1974年にデビューした初代VWゴルフから数えて38年、7代目となるゴルフ7は、2012年9月4日、ベルリン国立博物館・新ナショナルギャラリーで、ワールドプレミアを行い、直後に開催されたパリショーで華々しく一般公開された。新型ゴルフ7については、語るべきテーマが余りにも多いが、順番に目を向けることにしよう。
■MQB戦略
ゴルフ7の生産は2012年10月から立ち上がり、11月頃からドイツでの販売が開始され、以後ヨーロッパで順次発売。新型ゴルフはヨーロッパでは、ほぼ装備なしの状態の最も安いグレードは160万円からとなり、基本的に価格は据え置きとしている。
日本仕様は2013年4月から開始され、ゴルフ6の在庫を完売してしまったフォルクスワーゲン グループ ジャパンはより早い導入を希望した。しかし、本社工場での生産計画は変更できなかった。したがって日本での発売は2013年6月下旬からで、導入モデルは1.2 TSIトレンドライン、1.2 TSIコンフォートライン、1.4 TSIハイラインの3機種である。そして、この3機種はいずれも装備を大幅に向上させる一方で、価格を従来より下げ、ライバル輸入車はもちろん、国産車にも高い商品力で競争を挑むことになる。
VWはゴルフ5からゴルフ6の世代にかけて大規模な生産設備の更新を行った経緯があるが、なんと今回のゴルフ7のために再び生産設備を一新している。こうした設備投資は4年間で5兆円を費やすという。これは他のメーカーでは考えらないことだ。その理由はMQB(Modulen Quer Baukasten:英訳でモジュラー トランスバース マトリックス、横置きエンジン・モジュール基盤戦略といった意味)というグループ企業全体のクルマ造りの革新を行なうためである。
Dセグメントのパサート以下の横置きエンジン車クラス、ブランドではVW、アウディ、セアト、シュコダなどが共通のMQBのコンセプトにおけるクルマ造りの法則に従い、今後のクルマを開発することになる。生産拠点はドイツのウォルフスブルグの本社工場、ツビッカウ工場がまず生産設備を全面的に更新することになったのだ。
MQBとは、従来のプラットフォームの共通化といった概念ではなく、プラットフォーム、主要な骨格、エンジンやトランスミッション、エアコンなど主要な構成部品をモジュールとして共通化し、クルマのサイズに合わせて自在に変化させることができるという開発・製造戦略で、開発期間の短縮や開発コストの低減を目指すものだ。
この戦略の本音は、フェルディナント・ピエヒ(元会長・VWグループ大株主)と、その優秀な生徒であるマルティン・ヴィンターコルン会長の悲願、それは2018年に世界No1メーカーになるために欠くことのできない戦略であり、加速する新興国市場にも適合するクルマ造りを可能にするということに他ならない。そしてゴルフ7が本格適用の第1号車というわけだ。(正確にはアウディA3が適用1号となるが、生産規模においてゴルフ7が本格適用1号車といえる)
■開発コンセプト
MQBが適用されることになったゴルフ7は、プラットフォーム、ボディ骨格、エンジン、シャシーなど、ほぼすべての部分がゼロから開発されている。その一方で、開発の根本的な理念は「完璧なクルマ」を目指すというもので、M.ヴィンターコルン会長が唱える「Das Auto」、すなわち「本物のクルマを造る」ことが目標とされた。クルマ造りの手法や生産設備、主要部品はすべて一新するという前提で、従来のゴルフ6を明確に上回る性能を達成することが要求されたわけで、開発エンジニアにとっては気が遠くなるような目標が掲げられたといえる。
ゴルフはこれまでも開発の基本は常にNo1(ベスト・イン・クラスではなくクルマすべての中で)を目指すという、VWならではの原理原則があり、これは既存のクルマをあらゆる面で凌駕するというビートル以来の伝統なのだ。それが今回の大上段に構えたキャッチフレーズ、「Der Golf, Das Auto」(ゴルフ、すなわち本物のクルマ)にもなっているのだ。
