メルセデス・ベンツ日本は2023年2月27日、Cセグメントのスポーティなコンパクト・ハッチバック/セダン「Aクラス」のマイナーチェンジ・モデルを発売した。
4世代目となる現行のAクラス(W177)は2018年にデビューしており、5年振りにマイナーチェンジを行なった。なお、ヨーロッパ市場でのAクラスはきわめて多くのグレードを展開しているが、日本に導入されるのは1.4Lの直4直噴ターボ、2.0Lの直4ディーゼルの2機種となっている。
今回のAクラス・ハッチバック、Aクラスセダンは、内外装のデザインを刷新するとともに、ナビゲーションシステムをすでにSクラスなどに採用している最新世代にアップデート。アダプティブハイビームアシストも全モデルに標準装備としている。
そしてMBUX ARナビゲーション、アドバンスドサウンドシステムなどをA200 d、A200 dセダンに標準装備とし、ガソリン・モデルのA180、A180セダンにオプション設定としている。
エクステリアでは、パワードームを備えたボンネットを新たに採用。サメの尖った鼻先を想わせる前傾したフロントエンドはよりシャープさを強調している。AMGラインでは、マットクローム仕上げの小さなスリーポインテッドスター/スターパターン・フロントグリルとし、標準仕様はブラック仕上げのグリルとなっている。
またAMGラインのバンパー前面は、下部に広がる台形、その両サイドに大口径のエアインテークとすることで、よりアグレッシブなデザインとなっている。
ホイールは標準仕様には17インチ・5ツインスポーク・アルミホイール、AMGラインは18インチ・5ツインスポーク・アルミホイールでいずれもブラック仕上げだ。
インテリアは、新世代のステアリングホイールを採用し、オプションのAMGライン・パッケージを選択すると、3本のツインスポーク・タイプとなる。ナビゲーションやメーターパネル内の各種設定や安全運転支援システムの設定を手元で完結できる機能も備えている。
また従来はハンズオフ検知機能は、新たに静電容量式センサーを採用し、これによりステアリングホイールにかかるトルクがなくても、ステアリングホイールを握っていることが認識され、より使い勝手が向上している。
センターコンソールに設置していたタッチパッドは廃止され、すっきりとしたインテリアデザインとなり、オプションのAMGレザー・エクスクルーシブパッケージを選択すると、シックで高級感のある本革ブラックの選択もできるようになっている。
シートは、レザーARTICO/ファブリックのシート中央部に100%リサイクルから得られた原料を使用。レザーARTICO/MICROCUTの場合、この比率はシート表面で 65%、内部材料で85%となっている。
ニューモデルには最新世代の対話型インフォテインメント・システム「MBUX」を採用。ボイスコントロールは「ハイ!メルセデス」がキーワードで起動する。音声認識機能は多くのインフォテインメント機能(目的地入力、電話通話、音楽選択、気象情報)に加え、エアコン、各種ヒーター、照明など多様な機能にも対応。また、音声認識だけではなく、タッチスクリーン、ステアリングホイールにあるタッチコントロールボタンでも様々な操作をすることができる。
また、メルセデス・ベンツの最新世代のナビゲーションシステムと、Cセグメントに初めてMBUX AR(Augmented Reality = 拡張現実)ナビゲーションをA200 dに標準装備、A180はオプションとして採用。AR機能ではマップ上の進路に加えて、車両の前面に広がる現実の景色がナビゲーション画面の一部に映し出され、その進むべき道路に矢印が表示される。
A180に搭載される「M282」エンジンは、ルノー、日産と共同開発した最新世代のガソリンエンジンで、独特のデルタ形シリンダーヘッドが採用されている。
A200 dに搭載される「OM654q」ディーゼルは、最高出力150ps、最大トルク320Nmを発生。シリンダーピッチを90mm、シリンダー間の厚みを8mmとし、全長をコンパクトにまとめたシリンダーブロックはアルミニウム製で、ピストンはスチール製。この熱膨張率の異なる素材を採用し、シリンダーウォールにスチールカーボン材を溶射コーティングする「ナノスライド」摩擦低減加工を施すなど、大幅に摩擦抵抗を低減している。
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