ルノー・ジャポンは2020年10月19日、ヨーロッパのBセグメント コンパクトカーをリードし続け、フルモデルチェンした5代目ルーテシアの日本仕様をお披露目し、11月16日から発売すると発表しました。なお、新型ルーテシアの発売を記念し、ルノー・サービスプランを提供するキャンペーンも合わせて発表しています。
新型ルーテシアはインテリア、エクステリアデザイン、プラットフォーム、 パワートレーンの全てが刷新され、クラストップレベルの先進運転支援システムを備えた革新的なニューモデルです。ヨーロッパにおいてはポロ、プジョー208、ヤリス、フィットなどのBセグメントのハッチバックと戦っています。
ルーテシア(ヨーロッパ名:クリオ)の初代モデルは1990年に登場し、それ以来Bセグメント コンパクトカーのリーダーとなっており、初代から第4世代までのシリーズ累計で1500万台を販売しています。第4世代のルーテシアはモデルの最後までヨーロッパでBセグメントNo1のベストセラーの座を守り、それまで絶対王者であったフォルクワーゲン ポロを凌駕しています。
第5世代となった新型ルーテシアは、コンパクトカーの枠を超え、すべてを革新し、より上級クラスに匹敵するレベルまで装備、質感を引き上げ、BセグメントでNo1のポジションをより強固にすることを目指したモデルです。
エクステリア デザイン
新型ルーテシアのデザインは基本的に先代からのキープコンセプトですが、ボディラインは、より洗練され、ルノー共通の特徴的なフロントマスクが与えられています。ひとつとして先代モデルと同じパーツが使われていないにもかかわらず、ひと目でルーテシアであることがわかる精緻に作り込まれたエクステリアが、このニューモデルの特長です。
先代モデルは、曲線のみでデザインされた官能的でダイナミックなフォルムをでしたが、新型は新たに直線を効果的に取り入れることで、精密さやダイナミズム、スポーティさを表現しています。
ボンネットには彫刻を思わせる直線のプレスラインが入れられ、たくましさを強調。グリルはより大きくなり、ダイナミックで力強い印象を与えます。フロントバンパー両端に装備されたエアディフレクターによって空気抵抗を抑え、燃費を向上させ、さらにこのエアディフレクターは、フロントマスクをよりワイドかつ低く印象付ける役割を持っています。
大胆に絞り込まれたボディサイドの造形などで象徴される、先代モデルの流れるようなフォルムを継承つつ、サイドウインドウモール クロームフィニッシャー(インテンス、インテンス テックパック)、クロームド プロテクションが、ボディサイドの品質を高めています。
ヘッドライトはLED化され、ルノーモデルを象徴するCシェイプのデイタイムランプが装備されています。ヘッドライトユニットには、「目」を思わせるふたつの光体と、「まつ毛」を思わせる立体的なストライプが組み込まれています。これらは、ヘッドライトカバーのダイヤモンドのモチーフと合わせ、新型ルーテシアにより豊かな表情と上品さを与えています。
コーポレートデザイン担当のローレンス・ヴァン・デン・アッカー上級副社長は、「先代モデルがヨーロッパでセグメント1位、全モデル中でも2位の販売台数を記録したモデルであったため、第5世代となる新型ルーテシアは、我々にとって大変重要なモデルとなりました。ルーテシアはコンパクトカーの代名詞であり、新型は過去のモデルの優れた部分を引き継いでいます。先代ルーテシアのエクステリア デザインは、モデル末期にあってさえユーザーに支持され続けていたので、我々は新型ルーテシアにはモダンさと優雅さを取り入れながらも、先代モデルのDNAは維持することにしました。インテリアは、知覚的な品質が向上し、洗練され、そして最新のテクノロジーが取り入れられ、正に革命と言えるほど大きく変わりました。これは、今までで最高のルーテシアです」と語っています。
インテリア デザインと装備
全てが新設計されたインテリアは、革命的ともいえるほど進化を遂げています。大幅に向上した質感と採用された先進技術は、上位クラスのモデルと同等以上を目指して開発されています。
デジタル技術と人間工学に基づいてドライバーを中心に設計された運転席周りは、スマートコクピットと名付けられています。波のような曲線と水平基調の造形を取り入れたダッシュボードは、広い視野を確保しています。
コクピット周りは、人間工学に基づきドライバー側に向けて傾けてあり、センターコンソールもドライバーの手が届きやすいように高い位置に設置され、より運転に集中できる環境となっています。
ダッシュボード、ドアパネル、センターコンソールの側面まで、乗員が手を触れるところにはすべて高品質なソフト素材を配しています(インテンス、インテンス テックパック)。パーツが大型化したことで歪みやすくなったダッシュボードの組付け精度を高め、スイッチ類にも細かなデザインを施すなど、細部の仕上げまでこだわったインテリアの知覚的な質感は、新たな次元に達し、上級クラスのクルマに勝るとも劣ることはありません。
