【ホンダ】軽自動車クラスを超える性能を追求したNシリーズ第3弾 「N-ONE」デビュー


2012年11月1日、ホンダは軽自動車、Nシリーズの第3弾「N-ONE」を発表し、11月2日から発売を開始した。2ボックス・ハッチバックスタイルのN-ONEは、1967年に発売されたホンダN360をDNAとし、親しみやすく飽きがこないタイムレスなデザインを採用し、その一方で近年のダウンサイジングのトレンドを受け、1.3L〜1.5Lクラスの小型車並みの性能、走りを訴求している。

N-ONE G・L Package

ホンダはN-ONEは、日本の新しいベーシックカーとすることとしている。大人4人が無理なく乗れる室内空間を確保しながら、クルマの基本性能を磨き上げ、日常の便利さだけでなく、週末のロングドライブでもスモールカー同等以上のパフォーマンスを発揮するクルマを追求したという。

その背景には、軽自動車、スモールカーへの販売比率が急速に高まる傾向にあり、近いうちに軽自動車と1.5L以下のコンパクトカーで全乗用車販売の70%に達するという予想がある。

開発コンセプトは、「One’s MINI TOURER」とされた。1610mmという高めの全高を生かしパッケージングはフィット・クラスに勝るリヤ席の足元スペースを生み出し、フロントシートはベンチシートを採用。ラゲッジ容量は157Lに加え39Lのリヤ床下収納スペースが確保されている。

グレード体系はベースグレードのN-ONEと、N-ONE Premiumの2シリーズを設定。それぞれに自然吸気エンジンとターボエンジンがラインアップされている。

デザインは、N360をアイコンにしながらシンプルさや愛らしさ、誰にでも親しみやすい台形基調のハッチバック・デザインに。インテリアもシンプルながら質感を高める工夫を凝らし、フロントシートはリビング風のベンチシートを採用。インスツルメントパネルもツートーンを採用しながらフラットでまとめ、オーディオ/ディスプレイ部(オプション設定)もデザインテイストに統一が図られている。

なおナビゲーションはスマートフォン・アプリを利用し、ディスプレイに表示できるようにしている。ボディカラーは11色で、G / Tourer、Premiumにはルーフのカラーを変えたツートーンも用意されている。

パワーユニット、トランスミッションはこれまでに登場したN BOXシリーズと共通の3気筒・DOHCで、自然吸気仕様とターボ仕様が設定されている。ターボ仕様は、軽自動車用というより1.3Lクラスのダウンサイジング版と位置付け、1.3Lクラスと同等の走りを目指しているという。そのためギヤ比も専用設定し、ロングドライブでもストレスのない走りを実現。自然吸気エンジンはフリクションを低減させ、走りと燃費を両立させている。

なお今回のN-ONE用から低負荷、減速時に発電する高精度発電制御、高熱伝導ピストントップリング、フリクション低減のためにクランクシャフト、カムシャフト、サイレントチェーンに鏡面仕上げ加工を採用している。

出力はターボ版が64ps/104Nm、自然吸気版が58ps/65Nm。ターボ版は最大トルクが2600rpm、自然吸気版が3500rpmと低めにし扱いやすい性格にしているのはNシリーズ共通だ。燃費はFFのターボ23.2km/L、自然吸気が27.0Km /L。

ボディ、シャシーもN-BOXシリーズ用に開発された新骨格、新プラットフォームを採用。また、静粛性の大幅向上を目指し振動・騒音対策を徹底。ボディ各パネルの周波数の固有値を高めることで、巡航時に気になるこもり音を低減している。

エンジン透過音は、ミドルクラスセダンに用いられるダッシュボードインシュレーターを、Nシリーズとして初採用。密度の異なるフェルト材で遮音層をはさんだ3層構造によりエンジン透過音を大幅に低減している。

ロードノイズに対しては、フロント・インナーフェンダーインシュレーターなど防音材をきめ細かく配置し、さらに、フロアに制振材を適用することで優れた静粛性を実現。またPremiumは、ドアライニングとサイドライニングに防音材を追加し、さらに静粛性を追求している。

サスペンションはフロントがストラット式、リヤはトーションビーム式で、スプリングレートの前後比率の最適化でピッチングを抑えたフラットでスムーズな乗り心地を実現している。さらに、サスペンションの専用チューニングやステアリングギヤレシオのクイック化、ラックギヤのマウント強化などにより、リニアで応答性に優れたハンドリングとしている。また、Tourer、Premium、Premium Tourerの3グレードはフロント・スタビライザーを装備する。

N-ONEは軽自動車という枠内ながら、1.5Lクラスまでをターゲットに入れたダウンサイズカーという位置付けで、軽自動車という常識を越えたツアラーとしての性能を狙った意欲作といえる。どんな走り、乗り味なのか期待が高まる。

N-ONE諸元表

ホンダ公式サイト

COTY
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