より具体的な開発目標は、車両の重量増による負のスパイラルを逆転し、-100kgを目指して徹底的な軽量化を行ない、空力性能を向上させ、新エンジンを投入することで格段に燃費を改善すること、より安全、快適、有効スペースを広くすること、コストを徹底的に低減し、価格を抑えることであった。その一方で、艤装部品などはパサート・クラスと、つまり上級クラスのクルマの艤装部品と下方展開する形で共通化を行い、オーナーに上質感を与えることも抜かりなく行なっている。人々に、より良質なカーライフを提供すること、社会的な適合性をより高めるというVWの理念を示しているといえる。
■デザインとパッケージング
新型ゴルフ7のデザインは、ゴルフのDNAを継承し、工業デザインとして磨き上げるという手法に徹している。歴代ゴルフの成功の鍵のひとつはそのデザインの継続性にあり、何十年もの時間をかけて磨きあげられ、ついに不朽の価値を確立するようになったデザインを持つクルマと位置付けられている。太いCピラー、ロングルーフ、水平ラインを重視したグラフィックなどゴルフのデザイン・アイコンを生かしながら洗練しているのだ。そのため、理性や倫理感をベースにした徹底した機能主義が貫かれ、意図的にエモーショナルな要素は排除されている。VWのデザイナーは、これをゴルフのDNAの結晶化と呼んでいる。その一方で、パネル間の高精度化や隙間の縮小、シンプルでモダンで、しかも深いプレスラインなどディテールにこだわりを強めているから興味深い。
もっとも、MQBの採用により、ゴルフ7のプロポーションは意外にも大きく変化している。フロント・ホイールの位置は、従来と比べて43mmも前方に移動され、これによりフロント オーバーハングが短縮され、ボンネットがより長く見えるようになった。またフロント・アクスル位置が前進したことで、Aピラーの位置と整合性をとるために、ついにフロントサイドに小さな三角窓を備えるようになっている。しかし視覚的にはキャビン位置が後退したように見え、ロングノーズ、キャビンの後退、ロングホイールベース化により、より上級クラスに見えるようなエクステリアとなっている。
新型ゴルフ7のボディサイズは、全長4265mm(+55mm)、ホイールベースは60mm拡大し、2635mm。フロントホイールが43mm前出しされたことで、伸びやかなプロポーションとなり、同時にクラッシャブルゾーンの改善、室内空間の拡大などが実現されている。一方全幅は1800mmと10mm広がり、全高は25mm低くなり1460mmになっている。これは空力性能の向上に大きな効果を発揮し、Cd=0.27とハッチバックとしては際立った空力特性になっている。
室内は全体に拡大され、セグメントトップの居住空間を生み出し、特にリヤの足元スペースとラゲッジスペースの容量がアップされ、容量は+30Lで380Lになっている。リヤシートバックは60:40分割可倒式であることはもちろん、コンフォートライン以上ではシートバック中央部が開きラゲッジルームスルーとなるので長尺物も積載できる。
またMQBの採用により、フロントシートの着座位置は20mm後退され、アクセルペダルとブレーキペダルの間隔は16mm拡大され(このため右ハンドル車でも優れた配置になっている)、ステアリングの調整幅も増大されるなど、運転席周りの人間工学的な向上も図られている。またセンターコンソール部はゴルフとしては初めてドライバー側にわずかにオフセットされている。
センターコンソールの上部には一段と進化したインフォテイメント用のタッチスクリーン・ディスプレイ(接近認識フリック機能を持つ)が標準装備されている。そのモチーフはスマートフォンのような使いやすさと機能だという。ここにはCAN接続による車両情報を表示することはもちろん、多様なメディアなど外部エンターテイメントとの接続、携帯電話・スマートフォンとの接続、リヤビューカメラ、ラジオ、ナビゲーションが統合される。(日本向けのナビシステムの組み込みは2013年秋以降の予定)
なお、このインフォテイメントシステムはMIB(モジュラー・インフォテイメント・ベース)と呼ばれ、現在のすべてのクルマの中でも最も先進的なシステムといえ、Cセグメントに導入されるのは異例なことだが、これもMQBの恩恵といえるだろう。
