2017年6月27日、ボルボ・カーズは自動車安全システムの世界的なリーディングカンパニーのオートリブ社、そしてAIやビジュアルコンピューティング企業のNVIDIA社（エヌビディア）は、自動運転車の先進システムとソフトウェアを開発するため提携すると発表した。
この3社は、ボルボ・カーズとオートリブ社の半々の出資によって新しく設立された自動車ソフトウェア開発ジョイントベンチャーの「ゼヌイティ」社と連携し、次世代の自動運転車テクノロジーを開発するのだ。ボルボ・カーズは、2021年までにレベル4の自動運転車を販売する予定と発表している。
この提携により、ボルボ・カーズ、オートリブ社、ゼヌイティ社は、NVIDIA社のAI車載コンピュータープラットフォームを独自の先進ソフトウェア開発の基盤として使用。自動車の安全分野で先進的なボルボとオートリブの2社は世界をリードする人工知能企業のNVIDIAと協業することは大きな意義があるのだ。
「ボルボ・カーズ、オートリブ社、ゼヌイティ社は、NVIDIA社との提携によって、動きの速い次世代自動運転システムの開発市場の最前線に立ち、ボルボ独自の市販自動運転車の開発を加速させます」とボルボ・カー・グループの代表取締役社長兼CEOのホーカン・サムエルソン氏は語る。
NVIDIA社の最高経営責任者のジェンスン・フアン氏は、「人工知能は、自動運転の多くの課題を解決するために不可欠なツールです。弊社はボルボ・カーズとの早期の提携によって、より安全で、環境にやさしい都市をもたらし、渋滞を低減させる市販車の製造に取り組みます」と述べている。
オートリブ社のヤン・カールソンCEOは、「私達は、NVIDIA社によって自動運転のためのAIコンピューティングの優れたプラットフォームに完全にアクセスすることができます。オートリブ社、ボルボ・カーズ、そしてNVIDIA社は、安全な自動運転について同じビジョンを共有します。この提携は、私達の先進ドライバーアシスタンスシステム（ADAS）と自動運転車の市場導入をさらに加速させることになります」と語る。
4社は共同してクルマの周辺環の物体を識別して潜在的な脅威を予測し、安全に自動運転するための深層学習（人工知能の一種）を使用するシステムを開発することを目指している。
こうしたシステムは、リアルタイムの状況認識を高解像度マップと比較して、安全なルートと正確な運転を可能にし、常に変化する状況に適合させる必要がある。さらに、カメラ入力をつなぎ合わせてクルマの完璧なサラウンドビューを得るなど、他の重要な機能も果たすのだ。
ゼヌイティ社の役割は、ボルボ・カーズに自動運転ソフトウェアを提供することだが、同時にオートリブ社は、自社の広範な販売、マーケティング、流通ネットワークを介して第三者にこのソフトウェアをOEM販売することも目指しているという。
