ポルシェ356デビュー75周年 オマージュモデル「ビジョン357」を発表

ポルシェ社は2023年1月26日、1948年に製作された伝説的なブランド「ポルシェ356 “No.1”ロードスター」のデビューから75周年を迎える2023年に「ポルシェビジョン357」を発表し、世界各地で記念イベントを開催すると発表した。

ポルシェビジョン357とオリバー・ブルーメ(左)、ミヒャエル・マウアー、そしてブランド・アンバサダーのA.ルンド・スヴィンダル、ティモ・ベルンハルト

ポルシェAGの創始者、フェルディナンド・ポルシェの長男として生まれ育ったフェリー・ポルシェは、自身が夢見たスポーツカー「ポルシェ356 “No.1”ロードスター」を1948年に製作し、このスポーツカーは伝説的なブランドを生み出し、それ以後今日まで目覚ましい成功を収めている。

ポルシェAGの取締役会長であるオリバー・ブルーメCEOは、「ポルシェの75年は、先駆者精神、情熱、そして夢を表しています。私達は夢に触発される人々とともに祝杯をあげます」と語っている。

記念行事は、ベルリンの「DRIVE. Volkswagen Groupフォーラム」で1月27日に始まった特別展「Driven by Dreams. ポルシェスポーツカーの75周年」で幕を開け、2023年9月10日まで続く。来場者はポルシェの成功物語の展望と冒険に浸りながら、デジタルモジュールを使って自分の夢と価値観を記録することができる。

ポルシェ356 “No.1”ロードスターと911初号車

“Driven by Dreams”は、ポルシェブランドの本質を定義したものだ。さらにこのスローガンは、ポルシェを支える人々が世界中のユーザーの夢を叶えるために日々取り組んでいるアプローチを表す言葉でもある。

「私達は伝統を誇りに思っています。それは、未来の成功のための基礎となります。私達はポルシェの伝統を革新と進歩に結びつけ、ポルシェの比類のない物語に、新たに特別な瞬間を加え続けています」とブルーメCEOは説明している。

ポルシェビジョン357

ベルリンではブランドを象徴するクルマとしてポルシェビジョン357が初公開される。ポルシェのデザイン部門であるスタイルポルシェは、ポルシェ356へのオマージュであるこのモデルで、堅牢なデザインを現代に蘇らせ未来のデザインフィロソフィーを表している。その特徴と言えるのが、進歩的な未来への先見性を象徴するライト周りのデザインで、フェリー・ポルシェの夢のスポーツカーが現在に蘇るならどのようなクルマになるかを具現化している。その基本コンセプトは、伝統と革新の相互作用を形にしたものといえる。

スタイルポルシェ責任者のミヒャエル・マウアーは下記のように語っている。

「私達は、ポルシェビジョン357という特別なバースデープレゼントを造りました。これは、ポルシェ356をベースにしたデザインDNAの重要性を強調しています。このコンセプトスタディは、過去、現在、未来を論理的に融合する試みです。プロポーションは歴史的モデルを連想させ、ディテールは未来への展望を視覚化します」

368kW(500ps)を発生する718ケイマンGT4 RSのプラットフォームをベースにしたポルシェビジョン357は、卓越したスポーツカーの性能も実現している。

デザインは、創業当初からポルシェの伝説を構成する重要な要素だった。明確なビジョンを備えたコンセプトスタディ・モデルは、紛れもない革新的なデザインの基礎を形成している。

「未来を創造的に考えることは、スタイルポルシェの重要な役割のひとつです。コンセプトスタディは、未来のデザインの糧となるアイデアの貯蔵庫です。私達は絶えず、モビリティの未来に向けてコンセプトの旅を続けています。ブランドの歴史は繰り返しインスピレーションの源となってきました。未来のコンセプトカーで伝統を振り返ることは、それほど逆説的なことではありません。創造の自由度も重要です。ここから貴重なアイデアが生まれ、一貫したデザインフィロソフィーを革新的な新しい方向に向けて想像するのを助けます」マウアーはこのように語っている。

ポルシェ75周年特別展

ポルシェは、2月23日から26日までシュトゥットガルト市郊外で開催されるクラシックカーカルチャーの代表的な見本市「レトロクラシック」を皮切りに、記念行事を世界各地で展開する。6月9日には、シュトゥットガルト−ツッフェンハウゼンのポルシェミュージアムで、大規模な特別展が開催される予定だ。

ポルシェは、このアニバーサリーのハイライトとして6月10日と11日にホッケンハイムリンクで“Festival of Dreams”(夢の祭典)を開催する。同地のポルシェ・エクスペリエンスセンターでは、ブランドの歴史、現在、未来を展示。車両の展示、「ドリームトーク」、ライブ、さまざまなテーマに沿った体験など、ポルシェ愛好家、ポルシェクラブ会員、カーコミュニティー、ファン、そしてあらゆる世代の顧客に、多くの見どころと魅力的な体験を提供する。

子どもには「キッズワールド」エリアも設営される。また、“Festival of Dreams”(夢の祭典)では、特別に「バン」エリアが設けられ、宿泊のオプションも提供。そして、もちろんモータースポーツが大きな役割を果たし、ホッケンハイムリンクではポルシェカレラカップ ドイツ、ポルシェカレラカップ ベネルクス、ADAC GTマスターズ・レースが行なわれるほか、同じ週末に開催されるル・マン24時間レースのライブ中継も実施する。

「ポルシェスポーツカーの75周年」の特別展は、ロサンゼルスのピーターセン自動車博物館、世界で最も標高の高い自動車展示場となるグロースグロックナー山、ルツェルンのスイス交通博物館でも開催される。

さらに“Driven by Dreams”の展示資料は、アニバーサリーのために特別にデザインされた「ヘリテージトラック」によってヨーロッパと米国の60ヶ所以上のツアーを行なう。世界各地での活動は9月28日から10月1日までカリフォルニアで開催される「レンシュポルト・リユニオン」で締めくくられる。

ポルシェ911の60周年とル・マンの100周年

「ポルシェスポーツカーの75周年」記念イヤーには、他にも2つの大きなアニバーサリーがある。911の60周年とル・マン24時間レースの100周年だ。1963年9月のフランクフルト・モーターショー(IAA)で発表されて以来、911は人々を魅了し、そのアイコニックなデザインと比類ないドライビング・パフォーマンスで世界中のスポーツカーファンの記憶に刻まれている。

2014年から2017年のル・マン24時間レースで輝かしい成績を記録した919ハイブリッド

また6月10日〜11日に、世界で最も有名な耐久レースも祝典を迎える。サルトサーキットでル・マン24時間レースの100周年を迎える。ポルシェはこの耐久クラシック・レースと特に深い関わりを持っており、ル・マンで最も成功を収めているだけでなく、1951年以来、中断することなくこの24時間レースに出場する唯一のブランドでもある。何しろこの間にポルシェは、クラス優勝110回、総合優勝19回を達成しているのだ。

ポルシェ 関連情報
ポルシェ・ジャパン 公式サイト

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