メルセデス・ベンツ Gクラス どんな環境にも対応し、すべてが掌握できる懐の広さ G580 with EQ Technology【試乗記】

メルセデス・ベンツGクラスが全モデル電動化された。2024年7月にマイナーチェンジを受けたGクラスは、新たにEVモデルが加わり早速試乗してきた。

「G580 with EQ Technology」という車名。メルセデス日本のプレゼンテーションでは、「環境への配慮からEV化をしたのではなく、ICEではできない性能アップをEVならできるから」と分かりやすい説明があった。スペックだけを見てもAMG G63と比較し、馬力で585psに対して587ps、トルクは850Nmに対して1164NmといずれもEVの方がスペックは上だ。価格はAMG G63が3080万円と3000万円超えに対してEVは2635万円と価格ではAMGのほうが高い。

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さて、ラインアップは、そのEVとAMGの他に「G450d Launch Edition」がある。ローンチエディションなので、いずれはG450dの名前になるが、こちらは直列6気筒の3.0Lディーゼルターボを搭載。それにマイルドハイブリッドを組み合わせたタイプになる。

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試乗は、この3モデルを試乗。会場はなんと本格的なオフロードコースで、渡河体験までするという究極の試乗体験だった。Gクラスオーナーでも本格的オフロードコースを走る人がどれほどいるのか?海外やエリアによっては必然となるエリアもあるが、日本では選ばなければ体験しない試乗ルートだった。

最大登坂性能はいずれも45度で、試乗コースにはそこまでの急坂はないが、30度以上のルートは最も簡単に登る。そして降る。その際にはローレンジをセレクトすれば、アクセル、ブレーキを操作せずとも登っていくし、すべらず降っていく。エンジン車の場合は、デフロックの操作もプラスしてできるので、アドベンチャー感があって楽しい。

モーグルコースでも外から見ていると、ロングストークのサスペンションが見事に働き、キャビンを水平に保とうとしているのがよくわかる。逆にドライブしてみると、ボティの傾きはあまり感じなく、凄く大きな凸凹を難なくクリアしているように感じるのだ。それほどキャビンを水平に保つことができているというわけだ。

そして渡河体験。これほどの高級車で泥水の中に進入するのは気が引けたが、滅多に体験できることでもないのでトライさせてもらった。渡河水深もICEでは70cmだがEVは85cmとより深い水深に対応していることを体験。空気を吸わないEVならではということだ。

そしてEVならではの特殊な性能としてGターンとGステアリングがある。4モーターを搭載するG580は、個別に制御することで、これらの動きが可能になる。オフロード専用の機能になるが、Gターンではその場で360ターンでき、戦車のタンクターンを再現できる。Gステアリングは内輪と外輪の回転速度を制御することで、小回りが効き、4輪操舵の感覚に近い。

このG580には116kWhの大容量バッテリーをフロアに敷き詰め、航続可能距離は530kmと実用性も高い。車両重量は3トン超えの3120kgと超ヘビーだが、運転していてはその重量は感じられない。逆にトルクフルなモーターならではのレスポンスの良さと力強い加速力に惚れ惚れとしてしまうのだ。

インテリアはメルセデスベンツらしい豪華さがあり、高級なナッパレザーシートや最新のMBUX、12.3インチのワイドディスプレイやタッチコントロールなど最新のデジタル装備を搭載している。そしてカメラ機能を駆使し、急坂で前方視界が取れない時にカメラによって前方がモニターに映し出されたり、床下を透過した画像が表示されたりと先端技術は満載だ。

そしてGクラス独特のドア開閉時の感触。あの感触は健在で、重たい金庫の扉を開け閉めする感触はなんとも表現しにくい好感触が全身に走るのだ。

エクステリアデザインではICEとEVではボンネット、Aピラーが少し異なり、G580はリヤフェンダー前部に開口部があり、バッテリー冷却用の風通口になっている。G580のボンネットはフロントウインド直下が盛り上がっていて、ICEではフラットな形状になっていて、またAピラーでは黒いモールデザインが異なっている。言ってみればその程度の違いだけというわけ。

東京都心部では非常に多くのGクラスを目撃するし、常にバックオーダーを抱えている人気モデル。この新しいEV化されたG580 with EQ Thechnologyはさらに無敵さに磨きがかかった気がするし、どんな場面でも頼れ、そしてハイセンスな環境をすら飲み込む存在感を感じさせる試乗だった。

価格

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COTY
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