本革ステアリングは、先代モデルに比べて小さなエアバッグシステムを採用し、センターパッド部を小型化、メーター類の視認性を向上させています。スポーク上には、運転支援システムやインフォテインメント機能の音声入力が操作できるスイッチが配置され、ドライバーは前方から目を離すことなく、運転支援システムの切り替えや、7インチ デジタルインスツルメントパネルの画面切り替え、ハンズフリー通話へのアクセスが可能です。
ステアリングホイールはマットクロームフィニッシャーで装飾され、ステアリングヒーターを内蔵。また、よりスポーティなマニュアルでのギアチェンジが楽しめるパドルシフトも装備しています。ステアリングコラムのデザインもミリ単位で見直され、ドライバーの膝回りに余裕を作り出しています。
フロントシートは座面長を長く取り、包み込むような形状でサポート性を向上。さらに工夫されたシートバックの形状によって、後席乗員の膝回りのスペースにゆとりが生まれています。また革薄型形状のヘッドレストにより、後席からの視認性も向上。
新型ルーテシアには7インチのデジタル インスツルメントパネルが採用されています。エンジン回転数、速度をデジタルディスプレイで表示し、ルノー マルチセンス(インテンス、インテンス テックパック)と連動して、選択した運転モードに応じたイルミネーションカラーが反映されます。
タッチスクリーンは薄型で、まるで浮いているようなフローティングデザインで、ややコクピット側に傾けてあり、操作がしやすいように設計されています。
7インチ マルチメディア イージーリンク( スマートフォン用ミラーリング機能)は、スマートフォンをUSB ポートに接続すれば、Apple CarPlayやAndroid Autoを介して、タッチスクリーン上でスマートフォン内の各種アプリが利用可能です。もちろんスマートフォン内のナビゲーション機能、音楽再生、通話機能などが使用でき、SiriやGoogleアシスタントを利用して、音声入力での操作も可能になります。
ルノー マルチセンスは、運転モードやインテリア照明をカスタマイズできるシステムです。7インチ マルチメディア イージーリンクのタッチスクリーンの操作で、3種類の運転モード(My Sense/Sport/Eco)が選択できます。なおタッチスクリーン下のマルチセンススイッチを操作し、直接マルチセンス設定画面を表示することもできます。
運転モードの「My Sense」は個別設定が可能なカスタマイズモード(初期設定モード)です。「Sport」はスポーツ走行に適した運転モードで、「Eco」はエコノミーを重視した運転モードとなっています。
選択された運転モードに合わせ、エンジンの出力特性、電子制御7速AT(7EDC)の変速特性、電動パワーステアリングのアシスト力(コンインスツルメントパネル、インストゥルメントパネルの表示スタイル(エコ/コンフォート/レギュラー/スポーツ)、そして8色のアンビエントライト(ブルー/エレクトリックブルー/パープル/イエロー/オレンジ/レッド/ グリーン/ホワイト)が変更されます。
また電動パーキングブレーキが採用され、自動ホールド機能を備えています。
リヤラゲッジの形状は、可能な限り立方体となるよう最適化。そして世界初の技術を搭載したFresh Air Speakerが搭載されたBoseサウンドシステム(インテンス、 インテンステックパック)は、極薄設計されているため、ラゲッジスペースを損なうことはありません。
リヤのラゲッジスペースは、先代モデルの330Lから、上位クラスモデルに匹敵するクラス最大級の391Lとなっています。ダブルフロアシステムは、日常での使い勝手に優れ、後部座席を倒すとフラットな荷室空間が生み出されます。
Boseサウンドシステムの世界初の技術「Fresh Air Speaker(フレッシュエア スピーカー)」は、クラストップレベルの音響効果を実現するオーディオです。このスピーカーシステムに採用されている革新的な小型サブウーファーは、ラゲッジスペースを損なうことなく車外からの空気を取り入れることで、豊かでパワフルな低音を再生。
このサウンドシステムは、小型サブウーファー、低域を再生する4つのウーファー、そして高域を再生する4つのトゥイーター9スピーカーから構成され、比類のない立体的な音響効果を実現しています。
新プラットフォームとシャシー
新型ルーテシアは、ルノー/日産/三菱のアライアンスにより新設計されたモジュラープラットフォーム「CMF-B」プラットフォームを初めて採用したクルマとなっています。
