2015年1月6日からラスベガスで開催されたCES 2015(コンシューマー・エレクトロニクスショー)で、フォルクスワーゲンは高度な情報ネットワーク化と同時に、誰もが直観的に操作できる「ゴルフRタッチ」、最新インフォテイメントシステムを持つ「コネクテッド・ゴルフ」などを出展した。
ゴルフRをベースに新技術を搭載したゴルフRタッチは、様々な操作指令をハンドジェスチャーにより行なうことができる世界初のクルマで、近い将来における乗用車のあり方を提示している。
このゴルフRタッチ・コンセプトは、人間のハンドジェスチャーの動作が正確に操作指示の命令として翻訳され、操作が行なわれる。つまり乗員はタッチスクリーンにも触れることなく、手の動きだけでディスプレイや他の機能をコントロールできる。
例えば、フロントウインドウの方角に手先を振る動作でサンルーフが自動的に閉まる。同じ動作を逆方向で行うと、サンルーフを開くことができる。シートの調整も同様に、スマートな方法で行なうことができる。結果的にこのクルマにおいては、人間と機械が一体化したような緊密な連携が実現するのだ。
「コネクテッド ゴルフ」は現在、実現可能なもっとも効率的にネットワーク化されたクルマと位置付けられ、今日利用できる数々のインフォテイメントのソリューションを示している。
インターフェイスの管理に先進的なコンセプトを導入した新世代のインフォテイメントシステム(MIB Ⅱ)により、膨大な数のアプリ、スマートフォン、タブレット端末、スマートウォッチなどに対応することが可能なのだ。
例えば、このモデルに搭載されている「App Connect 」(アップコネクト)システムは、「Mirror Link」、「Android Auto」(Google)、「Car Play」(Apple)といった、それぞれ異なるスマートフォン・インターフェイスを備え、 ディスプレイ上に反映できる。フォルクスワーゲンはこの「App Connect」を、年内にも最新世代のインフォテイメントシステムと合わせ、まず、ヨーロッパとアメリカ市場に導入する予定だという。
ナビゲーションは、通勤路など使用頻度の高いルートを、ドライバーの指示なしに自動的に導き出す機能が追加され、その時に、渋滞の可能性があればドライバーに警告して、流れのよりスムーズな別ルートを提案する。
また、今回のCESでは学習機能を搭載した「パークアシスト」の進化バージョンも公開した。
このシステムを備えたクルマは、駐車スペースに向けて頻繁に辿られた車両の軌跡を読み込んでデータとして蓄積し、駐車時にその軌跡を半自動で再現する。
開発の次のステップでは一連の駐車をリモートコントロールで行なうことも可能になる。その場合、確保された駐車スペースをシステムが認識すれば、ドライバーはクルマから離れても、リモートコントロールデバイスやスマートフォンなどで確認しながら、駐車作業を終えることができる。さらに出発時には、クルマが記憶しているいつもの軌跡を辿ってリモートコントロールで駐車スペースから出てくる、といったことも現実するという。
CESで発表された4つめの技術は、将来普及が見込まれる電気自動車の非接触充電(インダクティブ・チャージング)をテーマにした「eゴルフ インテリジェント・チャージ」だった。