ホンダの研究子会社、本田技術研究所は2026年1月13日、神奈川県および神奈川県の小田原市と締結した「交通課題解決に向けた自動運転技術の実証実験に関する協定」に基づき、独自の協調人工知能「Honda CI(Cooperative Intelligence:CI 協調知能)」による自動運転実証実験を、2026年2月に小田原市内で開始すると発表した。
この実証では、起伏に富む地形や交通量が多い道路がある小田原市の環境を生かし、傾斜地におけるCI自動運転技術の認識能力向上や、従来の低速から中速へ対応速度域の拡大を目指すとしている。

まず実証実験車両にCR-Vを使用し、安全監視員が乗車した状態で、小田原市橘地域の工業団地にある公道を周回するCI自動運転技術検証を実施する。
その後、走行エリアを拡大し、システムの対応速度も時速60kmまで引き上げるなど、実証範囲を拡張していく計画だ。また実証車両も、EVモデルである「N-VAN e:」へ移行し、CI自動運転技術の進化とカーボンニュートラルの実現への取り組みも並行して進めていく。

ホンダのCI自動運転技術、すなわち「End to End」技術による「ナビゲーション on オートパイロット(NOA)」は、高精度地図や大規模なインフラ設備を必要とせず、AIを活用してさまざまな環境に適応できる。これを生かし、今ある町や道路環境の中に先端技術を加え活性化していく「レトロフィット型のアプローチ」により地域に貢献していくことを目指しているのだ。
ホンダはこれまで、CIマイクロモビリティ(グリーンスローモビリティ)として、カメラによる認識技術とCIを組み合わせ、車両の走行条件が時速20km未満での自動運転レベル4の実現を目指してきた。
今回の実証実験では、交通量や走行速度の高い一般道での自動運転レベル4の展開を見据え、カメラに加えてLiDARを実証実験車両へ搭載している。これにより、遠方の物体や交通参加者の位置・速度を高精度に計測し認識精度と冗長性を強化することで、対応速度域を時速60kmまで拡大しても、自動運転レベル4に必要な安全性を確保できることを目指している。
CI自動運転技術は、カメラベースで周辺環境を認識しながら自動で走行する「地図レス協調運転技術」を搭載。しかし、勾配変化が大きい走路では、検出した交通参加者や道路構造物の位置精度が変化するため、自動走行の難易度が上がるという課題があった。
今回LiDARを搭載することで、勾配変化に影響されず交通参加者や道路構造物の位置を高精度に検出することが可能となる。今回の実証では、小田原市のさまざまな勾配でシステムの検証を行ない、傾斜地における認識能力・精度の向上を目指す。
ホンダは、今回の小田原市での実証をはじめ、地域ごとの特性を生かした多様な実証を通して技術の信頼性・汎用性を高め、幅広い交通環境に対応するCI自動運転技術の実現に取り組んでいる。また、乗用車だけでなく、バスやマイクロモビリティなどの多様なモビリティに適用することを視野に入れた技術進化を図っている。
このCI自動運転技術を2030年頃に実用化することを目指し、まず2027年度に特定条件下(標準的な一般道で60km/h以下)での自動運転レベル4の認可取得を目指すとしている。













