2014年11月10日、ダイハツは全高1835mm、室内高は軽自動車トップとなる1455mmを実現し、軽自動車で最大の室内スペースを実現したニューモデル、ウェイクを発表し、同日から発売を開始した。
タントなどが属する従来のスーパーハイトワゴンを全高でさらに上回るウルトラ・ハイトワゴンの新型ウェイクは、2009年、2013年の東京モーターショーに出展された「デカデカ」の市販版で、その概要は9月に開催された技術説明会でも紹介している。
ウェイクの開発コンセプトは、最近急増している小型車から軽自動車へダウンサイズするユーザーの要望や、現在の軽自動車ユーザーの声を汲み上げ、「もっと軽にできること」の追求の一環として視界のよさ、荷室の広さに着目し、日常用途からレジャー用途まで多用途に使用できる新ジャンルの軽自動車ということだ。いわば軽自動車のカテゴリーの幅を広げるための新たな試みとも言うべきニューモデルなのだ。タントなどは女性ユーザーやヤングファミリー層がメインユーザーだが、ウェイクはアクティブなレジャー指向のユーザー、男性ユーザーがメインターゲットとなるという点でも新ジャンルといえる。
小型車から軽自動車にダウンサイズするユーザー層が最も重視する、室内の広さと運転視界のよさを最重視したパッケージングを追求し、運転席に座って分かる見晴らしの良さ、「ファインビジョン」や軽最大の室内空間、「ウルトラスペース」を実現し、さらにレジャーシーンで活躍する様々な装備やオプション用品を設定しているのが特徴だ。また、多くの想定シーンの中でも、キャンプや釣りなどレジャー人口の多い6ジャンルの専門家と開発段階からコミュニケーションを図り、レジャーシーンでの利便性を向上している。
結果的に、新型ウェイクのアピールポイントは次の通り。
①座って分かる見晴らしの良さ「ファインビジョン」
②軽最大の室内空間「ウルトラスペース」
③高さを感じさせない安心・安全の基本性能「ファン&リラックスドライブコンセプト」
④圧倒的な荷室の使い勝手の良さ「ミラクルラゲッジ」
⑤存在感と多用途性を感じる塊感のあるスタイリング「ワクワク・ボックス」
つまり、ドライビングポジションをよりアップライトにすることで見晴らしをよくし、さらに全高、室内高を高くすることで室内の高さ方向と前後方向のスペース稼ぎ出し、さらにリヤの床下を下げることでフロア下に新しいラゲッジスペースを生み出している。
全高が1800mmをオーバーするため、重心を極力抑え、タントより全高は85mmアップしているが重心は10mmアップに留めている。ルーフパネルなどの板厚最適化や外板の樹脂化を行なうことで、重心より上の部品を軽量化しているわけだ。
また、シャシー性能を高め、高剛性化を行うことで、ロールの抑制、ふらつき感を抑えて、操縦安定性と乗り心地を両立。さらにダブルレーンチェンジなどでの車体の横転を抑えるためにVSC(横滑り防止システム)を標準装備している。
小型車からの軽自動車に移行したユーザー層のために静粛性も追求され、ターボ車はトルクコンバーターのダンパー特性変更、ボディの板合わせからの音漏れ防止など侵入経路の遮断、ダッシュパネルの板厚アップや吸遮音材をチューニングすることで、軽自動車とは思えない静かな室内としている。
ラゲッジスペースでは、新たにリヤのフロアを下げることで容量90Lのアンダートランクを設けている。このためゴルフバッグなどを立てて積むなど背が高い荷物も収納できる。
固定フック付きの上下2段調節式デッキボード(G、G”SA”グレードに標準装備)を使用すると、このアンダートランクのスペースをさらに多彩にに生かすことができる。リヤシートは、後方からスライドでき、シートは撥水加工のフルファブリックシートを採用。さらにリヤシート背面は塩化ビニール加工で、水濡れや汚れも簡単に拭き取りができるなどレジャーでの使用も考慮されている。また特に想定ユーザーが多い、キャンプ、釣り、登山、サイクリング、サーフィン、スキー/スノーボードなどの専門家の意見も取り入れ、多数のオプション用品設定などを行なっている。
新型ウェイクのプラットフォームはタント用を改良しており、搭載エンジンはKF型3気筒で、ターボ仕様とNA仕様が設定されている。トランスミッションはCVT。駆動方式はFFと4WDが設定されている。クールドi-EGRやCVTサーモコントローラー、エコ発電制御などイーステクノロジーを採用し、JC08モード燃費は25.4km/L。
また低速域衝突回避支援ブレーキ機能、誤発進抑制制御機能、先行車発進お知らせ機能を持つレーザーレーダー式スマートアイスとを全グレードに設定(4万3000円高)。VSC(横滑り防止システム)&TRC(トラクションコントロール)も全車標準装備となっている。
グレードは、G(ターボ)、X(ターボ)、L、D(FFのみ)で、それぞれに2WD、4WD、”SA”という名称でスマートアシスト付きが設定されている。