ポルシェ 2023年シーズンに向け新開発「ポルシェ 963」初公開

ポルシェ本社は2022年6月24日、イギリスの「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で2023年シーズン用に新開発したハイパーカー「ポルシェ 963」を初公開した。この新しいレーシングカーは、ポルシェの代表的なモータースポーツカラーである白、赤、黒を基調としたカラーリングを採用している。

500kW(680ps)を発生するハイブリッドのパワーユニットを搭載するこのレーシングカーのコックピットに座るのは、経験豊富でチャンピオンシップを勝ち抜いたプロトタイプドライバーと、ポルシェのワークスドライバーチームがコンビを組んでいる。

世界耐久選手権とIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップに参戦するドライバーは、経験豊富なワークスドライバーのケヴィン・エストレ(フランス)、マイケル・クリステンセン(デンマーク)、アンドレ・ロッテラー(ドイツ)、ロレンス・バントール(ベルギー)、マット・キャンベル(オーストラリア)、マチュー・ジャミネ(フランス)に加え、スポーツカードライバーとしてはデーン・キャメロン(アメリカ)とフェリペ・ナスル(ブラジル)が選ばれている。

デイトナ、セブリング、ロードアトランタ(プチ・ル・マン)の耐久レースに必要なその他のドライバーについては、後日発表される予定となっている。

ポルシェとペンスキーの合同チームは、アメリカでのIMSAシリーズと、FIA世界耐久選手権シリーズのために2つの拠点で運営を行なう。FIA世界耐久選手権はマンハイム(ドイツ)の支社チームが担当し、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権はアメリカ・ノースカロライナ州のムーアズビルで車両を準備するシステムとしている。そしてこの2拠点はリアルタイムでデータを共有、やり取りできるシステムを採用している。このように、ポルシェはこのマシンでル・マン24時間レースを含む世界耐久選手権と、アメリカのIMSAシリーズの両方でチャンピオンを狙う体制なのだ。

ポルシェ・モータースポーツ社のトーマス・ラウデンバッハ副社長は、「2022年前半の7889kmに及ぶテスト走行を経て、我々は順調にプロジェクトを進めていますが、来シーズンの開幕までにはまだやるべきことがあります。私たちの新しいポルシェ963は、917、935、956、962、919ハイブリッドといった伝説作り上げたレーシングカーのレガシーを引き継ぐもことはいうまでもありません。また、多くのメーカーと様々なコンセプトの間で繰り広げられるスリリングな競争を勝ち抜くために、適切なチーム体制を構築して行きます」と語っている。

ポルシェ963の公式レースデビューは、2023年1月にアメリカで開催されるデイトナ24時間レースが予定されている。一方、世界耐久選手権に関しては、今年11月にバーレーンで開催されるシーズン最終戦で、賞典外のテストレースに参加することを目指している。

LMDh ファクトリー・モータースポーツのウルス・クラトレ監督は「ポルシェ・モータースポーツとチーム・ペンスキーは、この数ヶ月で効率的なポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ・チームに成長しました。4台のワークスカーには、強力なドライバーが揃っており。長年のタイヤパートナーであるミシュランとシャシーメーカーであるマルチマティック社とのコラボレーションも万全です」と語っている。

ポルシェ963は、この秋にFIAのホモロゲーション(型式認証)を取得する計画だ。それまでは、ひたすらテストドライブを行ない、さらなる熟成を図るとしている。

ポルシェ963は、IMSAシリーズとFIA世界耐久シリーズの両方に参戦できるようにLMDhレギュレーションに準拠し、LMP2カテゴリーのシャシーをベースに開発している。この新開発のシャシーは、カナダのハイテク企業であるマルチマティック社が供給する。

ボッシュ、ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング、Xトラックの各社は標準化されているハイブリッドコンポーネントを供給。パワートレーンの心臓部には、4.6LのV8ツインターボ・エンジンが搭載されている。

このエンジンは、ハイブリッド・スポーツカーの918スパイダーがベースになっている。このエンジンのDNAは、2005年から2008年にかけてポルシェとチーム・ペンスキーが数々の勝利を収めたRSスパイダー・レーシングカーにまで遡る。

新型ポルシェ963は、1980年代に勝利を収めた956と962のクラシック・モデルのデザインを踏襲している。リヤに直線的に配置されたライトは、最新の992型911の特徴を取り入れている。

またポルシェ963はカスタマーチームへの販売も予定されており、参戦初年度からカスタマーチームにも提供される予定だ。

ル・マン24時間、デイトナ24時間、セブリング12時間といった世界有数の長距離レースシリーズであるFIA世界耐久選手権WECとIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ(IWSA)に参戦するために、チームはオフィシャルテクノロジーパートナーとして最先端のシミュレーション・ソフトウェア開発会社のアンシス社に加え、多くの子会社やブランドを抱えるペンスキー社もオフィシャルパートナーとして参加している。

開発とエンジニアリングの専門知識を持つカナダのマルチマティック社は、テクノロジーパートナーとしてプロジェクトに参加する。また高級時計メーカーのタグ・ホイヤーも、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ・チームの公式計時パートナーとして、グローバルチームに参加することになる。

さらにファッションブランドのヒューゴ・ボスはチームのウェアパートナー、アウトフィッターとして、スポーツライフスタイル企業のプーマは耐火レースウェアのテクニカルパートナーとしてプロジェクトに参加している。

このように強豪ポルシェも2023年シーズンに向けて着々と準備を進めており、トヨタGAZOOレーシングとの戦いが見ものである。

ポルシェ 関連情報
ポルシェ・ジャパン 公式サイト


The Mortor Weekly

ページのトップに戻る