■ボディと軽量化
ゴルフ7は、生産設備の大幅な更新と同時に、ボディ骨格の製造においても大幅な革新を行っている。ボディ全体での高張力鋼板の採用比率はついに80%となり、熱間成形(ホットプレス)による超高張力鋼板(強度1000MPa)の採用比率は車体重量の28%に達する。ゴルフ6では超高張力鋼板の採用は6%程度であったからその拡大振りに驚かされる。
こうした高張力鋼の多用は、軽量化と剛性の向上を両立させるためだ。23kgにも及ぶホワイトボディの軽量化は、高張力鋼、最新の超高張力鋼の採用とそれに合わせた板圧の削減、断面形状の最適化、最適素材の配置などによって達成されている。
多用されているホットプレス以外に、最も強度が求められるBピラー部やクロスメンバーには、新開発された「テーラーロールドブランク」鋼板が採用されている。従来のテーラードブランクは溶接により2種類の鋼板を接合した差厚鋼板であったが、これは1枚の鋼板をローラーの加圧力を調整することで、部分ごとに厚さの異なる1枚物のパネルを作り、これを熱間成形することで軽量化、高強度を両立させているのだ。またボディ各部は薄板の高張力鋼板の断面形状を拡大することで、軽量化と高剛性を両立させる手法も徹底されている。
ボディの生産においては、従来からのレーザーシーム溶接の多用に加え、ゴルフ7からはレーザークランプ溶接(ジグザグ・溶接)が初採用されている。接合部はスポット溶接を行なうより短いフランジで溶接でき、しかもより高強度な溶接が実現しているのだ。
このような生産技術はオール・ドイツの技術の結集であり、他のドイツの自動車メーカーをリードするレベルにある。
なお車体全体の軽量化はグレードによりもちろん異なるが、エンジン:最大40.0kg、サスペンションなどシャシー:最大26.0kg、コンポーネンツ部品:最大37.0kg、電装関係:最大6.0kgと軽量化が行なわれ、最大値の合計は100kgを上回る。
この中でコンポーネンツの37.0kg軽量化の内訳は、ダッシュボード:0.4kg、ダッシュボード・クロスメンバー:1.4kg、エアコン:2.7kg、前後シート:7.0kg、ホワイトボディ:23kg、その他:2.5kgとなっている。ダッシュボードは熱可塑性樹脂を使用したフォームインジェクション成形として軽量化する一方で、内部をサンドイッチ構造としダッシュボードの剛性は20%も向上しているという。いずれにしてもこのクラスで100kgもの軽量化を実現したことは驚異的といえる。
ゴルフ6はコンパクトクラスで突出した室内静粛性を備えていたが、ゴルフ7はさらにそれを大きく上回るレベルに挑戦している。一般的には車体の軽量化と静粛性は背反する要素となるが、新型の開発にあたり、車体、コンポーネンツ・レイアウトにおいて、事前シミュレーションできるツールを開発し、開発の初期から静粛性を向上させるポテンシャルの高いボディ造りを行なっているのだ。さらにエンジンルームやサスペンション取り付け部などの音源の源流対策を徹底し、その結果ゴルフ7はゴルフ6に比べ騒音レベルを5db低減させ、圧倒的に静粛なインテリアを実現している。
■エンジン&トランスミッション
ゴルフ7のヨーロッパでのエンジンラインアップは、ガソリンの1.2 TSIが2種類、1.4 TSIが2種類、ディーゼルが1.6 TDIが2種類、2.0 TDIが1種類と、ワイドなバリエーションを展開しているが日本仕様は1.2 TSI、1.4 TSIのハイパワー版のみに絞り込まれている。
ゴルフ7用のエンジンはいずれもMQBに適合させるために、エンジンはすべて新設計となり、新エンジンはEA211シリーズと呼ばれ、後方排気、後傾角12度、ローラーロッカーカーアーム式の動弁システム、ベルトドライブに統一されている。新1.4Lエンジンのシリンダーブロックはついに鋳鉄製からアルミ製に切り替わり、22kgも軽量化されている。また1.2 TSIも従来のSOHCからDOHCに変更された新しい仕様になっている。
