メルセデス・ベンツ日本は2020年6月25日、Cセグメントで都市型SUVのニューモデル「GLA」を発表し、予約受注を開始しました。デリバリーは7月頃から始まる予定です。
デザイン
今回登場した新型「GLA」は2代目で、コンパクト、スタイリッシュな都市型クロスオーバーSUVというコンセプトは継承されています。グレードは「GLA 200 d 4MATIC」のシングルグレードで、おすすめパッケージやナビゲーション パッケージ、AMGラインなどのパッケージ オプションは設定されています。
新型GLAのエクステリアは、短い前後のオーバーハング、ダイナミックさを強調しながらもクーペのような曲線を用いたデザインでまとめられています。ラジエーターグリル内には、メルセデス・ベンツのSUVに共通する形のルーバーが装備され、ヘッドライトはまるでクーペ モデルのように、上下方向に薄いシャープな印象になっています。
そしてAMGラインを選択した場合、ラジエーターグリルは下部が広がる台形となり、ダイヤモンドパターンにクローム仕上げなど、AMGマスクになります。
インテリアはベースモデルであるAクラスのデザインを踏襲し、ダッシュボードはシンプルでフラットなデザインです。AMGラインかレザーエクスクルーシブ パッケージを選択するとアンビエントライトは全64色。その64色を使用して10種類のインテリアの色彩を生み出します。
パワートレーン
「GLA 200 d 4MATIC」に搭載される「OM654q」型ディーゼルは、2.0L 直列4気筒ディーゼルターボで、最高出力150ps、最大トルク320Nmを発生。
この最新ディーゼルのシリンダーは、シリンダーピッチ90mm、シリンダー間の厚みを8mmとし、全長をコンパクトにまとめたアルミニウム製で、スチール製ピストンと組み合わせています。これとシリンダー壁面にスチールカーボン材を溶射コーティングするNナノスライド加工を行なうことで摩擦抵抗を大幅に低減させています。
ターボは可変ジオメトリーターボで、コモンレール直噴システムにピエゾ インジェクターを使用し燃圧は2050barまで高められています。EGRは、冷却された高圧EGRと低圧EGRを組み合わせた「マルチウェイ排出ガス再循環(EGR)」を搭載。さらに排ガス対策としてダブルSCR(尿素噴射)触媒、余剰のアンモニアを処理するアンモニアスリップ触媒(ASC)を装備します。
なおトランスミッションは8速DCT(8G-DCT)を組み合わせています。
4WDシステム
GLAに採用される4WD「4MATIC」は、ドライバーがダイナミックセレクトのスイッチを操作することで、前後トルク配分比を変化させることが可能です。4WD用オンデマンド クラッチを制御する特性マップは3種類で、一般的な走行状況での前後トルク配分比は、ドライブモード「ECO/コンフォート」で80:20、「スポーツ」では70:30へ可変します。
一方、オフロード走行では4WDクラッチがロック状態となり、トルク配分は50:50となります。どのモードでも路面状況に応じて連続的にトルク配分比を変化させ、オンロードでの安定性とオフロードでの走破性を両立します。
さらにセンターコンソールにあるダイナミックセレクトのスイッチで「オフロード」を選択すると、トルク配分やABS専用制御により、悪路走破性を高めます。さらに、下り坂で2km/hから18km/hの間ではDSR(ダウンヒルスピードレギュレーション)も作動します。
最低地上高は約200mm(AMGラインは180mm)と、十分なクリアランスを持ち、悪路走行でも安心して走ることができます。
使い勝手と装備
新型GLAは従来型より広くなっています。運転席と助手席の着座位置は従来型より97mmアップ。Aクラスとの比較でも140mm、Bクラスに対しては52mm高いというアップライトな着座姿勢となっています。
後席のレッグスペースは、標準位置で従来型より116mm広くなり、前後方向のゆとりが大幅に向上。さらに、後席は60:40の分割でそれぞれ140mmスライドできます。またシートバック角度は7段階の調整が可能で、バックレストそのものは40:20:40の分割可倒式となっています。
その他に、足をリヤバンパー下部に差し入れるだけで開閉したり、リモコンキーやテールゲートのボタンを押すことで開閉することができる、自動開閉式テールゲートを標準採装備しています。
インフォテイメント、車両操作、ナビ操作などを会話でコントロールできるMBUXを標準装備。10.25インチワイドの高精細ワイドスクリーン コクピットを備え、タッチスクリーン操作にも対応しています。
運転支援システム
新型GLAの運転支援システムはSクラスと同等の最新システムを採用。歩行者や車両の飛び出しを検知した場合や先行車両や障害物を回避できない場合の自動緊急ブレーキによる被害軽減機能、車線維持機能、斜め後ろの死角の車両との衝突回避を支援する機能が備わっています。さらに、ステアリングアシストも採用されました。
ナビ パックを選択すると、アダプティブ クルーズコントロールのシステム起動時に、高速道路上で 自動停止した場合、30秒以内(一般道は3秒以内)であれば自動再発進が可能となり、渋滞時のドライバーの疲労を大幅に低減します。
さらにアクティブレーンチェンジングアシスト(80km/h以上で作動)が機能し、ドライバーがウインカーを点滅させた場合、行き先の車線に車両がいないことを確認して、自動で車線を変更できます。またドライバーが異常事態の場合は、自動的に車線を維持しながら緩やかに減速・停止する「アクティブエマージェンシーストップアシスト」も採用しています。