出する新会社への投資総額は8万500万ドルとなっている。