2013年10月3日、ダイハツは軽自動車のスーパーハイトワゴン「タント」をフルモデルチェンジし、同日から発売を開始した。新型「タント」はスマートアシストを全グレードに設定、軽自動車No1 となる広さ、開放感、両側スライドドアによる使い勝手の向上、プラスチック・ボディパネルの採用などを盛り込んでいる。
拡大する軽自動車市場の中で30%を占めるスーパーハイトワゴンは、軽自動車の中でもファーストカーとされることが多い。さらにダウンサイザーの受け皿車種でもあるため、ニューモデルの開発に当たっては全方位のレベルアップが図られ、しかも価格面にも配慮した設定としている。
新型タントは、左側センターピラーレスの両側スライドドアとしてさらなる使い勝手の向上、軽自動車No1の広々感の追求、アウターパネルに樹脂を採用することで軽量化や安全性を向上、静粛性の向上と安心感のある走り、低燃費の実現などを開発コンセプトに掲げている。
車種は女性ユーザーがメインの「タント」と、強い存在感とデラックスさを訴求し、男性やダウンサーザーをターゲットとした「タント・カスタム」の2バリエーション。なお軽自動車初の衝突回避軽減ブレーキ「スマートアシスト」の導入モデルは70%のユーザーがスマートアシストを選択しているという実績に基づき、今回の新型タントは全グレードに設定できるようになっているのも特徴だ。
新型タントの訴求点は、助手席のスライド幅を従来より10cm拡張し、後席の38cmのロングスライド化を実現。また後席下部の出っ張り部分をなくし、広大なフラットスペースを確保。このためA型ベビーカーをたたまず、収納でき、大型ダンボール箱やビールケースも積載できる。もちろん両側スライドドアも採用されており、G 、G”SA”、カスタムRS、カスタムRS”SA”グレードは両側パワースライドドアを標準装備している。
ユーザー調査の結果、スーパーハイトワゴンは広さ感が重視されることが明らかなため、頭上空間と後席空間を追求。Aピラー前出しによりヘッダー距離を12cm、前席ヘッドクリアランスを2cm延長し、軽自動車No1のフロント/リヤヘッドクリアランス、ヘッダー距離、前後乗員間距離を実現。
新型タントはボディパネルに樹脂パネルを採用している。ボンネット、フロントフェンダー、バックドア、フューエルリッド、レールカバーを樹脂化することで、従来のスチール製パーツの採用に比べ約10kgの軽量化を実現している。また樹脂化によりバックドアとリヤスポイラーの一体成形を実現。空力性能の向上に寄与するスポイラーを従来よりも軽量、低コストで採用できるようになっている。なおCd値は0.32を切るレベルに到達している。
シャシーではフロントスタビライザーの採用グレード拡大、フロントダンパーにリバウンドスプリングを設定、アンダーボディーの剛性強化などシャシー、アンダーボディで13個所の改良を行ない、ロール剛性を大幅に向上することで、カーブでのふらつきなどを抑制。また室内の静粛性を高めるために騒音対策も重視し、メカ音、排気音を低減するなど静粛性も大幅に向上させている。
エンジンは従来からの3気筒・KF型を改良し、ターボエンジンは圧縮比を9.0から9.5に向上。クールドi-EGR、VVT、気筒別燃焼制御、エコ発電制御の改良、CVTオイル制御などを盛り込むことでNAエンジンもターボエンジンモデルもJC08モード燃費で28.0km/Lを達成。
装備では、スマートフォン連携ナビを設定した他、ディーラーオプションで軽自動車初の8インチ・メモリーナビ、後席用大型モニターなども設定し、小型車からの乗り換えユーザー層に対応している。また、従来から好評のディズニーキャラクターアクセサリーも従来より充実されている。