2017年4月10日、プジョー・ジャポンは今秋に発表予定の7人乗りの新型SUV「5008」のプロトタイプを展示するとともに、今後の日本市場におけるSUV戦略、商品展開を発表した。
■グローバル、日本市場で成長
プジョー・ジャポンのクリストフ・プレヴォ社長が、まずプジョーのグローバルでの成長状態を説明した。2016年度は営業利益率6%、グローバル売上高+5.8%と前年を上回り、プジョー、シトロエンン、DSのPSAグループと新たに買収したオペル、ボクゾールを加えるとグローバル販売台数は433万台に達した。そしてヨーロッパ市場でのマーケットシェアは17%で、フォルクスワーゲン・グループに続く2位の座を確保していると説明した。
また日本市場においては、プジョーはPSAグループの中でリーダーとなり、グループ全体の売上69%がプジョー・ブランドになっているという。そして2015年にクリーンディーゼルのブルーHDiを導入したこともプラス材料となり、2016年度は2007年の過去最高販売記録をついに破り、前年比25%の成長を果たしたと説明した。
続いてマーケティングのジャン・ミッシェル・オモン部長が、プジョーのSUV戦略を語った。SUVは高い車高や最低地上高、幅広いがっしりしたボディなど、非日常性を持った魅力的なクルマだが、走る性能という観点では従来のSUVは車高が高く、大径ホイールを備えるなど必ずしも扱いやすくはなく、さらにインテリアのデザインはエクステリアとマッチするものではなかったと語る。
そしてプジョーが考えるSUVは、ドライビング・プレジャー、正確なシャシーと妥協のないハンドリング、ワクワクする感覚などプジョーのDNAを盛り込んでいるという。またそれだけにとどまらず、感性に訴える人間工学、素材の質感、最新のコネクティビティなどを盛り込むことで人間の五感を刺激するSUVに仕上げているとしている。
■3008 GT ブルーHDiを8月以降に導入
次に、プジョー・シトロエン・ジャポンの上村学プロダクトマネージャーが、2016年9月にフェイスリフトしたSUV、2008が好調で前年比で39%増を記録したこと、そして3月に発売されたCセグメントの新型SUV、3008は単なる新型モデルの登場ではなくプジョーのこれからの成長の試金石になる、重要なモデルと位置付けられていることを紹介し、今回新たに新型3008に最新のディーゼルエンジン「ブルーHDi」を搭載した追加モデル「3008 GT ブルーHDi」が紹介された。
3008 GT ブルーHDiは直列4気筒2.0Lのクリーン・ディーゼルで、最高出力180ps/3750rpm、最大トルク400Nm/2000rpmを発生し、JC08モード燃費は18.7km/Lを実現するという。発売は2017年8月以降が予定され、価格は426万円。
■新型5008は今秋に正式発表
そして、2017年秋に正式発表予定の新型5008が最後に紹介された。新型5008は2016年10月のパリモーターショーでワールド・プレミアされ、2017年10月のフランクフルト・モーターショー以降にヨーロッパで発売される予定だ。今回展示されたのはそのプロトタイプだ。
新型5008はEMP2プラットフォームを採用したCセグメント+の3列シート/7人乗りのSUVで、これまでのミニバン的なパッケージングからごローバル市場向けの7人乗りSUVへとコンセプトを変えているのが特徴だ。
ボディサイズは全長4640mm×全幅1840mm×全高1650mmで、新型3008と比べ190mm長く、20mm高いサイズとなっている。またホイールベースは3008より165mm長い2840mm。搭載エンジンは1.6Lガソリン直噴ターボ(5008 Allure)、2.0LのブルーHDi(5008 GT ブルーHDi)の2種類。
インテリアは3008と同様のi-Cockpitを採用。2列シートは独立式の3座タイプ。3列目シートは2座で折りたたみ、取り外しもできるようになっている。
プジョーを含むPSAグループは、グローバルでの攻勢を強めており、特にヨーロッパ、中国で成長の著しいSUVを主力商品と位置付けており、日本においても2008、3008、5008というラインアップを展開。最新の技術を駆使した商品力、高い質感とオリジナリティのあるデザイン、そして競争力のある価格設定でプレゼンスを高める戦略が明確になった。
5008 ガソリンエンジン・モデル諸元表
5008 クリーンディーゼル・モデル諸元表