【ダイハツ】ミラ イース、マイナーチェンジでガソリン車トップの低燃費を達成

ダイハツ・ミラ イース Gf”SA” シャイニングレッド

ダイハツは軽乗用車の「ミラ イース」をマイナーチェンジし、2013年8月19日から全国一斉に発売した。

ダイハツは2009年の東京モーターショーで第3のエコカーというキャッチフレーズでミライースを出展し、ハイブリッドモデルの低価格化、小型車の低燃費化が進む中で軽自動車の存在意義を示したことは記憶に新しい。ダイハツは軽自動車の本質は低価格、低燃費であるとし、今回のミラ イースの開発目標にもそれらを挙げている。

ちなみに近年国内市場では軽自動車の比率が上がり、2013年の1-6月期では39%が軽自動車になっている。また2013年6月の車名別新車販売台数でも、トップ10に6台も軽自動車が入っている状況だ。

■燃費向上と値下げで商品力アップ

そこで、ダイハツはさらなる低燃費化、低価格化をしつつ、新たなる価値もプラスしたミラ イースを開発した。燃費はハイブリッド車を除くガソリン車トップの33.4km/Lを達成し(JC08モードFF車)、エントリーモデルは5万円値下げして74.5万円という価格で提供する。また、4WDモデルでも初めて30.0km/Lを超える、30.4km/Lを達成している。

ガソリン車トップとなった低燃費技術を見てみると、これまでのi-EGRにEGRクーラーを追加しクールドi-EGRとし燃焼効率の向上、ポンピングロスの低減をしている。そのため従来のi-EGRよりも吸気温度を下げることができ、ノッキングを抑制できる。また、吸気温度の低下にあわせて点火タイミングを進角させることでガソリン噴射量を減らすことができ、低燃費化されている。

EGRクーラーを新たに装備したミライース
EGRの冷却で、燃焼室内の温度を下げノック対策になる

 

エンジン内部でもタイミングチェーンのコマ部分の形状を変更し、直線部分を曲線形状とすることで、摺動抵抗を下げ低フリクション化した。また、CVTのギヤ比をハイギヤード化することでエンジン回転数を下げることができ、省燃費へつなげている。

チェーンコマの上部を曲線とすることで抵抗を減らした
タイミングチェーン形状変更の解説図

4WDではデフの見直しを行ない、ハイポイドギヤからスパイラルギヤへ変更し、入力軸(プロペラシャフト)と出力軸(ドライブシャフト)がオフセットしてしまうことを防ぎ、低粘度オイルの採用で低フリクション、さらに動力伝達の向上を図っている。これにより、駆動力損失を約3割低減しているという。

4WDの従来型のデフ
新型デフ

 

車輌の進化としては空力性能を向上がポイントだ。特に軽自動車初採用となるフロアアンダーパネルの採用で整流し、空気抵抗を減らしている。また、フロントコーナーバンパー形状は改良に改良を重ねたエアロコーナーにより、走行中の空気抵抗を低減。さらに車高も10mm下げるローダウンサスペンション(FF車のみ)によって、ボディ下面に入り込む空気を抑制している。

高効率のオルタネーターの採用で減速エネルギーを回生し、充電量を増やす

エネルギーマネージメントではアイドルストップも進化した。当初、時速7kmで停止する「エコアイドル」は、その後9km/hまで進化し、今回は11km/hで停止という進化を遂げている。また高効率のオルタネーターの採用により、減速時の充電量を高め、加速・走行時の発電を一層抑制しエンジン負荷の低減、低燃費へと結びつけている。

こうした技術によりガソリン車トップの低燃費モデルが誕生。一方価格面でも材料から製造工程、工数にいたるあらゆるところでコストの見直しにより、74.5万円を実現。さらなる低コスト化は必然だという説明もあった(製品企画部 中島雅之氏)。

■新色シャイニングレッド含むカラーバリエーション

■低価格だけでなく安全装備も搭載

ミラ イースは低価格ばかりを追求したわけでなく、新たなる価値も加えての低価格化が図られている。それはまず安心・安全装備のスマートアシスト、エマージェンシーストップシグナルを採用したこと。低速域衝突回避支援ブレーキ機能、誤発進抑制制御機能、先行車発進お知らせ機能、VSC(横滑り防止)&TRC(トラクションコントロール)の4つの機能のスマートアシストを採用した。そして60km/h以上で走行中に強くブレーキを踏み込んだ場合、ブレーキランプの点灯と同時にハザードランプを自動で点滅させ、後続車へ注意を促す装置も搭載した。

また、乗り心地、静粛性など、快適性も向上している。ステアリング支持部の剛性アップによる振動低減や、各部の吸遮音材の性能向上、最適配置によりエンジン透過音の低減なども行ない、ワンランク上の静粛性を実現しているという。さらに、サスペンションの最適チューニングも行なわれ、ハンドリングの手応えや乗り心地も「乗れば分かる」レベルまで向上していると、開発陣は自信を見せている。

このマイナーチェンジではエクステリア、インテリアも変更された。特徴的なアッパーグリルとロアグリルの広がりで安定感を演出し、リヤのコンビランプはクリアクリスタル化されている。

インテリアではインパネセンターを中心に質感を向上させ、トップグレードでは、クラスター部分にピアノブラック、コンソール部分にシルバーの塗装を施し、室内全体が落ち着きのある質感の高いものとなっている。シート表面も落ち着いた色合いのグレーとすることで質感の向上、エアコンパネルのシルバー加飾など質感に拘った変更が随所で見られる。そのほか、ヘッドランプの自動消灯システムを全車に標準装備、キーフリー電池残量警告などをG”SA”、Gf”SA”に標準装備している。なお、ミラ イース全グレード免税モデルとなっている。

■ダイハツ・ミラ イース価格表

■ミライース主要諸元(G “SA”グレード)
全長×全高×全幅:3395×1490×1475mm
ホイールベース:2455mm
トレッド: 前 1305mm 後 1295mm
最低地上高:140mm
車両重量:730kg
乗車定員:4名
燃費(JC08モード):33.4km/L
最小回転半径:4.4m
エンジン:水冷直列3気筒12バルブDOHC(KF型)
排気量:658cc
内径×行程:63.0×70.4mm
圧縮比:11.3
最高出力:52ps/6800rpm
最大トルク:60N-m/5200rpm
タンク容量:30L
駆動方式:FF
変速比:前進 3.327~0.628 後退 2.230
最終減速比:4.272
ステアリング形式:ラック&ピニオン
ブレーキ形式:前 ディスク 後 リーディング・トレーリング
サスペンション形式:前 マクファーソン・ストラット式コイルスプリング 後 トーションビーム式コイルスプリング
タイヤ:155/65R14 75S

ダイハツ公式サイト

COTY
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