2013年5月16日夕方、ホンダ本社で急遽報道発表会が開催され、ホンダの伊東孝紳CEOから2015年シーズンからマクラーレンチームとのジョイントプロジェクトという形でF1に復帰し、エンジンなどを供給することが発表された。
マクラーレンチームは2015年までメルセデスからエンジンの供給を受ける契約が結ばれていたが、その契約終了を2014年シーズンまでと前倒しし、2015年からホンダ・エンジンに切り替えることにした。
F1エンジンの規則は2014年シーズンから大きく変更され、1.5LのV型6気筒ターボ過給エンジンに変更され、KERS(減速エネルギー回生システム)、熱エネルギー回生システムと併用されることが決定している。また、燃料流量制限と燃料使用量も削減されるため、現在のNAエンジンより約35%燃費を向上させる必要があり、リーンバーン領域も使用することになりそうだ。したがってホンダは、白紙から1.6Lターボエンジンの開発を行うことになる。
マクラーレンとのチーム運営は、ホンダがエンジン、エネルギー回生システムを開発・製造し、マクラーレンがシャシーの開発・製造・レース運営を担当するが、ホンダは単にエンジン供給のみに留まらず、チーム運営にも関与し、チーム名も「マクラーレン・ホンダ」となるとしている。
ホンダとしてはブランドイメージの再構築、新興国市場へのアピールなどマーケティング的な要素と、社内の士気の向上、人材育成の起爆剤的な役割といった意味を持つ再復帰と考えられる。その一方で、新規則のF1エンジンはホンダのエンジン技術のみならず広範なサプライヤーの協力なしには不可能だろう。