メルセデス・ベンツのSUVで中核モデルのGLEに装備を見直し価格を下げたCoreがラインアップし、どんな違いがあるのか試乗してきた。
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Coreは「GLE 450 d 4MATIC Sports Core(ISG)」と「GLE 450 d 4MATIC Coupe Sports Core(ISG)」が追加され、乗ってきたのはクーペではなく基本形のスポーツコアのほうだ。





装備を従来通りとしているスポーツは1526万円で、今回追加されたCoreは1379万円。値段では147万円の価格差がある。見直された装備の内容はAMG ラインのインテリアやドアクロージングサポーターの廃止、本革シートからレザーARTICO(人工皮革)へ変更。そしてインテリアトリムで、アンスラサイト・オークウッドが、ブラウンウォールナット・ウッドに変更されている。そしてボディカラーが7色から2色へ選択幅が限定されているといったところだ。


GLEはメルセデスのSUVラインアップで基幹モデルであり、主戦場は北米。もともとMモデルとして販売されていたモデルがGLEへと名前を変え、EクラスのSUV版であり中心的に販売されている。そのため、装備の見直しといえども、アイデンティティと言える乗り心地の良さや静粛性といったプレミアムモデルのミッドSUVとしてのポジションは変わらない。

同時にエントリーモデルのGLE300dも装備の見直しをし、GLCとの差別化としていた標準3列シートをやめ、オプションに変更しているが、上級グレードのこの450dは3列シートは標準装備で残している。さらに乗り心地のキモになるエアサスペンションも残しており、何か物足りなさといった気分は出てこないと思う。




実際に車内を見ると、レザーARTICOは人工皮革でナッパレザーとは見た目は異なっているが、座り心地で何か不満があるかといえば、まったく湧き出てこないし、チープ感はない。それはステアリングのレザー巻きも同じで、またインテリアトリムは、ウォールナット・ウッドのトリムはこのグレードのために作られたトリムだと感じられ、特別感があると思えるのだ。
そしてADAS系やパワートレイン系は全く変更なく、3.0L直列6気筒ディーゼルのISGモデルは270kW/750Nmの大トルクは頼もしい。2.5トンの車重をいとも簡単にフル加速させ、周りのクルマを置き去りにする風景は、巨体故に満足感と征服感も覚えるだろう。
ボディサイズももちろん変更なく、全長4925mm、全幅2020mm、全高1780mm、そしてホイールベースは2995mmとミッドサイズながら、日本では巨体だ。また4MATICは電子制御され、フロント駆動100%になるAWDであり、北米ではオンロードとオフロードの両方のニーズがあるため、こうしたトルク配分も優位に働く。国内であれば高速道路の雨の轍でその威力を感じるだろう。とてつもなく安定した直進性を発揮し、微塵も恐怖を感じさせない安心感は、メルセデスであればこその性能だ。











そして見直されたインテリア装備の室内も、このパワフルなパワーユニットと9段もあるAT、そしてエアサスペンションが作り出す乗り心地は優雅な振る舞いに思え、巨体から見下ろす景色はドライビングに余裕をもたせてくれる。




装備の見直しを聞くと、何か簡略化されたモデルをイメージするかもしれないが、演出の方法を変更したことによる違いと理解すればわかりやすい。したがって、エントリーのGLE300dを予定していた人がこの450dへシフトすることが可能になったわけで、そこには2.0L4気筒ディーゼルから直列6気筒の3.0Lになるという大きな違いを手にすることができるのだ。
また競合他社やGLCの上級モデルを検討しているユーザーの選択肢にも入ってくるわけで、GLEがそもそも持つ魅力をより多くの人が感じられることにつながり、プレミアムモデルの本質を多くのユーザーが知ることにつながると思った試乗だった。
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