トヨタとダイハツは2024年2月13日、ダイハツの松林淳会長、奥平総一郎社長が2月29日付で退任し、3月1日付けで新たに井上雅宏社長が、そして副社長として新たに桑田正規氏が、また従来から副社長の星加宏昌氏は留任することが発表された。
井上雅宏氏は、トヨタの中南米本部(本部長)から新社長に起用された。また、新副社長の桑田正規氏はレクサス・カンパニーにおける電動化推進担当兼トヨタ自動車九州の副社長からの起用となっている。
さらにダイハツの新非常勤取締役としてトヨタ自動車(カスタマーファースト推進本部副本部長の柳景子氏が就任している。
ダイハツはトヨタの100%子会社であるため、従来からもトヨタ出身者が首脳部を努めており、退任する奥平総一郎前社長はトヨタのボディ設計出身で10代目カローラの開発責任者も努めた実績がある。一方で退任する前会長の松林淳は生粋のダイハツ育ちである。
ただ、新体制はさらにトヨタ色が強まった傾向にあり、新副社長の桑田正規氏は生産現場を経験しており、新取締役の柳景子氏は認証業務に精通しているため起用されている。
首脳部で唯一留任となった星加宏昌副社長はダイハツ出身で、辞意を表明したものの品質保証、認証などの業務を主管する副社長としてとどまることになった。
なお、記者会見はトヨタの佐藤恒治社長が井上雅宏新社長を紹介する形で行われた。また、佐藤恒治社長は、今後のダイハツは軽自動車の事業をメインとし、新興国向け小型車の受託開発は継続するものの、商品企画、開発、生産のいずれを分担するかは、今後の海外生産工場や、トヨタ内部の調整、検討を経て正式決定するとしている。言い換えれば、ダイハツ・ブランドでの新興国向け小型車は大幅に縮小されることも予想される。
また井上雅宏新社長は、4月には新体制における基本方針や業務形態を発表するとしており、この時点でトヨタとの協業内容の大枠も決定されると予想されている。