新TSIシリーズの直噴用燃圧は200barにアップされ、5穴式インジェクターにより3回噴射を行なうようになっている。言うまでもなく新開発エンジンは、徹底したフリクションの低減が行なわれ、冷却は2系統冷却システムとしてる。
CJZA型1.2 TSIは1197ccの4気筒・直噴ターボで圧縮比は10.5、出力は105ps/4500-5500rpm、最大トルク175Nm/1400-4000rpm。0-100km/h加速は10.2秒、最高速は192km/h。減速エネルギー回生、スタート&ストップを備え、燃費は従来型より向上し、JC0モード燃費は21.0km/Lを記録している。まさにハイブリッドカーと同等の燃費レベルなのだ。エキゾーストマニホールド一体型シリンダー ヘッド、吸気可変バルブタイミング機構を備えている。
同じく新開発のCPTA型の1.4 TSI(直噴・シングルスクロールターボ)は、従来型とボアピッチは共通ながらボア×ストロークが、76.5mm×75.6mmから74.5mm×80.0mmに変更されている。圧縮比は10.0。出力は140ps/4500-6000rpm、最大トルクは250Nm/1500-3500rpm。0-100km/h加速は8.4秒、最高速は212km/hに達する。このエンジンもエキゾーストマニホールド一体型&水冷インタークーラー一体型吸気マニホールド付きシリンダー ヘッドを備えている。またカムシャフトは軽量化と低フリクションを狙いコッグドベルト駆動を復活させている。そのコックドベルトは以前とは異なり、メンテナンス不要の無交換タイプだという。
このエンジンは減速エネルギー回生、スタート&ストップシステム以外に、新開発の自動シリンダー休止システム(ACT)を備え、低負荷走行時のポンピング損失を大幅に低減し、実用燃費を向上させる一方で、動力性能も高いスポーティエンジンと位置付けられている。
自動シリンダー休止システムが作動するのは4000rpm以下で、低負荷走行時に自動的に2、3番シリンダーのバルブが停止する。メカニズムは、2、3番シリンダーのカムピースが左右にスライドするスプラインを備え、カム・アクチュエーターのピンが突出することでカム軸をスライドさせ、カム山がロッカー部から外れることでバルブはゼロリフト状態になる。また、4気筒状態に復帰する時は、スプリングの力でスプライン軸を動かし、カム山が正規のポジションに戻るわけだ。これらの一連の切り替えは一瞬で行なわれている。
なおこの自動シリンダー休止システムの騒音・振動対策として、大容量の専用の液封エンジンマウント、デュアルマス・フライホイールを装備している。1.4 TSIの燃費は、JC08モードで19.9km/Lで、実用燃費でこれを上回ることは難しくないはずだ。
トランスミッションは7速DSGが採用されている。7速DSGの基本は変化ないが、パドルシフトが1.2 TSIコンフォートライン、1.4 TSIハイラインに標準装備(1.2 TSIトレンドラインはオプション)される。セレクターレバーの操作は新しくなり、左右に倒すことでDモードとマニュアルモードを切り替え、レバーを手前に引くとSモードに切り替わる。もちろんマニュアルモード時はレバーを前後に動かすことで手動変速を行うことができる。パドル操作でもマニュアル変速できることは言うまでもない。
通常のDモードではエコ運転をサポートするため、早めのシフトアップを行なう制御であることはいうまでもない。またドライビングプロファイルをエコモードにした場合は、下り坂やアクセルオフでの走りで自動的に無動力走行(画面表示ではフリーホイールと表示される)を行ない、実用燃費を向上させる。この状態ではエンジンはアイドリングとなり、DGSの2個のクラッチはオフになっている。
■シャシー&サスペンション
MQB戦略の下で、VWはサスペンションも一新している。大きな特徴は、エンジン出力が122ps(90kW)以下のクルマには、新しい超軽量リヤサスペンション(モジュラーライトウェイト・サスペンション)を採用することになった。このユニット重量は38kgという軽量・シンプルなトーションビーム式である。
