フォルクスワーゲンの電動セダン「ID.7 」CES2023で公開

フォルクスワーゲン・アメリカは2023年1月4日、ラスベガスで1月5日から開催されるCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で、モジュラー電気駆動マトリックス(MEB)をベースにした初の完全電気駆動セダン「ID.7 」を公開すると発表し、特殊塗装によりフォルムが様々なカラーに変化する先進的なカムフラージュ塗装されたスタイリングを公開した。

このID.7の原型となるデザイン・コンセプトモデルは「ID.エアロ」の名称で後続距離700kmを誇るEVセダンとして中国で既に発表されている。こうした経緯からも分かるようにID.7はアメリカ市場と中国市場をメインターゲットにしたDセグメントのセダンである。

フォルクスワーゲン乗用車部門のトーマス・シェーファーCEOは、「新型ID.7により、私たちは電動モデルレンジを上位セグメントに拡大します。このセダンは、トップクラスのテクノロジーと品質を提供します。ID.7は、2026年までに発売を予定している10車種のEVモデルのうちの1つです。私たちの目標はあらゆるセグメントにおいて、お客様に適した製品をお届けすることです」と語っている。

ID.7はMEBプラットフォームをベースにした最新のモデルであり、それに合わせて最新技術を投入。新しいディスプレイ・コンセプトを採用し、拡張現実(AR)型ヘッドアップディスプレイ、38cm(15インチ)スクリーン、インフォテインメント・システムの第一階層に統合された新しいエアコン・コントロール、自発光式タッチ・スライダーなどを備えている。

インテリジェントな吹き出し口を備えた新しいエアコンは、さまざまな機能を備えている。例えば、ID.7はドライバーが近づくとその車両キーをもとに検知し、ドライバーが乗り込む前にすでに夏の暑い日には車内を冷やし、寒い日には車内を暖め始めることができるのだ。

新設計の「スマート・エアベント」は、空気の流れをコントロールし、ダイナミックに動いて広い面積にすばやく 空気を行き渡らせることができ、同乗者がいる場合は、空気を直接身体に当てたり、間接的に室内を換気することも可能だ。これらの機能は、新しい大型ディスプレイで常に確認でき、ユーザーごとに個別に起動・保存することができる。

さらに乗員の好みにより特別な操作は音声コマンドで起動することができる。ユーザーが「ハローフォルクスワーゲン、手が冷たいよ!」と言えば、ID.7はステアリングホイールのヒーター機能を開始することで応答し、温風が手に向けられるようになるのだ。

ID.7は、電気自動車であるID.モデルファミリーのデザイン言語を踏襲。セダンの特徴として、空力特性に優れたフロントセクションとルーフを備え、これらによりエネルギー消費量の削減と航続距離の延長を実現している。フロントエンドに配置されたエアインテークは、そこから流れてくる空気を車体側面からリヤへと誘導。このエアインテークがエアカーテンを形成し、車両側面の気流の乱れを抑制する。ルーフは後方に向かって傾斜しているため、ID.7の非常に優れた空気抵抗係数に貢献しており、航続距離は最大で約700km(WLTPモード)と発表されている。

MEBのメリットを活かし、ショートオーバーハングなフォルムとロングホイールベース(2.97m)を両立させ、期待を上回る室内の広さとなりラグジュアリーなセダンに匹敵する快適性を実現している。

フォルクスワーゲンは、ID.7セダンの導入により、電気自動車のID.ファミリーを量産セグメントのアッパーミドル・クラスに拡大し、EV戦略をさらに加速させることになる。つまりグローバル・セダンである現行のパサートのEV版がID.7なのだ。

フォルクスワーゲン最初のMEBを採用した量産ハッチバックのID.3は、半導体不足の状態にもかかわらず50万台以上を販売。同時にSUVのID.4、SUVクーペのID.5、中国市場専用のID.6、そしてID.Buzzを送り出しており、6番目のEVモデルとなるID.7はグローバル戦略モデルとしてはID.4に続く2番目のモデルだ。

ID.7セダンは、中国、ヨーロッパ、北米という3つの主要市場に投入される予定で、ヨーロッパ市場向けのモデルはエムデン工場で生産される予定になっている。

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フォルクスワーゲン 公式サイト

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