この最新プラットフォームは、先代モデルのプラットフォームより約50kg軽量化され、しかも高い剛性を持ち、高出力パワーユニットを受け止め、しなやかなサスペンションの動きやハンドリングの正確さを引き出すことができます。
また、様々な路面での静粛性やエンジンルームの遮音性、万一の場合の安全性、ボディ下面を覆うパネルによる空気抵抗の軽減など、高い基本性能を支えています。ボディは先代モデルに比べややコンパクトになり、空気抵抗が低減し、重量も軽くなって燃費向上に貢献します。
ボディサイズはコンパクトになったものの、先代モデルより広い室内空間を実現しているのも特長です。
ステアリングのギヤ比は、先代モデルの15.2から14.4に高められ、応答性が向上。ドライバーに、より確実なフィードバックを伝えることができます。またフロントアクスルの高剛性化により、直進安定性や正確なハンドリング、走行安定性が向上。
シャシー全体のバランスと、リヤアクスル設定が見直され、高い速度、高い横Gでの安定性が向上し、ロール量が減少しています。また、ダンパーやスプリングも見直され、ブレーキは踏込み量を減らし素早く制動するよう設計されています。
パワートレーン
新型ルーテシアに搭載される、新開発のH5H型の1.3L直噴ターボエンジンは、ルノー/日産/三菱のアライアンスにより開発され、さらにメルセデス・ベンツAクラスにも搭載されています。
この1.3L直噴ターボエンジンは、最高出力131ps/5000rpm、最大トルク240Nm/1600rpmという低回転、大トルク型の高効率なハイパワーエンジンです。トライアングル形状のコンパクトなシリンダーヘッド、250barの高圧直噴を採用し燃焼の効率化を図っています。またシリンダー内にナノスライド コーティングを施すことで摩擦を低減。
なお、ヨーロッパでのパワートレーンは、1.0L 3気筒、1.3L 4気筒、1.5Lディーゼルがラインアップされ、2020年末からは1.6Lのアトキンソンサイクル エンジンと2モーター、1.2kWhのリチウムイオン バッテリーを組み合わせたハイブリッドモデル「e-テック ハイブリッド」が追加される予定です。
組み合わされるトランスミッションは新開発の湿式デュアルクラッチを備えた7速DCT(7EDC)で、先代より多段化させ、よりシームレスな変速と燃料消費、CO2排出量を削減しています。
なお燃費はWLTCモードで17.0km/Lと低燃費を実現しています。
Bセグメントで最高レベルの運転支援システム
新型ルーテシアは、多彩な先進運転支援システムを備え、Bセグメントでトップレベルの充実機能を備えています。これらにより運転操作の負荷を低減し、安全性を高め、ドライバーに安心をもたらします。
インテンス テックパックのハイウェイ&トラフィックジャムアシストは、高速道路や自動車専用道路などの走行時に、アダプティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー機能付)とレーンセンタリングアシストを組み合わせ、運転をサポートするシステムです。センサーはカメラとミリ波レーダーを使用。
レーンセンタリングアシスト(車線中央維持支援/インテンス テックパック)は、カメラが道路上の白線や黄線を感知して、走行車線の中央を走るように ハンドル操作を支援するシステムです。アダプティブクルーズコントロールとともに作動し、先行車がいる場合は約0~160km/hで、先行車がいない場合は約60~160kmで作動します。
60度カメラは、フロントバンパー、両側ドアミラー、リヤゲートの4箇所にに取り付けられ、車両の周囲の状況を撮影し、真上から見下ろしたような俯瞰映像を合成し、7インチ タッチスクリーンに表示します。システム作動時には、この俯瞰映像とともに、前進時には前方の映像を、後退時には後方の映像をタッチスクリーンに2画面表示し、車庫入れや縦列駐車などの際には、自車と周囲の状況をひと目で確認することができます。
車両を路肩側に寄せて駐車する際には、助手席側カメラの映像を表示させることができます。このシステムは、エンジン動作時にシフトレバーをリバースに入れると自動的に起動するほか、タッチスクリーン下のスイッチを押すことでも起動することができます(約10km/h以下で走行中)。
オートハイ/ロービームは約40km/h以上で、ハイビームで走行中にフロントガラス中央上部のカメラが対向車のヘッドライトを感知したり先行車に近づくと、自動的にロービームに切り替わります。
この他に、パーキングセンサー(フロント、リヤ)、歩行者、自転車検知機能付(衝突被害軽減ブレーキ、後側方車両検知警報、車線逸脱警報、交通標識認識、前方車間距離警報などを装備し、運転支援システムに関しては機能をフルラインアップしています。