ホンダは2019年3月5日、ジュネーブモーターショー2019でヨーロッパ市場での電動化戦略を発表した。ヨーロッパにおける電動化をさらに加速し、2025年までにヨーロッパで販売するクルマのすべてをハイブリッド、バッテリーEVなどの電動車両に置き換えることを目指すという。
これは、2017年のジュネーブモーターショーで発表した「グローバルでの電動化目標から5年先駆け、2025年をめどに欧州での4輪車販売台数の3分の2を電動車両へ置き換える」という目標をさらに一歩進め、ヨーロッパにおける環境対応の取り組みを強化することを意味する。またヨーロッパで2019年初頭に販売を開始した「CR-Vハイブリッド」に搭載されている2モーターハイブリッドシステム「スポーツハイブリッド i-MMD」を、今後のヨーロッパでの電動車ラインアップの中心技術にするとしている。
そのため、ジュネーブで「eプロトタイプ」を世界初公開した。もちろんこのクルマはホンダとしてヨーロッパでは初となる電気自動車だ。取り回しの良さと力強い後輪駆動モーターによる走りの楽しさを実現する。
EV走行距離は200km以上で。30分で80%まで充電が可能な急速充電にも対応した都市型コミューターEVだ。このコンセプトモデルをベースとした新型電気自動車の先行予約を、ヨーロッパの一部の国で2019年夏より開始する予定だという。したがってデリバリーは2019年秋となる見込みだ。
またホンダはヨーロッパ向けのエネルギーマネジメントソリューションの取り組みに関しても発表した。発表内容は、2017年のフランクフルトモーターショーで初公開した電力系統と双方向での充電・給電を可能にする「ホンダ・パワーマネージャーコンセプト」をさらに発展させたものだ。
今後、エネルギーマネジメント商品とサービスのポートフォリオを強化し、ヨーロッパにおけるEVユーザーと、エネルギーサービス事業者の双方に向けた総合的なソリューションを提供することを目指すとしている。
電気を融通しあうエネルギーマネジメント技術を、EV用充電ソリューションを提供するスイスのEVTEC(イーブイテック)社と共同開発中で、数年以内に事業化する予定だ。さらに、新たに「Moixa(モイクサ)」、「Ubitricity(ユビトリシティ)」の2社とパートナーシップを締結している。そしてホンダは、次のステップとして、英国・ロンドンとドイツ・オッフェンバッハでこれらの技術の実証実験に着手し、年内にもさらなる展開についての発表を行なうとしている。