トーションビーム式サスペンションはかつてのゴルフの代表的な特徴の一つであったが、今回採用されるのはそれらとは異なる新設計のユニットで、逆U字型断面を持ち、両端にスタビライザーの代用としてスチールプレートが溶接されているなど大幅な軽量化を行なっているのが特徴だ。
一方で90kW以上のエンジンを搭載するクルマには、4リンク式のモジュラーパフォーマンス・サスペンションを採用する。このユニット重量は49kとされている。
従って、1.2 TSIモデルはリヤがトーションビーム式トレーリングアーム、1.4 TSIは4リンク式となっている。この4リンク式も従来型を大幅に改良し、MQBに適用するにあたり軽量化を行っている。いずれにしてもMQB戦略の下で、リヤサスペンションを使い分けるという決断は、他の自動車メーカーにも大きな波紋を投げかけただろう。
フロントサスペンションは全車共通のストラット式だ。ストラット自体も従来より軽量化されている。ロアアーム、サブフレームは薄肉の高張力鋼板製とし、軽量化と高い剛性を両立。またスタビライザーも中空式を採用している。
1.4 TSIハイラインは、ドライバープロファイル機能(エンジン出力、変速、エアコン制御)をエコ、ノーマル、スポーツ、個別設定という4レベルに選択できるシステムを備え、さらにオプションで、連続可変ダンパーシステムと統合制御されるアダプティブシャシーコントロール(DCC)も選択できる。DCCを装備した場合は、エコ、コンフォート、ノーマル、スポーツと個別設定の5レベルを選択できる。このDCCは従来はGTIのみに設定されていたシステムだ。
ブレーキはCセグメント初の電動パーキングブレーキを採用しているのも画期的といえる。駆動システムでは、今回から全車がXDS(電子制御デフロック)を標準装備している。XDSはゴルフ6ではGTIモデルのみに設定されていたが、今回から全車標準装備となっているのだ。
パワーステアリングはZFレンク社製の電動パワーステアリングで、従来通りダブル・ピニオン、つまりピニオンアシスト式であるが、システムは第2世代に進化し、より自然な操舵感を実現している。
■ドライバー支援システム&安全性
ゴルフ7における大きな革新の一つが、ドライバー支援システムを積極的に採り入れたことだろう。日本仕様の場合、Cセグメント初のマルチコリジョンブレーキシステム(事故遭遇時の2次衝突防止自動ブレーキシステム)、プロアクティブ・オキュパント・プロテクション(急ブレーキや強いアンダーステア、オーバーステアが予測される場面でシートベルト張力を強め、窓ガラスやサンルーフを自動的に閉じる)、衝突防止&軽減システムでは、レーダーを採用したフロントアシスト・プラス(シティエマージェンシーブレーキ機能に加え、全車速域で前方の車両との衝突が予測される場合に、警告し、さらに最終段階では自動ブレーキが作動)、ドライバーステアリング・リコメンデーション(左右異なる路面での自動ステアリング補正)、さらに従来からあるドライバー疲労検知警報システムが全車標準装備となっている。
なおマルチコリジョンブレーキシステムは多くの事故の調査から開発されたシステムで、衝突事故発生後にブレーキを離してしまうドライバーが多いため、事故車が反動で動き、さらに第三者のクルマやガードレールと衝突する2次衝突が多く、これを防止するために、事故直後に自動的に最大0.6Gのブレーキをかけ2次衝突を防ぐ。もちろんドライバーが自分でブレーキをかけたり、アクセルを踏んだ時はこのシステムはオーバーライドされる。
さらに1.4 TSIハイラインはカメラを使用する自動ステアリング補正付きレーンアシストが標準装備(他のグレードはセーフティパッケージ・オプション)、レーダーによ0km/h〜160km/hの範囲で作動するアダプティブクルーズコントロール(ACC)は1.4 TSIハイライン、1.2TSI コンフォートラインに標準装備(1.2 TSIトレンドラインはパッケージオプション)など、日本仕様ではライバル車を上回るために装備の充実化が図られている。