ボルボ・カーズ本社は2024年3月12日、「Breathe Battery Technologies（ブレース・バッテリー・テクノロジー）社」と提携し、新世代のEVで使用される充電ソフトウェアの最新バージョンが利用できる、最初の自動車メーカーになったと発表した。
Breathe社は2019年にロンドン大学の研究室からスピンアウトした最先端のバッテリー管理ソフトウェアを開発するベンチャー企業である。そのソフトウェアは、事前に決められたルールに依存する従来の段階的充電とは異なり、アダプティブ充電を使用してバッテリーをリアルタイムで動的に制御し、充電時間を大幅に短縮することができるのだ。
独自の特許取得済みのアルゴリズムを使用することで、バッテリーの寿命や状態に合わせて充電プロセスを管理し、バッテリーの性能と寿命に悪影響を与えるリチウムの負極への凝固のリスクを回避しながら、快適な充電を行なうことができる。
ボルボ・カーズが自社開発したバッテリー管理プラットフォームにBreathe社のソフトウェアを統合することで、充電性能をより最適化し、向上させることができるようになり、ボルボの顧客に充電時間のさらなる短縮が可能になる。
ボルボ・カーズは、この最先端の充電技術を搭載する新世代EVに導入する予定にしている。これにより、バッテリーのエネルギー密度と航続距離を維持したまま、10%から80％まで充電するのにかかる時間を30%も短縮できると見込んでいる。さらには、充電時間の改善効果は、バッテリーの寿命に影響を与えることなく、ライフサイクル全体を通じて持続される。
Breathe社との提携は、同社の主力製品であるBreathe Chargeの調達契約の結果、実現しておりボルボ・カーズのコーポレート・ベンチャー・キャピタル部門であるボルボ・カーズ・テック・ファンドによる最新の投資となっている。これは、プレミアムEVの開発をリードし、2030年までに完全なEVメーカーになるというボルボ・カーズの目標を反映した結果だ。
Breathe Battery Technologies社のCEO イアン・キャンベル博士
「ボルボ・カーズと投資および調達契約を結び、彼らの完全な電動化へ向けた道筋をサポートできることを大変喜ばしく思います。我々の技術をボルボの次世代EVプラットフォームで大規模に展開することで、革新的な自動車設計や性能向上への扉が開かれます。私たちは、電動モビリティに対する深い情熱を共有しており、便利な急速充電は、私たちが目指す未来を実現するにあたり大きな礎となります」
