ロールス・ロイス・モーターカーズ アジア太平洋は2015年11月13日、英国グッドウッドにあるロールス・ロイス・モーターカーズの故郷で仕立てられた、英国の創意工夫と芸術の創造性を最大限に活かす限定モデル「ファントム・ライムライト・コレクション」を日本に導入すると発表した。
ファントム・ライムライト・コレクションは世界で25台限定の貴重なモデルで、今回その中の1台が日本市場のために生産された。このビスポーク(特注)モデルの税込車両本体価格は8105万5000円で、今まで日本で発売された限定車としても史上最高を更新。11月14日と15日の2日間、東京・芝公園にある正規ディーラーのロールス・ロイス・モーターカーズ東京で展示される。
ネーミングも洒落ている。この限定モデルが人々の視線を浴び、世界の舞台で人生を生きる選ばれた人のために創られたことから“脚光を浴びる”という意味で「ライムライト」を採用。ご承知の方もいるだろうが、ビクトリア朝の1820年代に英国のガーニー卿が発見した「ライムライト効果」が劇場照明に革命をもたらし、ステージ上の主役に当てるスポットライトとして使用されたことに由来している。
今回の限定モデルで最大の注目は、リヤドアの内側に設けられたパニエと呼ばれるコンパートメント部分だろう。男性向けと女性向けで異なる仕様が用意されるが、今回紹介する写真は女性向けのものだ。すなわち左上のポケットに3種類の香水用の格納式香水ホルダーが配置され、右上のポケットには2 本の腕時計またはジュエリーホルダーを収納できる。この香水ボトルはフランス北西部のブレル渓谷でハンドメイドされた逸品だ。さらに左下には化粧ポーチ、クレジットカード&名刺入れ、眼鏡用のスペースを用意。そして右下にはカーボンファイバーと圧延アルミ、手作業の最高級レザーを組み合わせたアクセサリーボックスが鎮座する。
そして走行中の自動車において、ラグジュアリーかつ安全なリヤコンパートメントでリラックスするための最適なポジションについても、この限定車はひとつのベンチマークを示している。ロールス・ロイスのエンジニアと人間工学の専門家たちは医療従事者たちと緊密に連携。走行中に身体が最もリラックスできる最適なシートポジションを特定する作業を行なった。その結果が、今回初めて採用された新型リヤシートだ。ちなみにこのシートは今後、日本国内の正規ネットワークにおいて販売される、すべてのロールス・ロイス ファントムにオプションとして設定される。
ファントム・ライムライトのシートバックは、頭部がヘッドレストのクッションに乗るよう身体を推奨の27度までリクライニングさせる。下肢では新たなカーフレストが電動で 68度持ち上がって、ふくらはぎをサポート。またフットレストがフロアから現れて足を 30度持ち上げる。これらすべてが、走行中の完全にリラックスした姿勢を実現するために貢献する。
そのほかにも、複数の新たな特注装備や、2種類のコンパートメントトリムを選択肢として用意。ダイヤモンドの形にインスピレーションを受けた複雑な刺繍は過去へのオマージュでもあり、シートセンターやドアパネル、リヤコンソールなどに施されている。職人が腕を奮うご自慢のウッドパネルにも2種類の仕上げを用意。このコレクション専用のピアノシーシェルや、ファントムに初めて採用されるスモークド・チェストナットも注目のアイテム。深いガーラブルーのクロックも、専用に製作された逸品となっている。
なお、ファントム・ライムライト・コレクションの取り扱いについては、ロールス・ロイス・モーターカーズ東京のみとなっている。