ダイムラー社が社名変更 新生「メルセデス-ベンツ グループ」に

ダイムラー社は2022年2月1日、社名を「メルセデス-ベンツ グループAG」に変更するとと発表した。

ダイムラー社は2021年10月に臨時株主総会を開催し、大型トラック/バス部門の分離を正式に決定し、2021年末にトラック・バス部門は、独立した法人「ダイムラートラックホールディングス」として上場している。

ダイムラー社は当面、トラックHDの株式の35%を保有する。また、「メルセデス・ベンツ」ブランドと「スリーポインテッドスター」のロゴはトラックHDでも無期限で使用できるとしている。

このトラック/バス部門の切り離しは、ダイムラー社が複合企業であるがゆえに企業価値が低く見られ、他の自動車メーカーに比べ株価が低迷する現状を解消することをを目指すもので、乗用車専業とすることでメルセデス・ベンツは今後、経営資源を高級電気自動車(EV)に集中していくことになる。

今日知られているメルセデス・ベンツという乗用車ブランドは、1926年にカール・ベンツとゴットリープ・ダイムラーのそれぞれの会社が、第1次世界大戦後の経済的混乱の中で自動車事業を拡大する目的で合併した「ダイムラー・ベンツAG」という企業から誕生している。

シュトゥットガルト市に所在するダイムラー・ベンツAGは、第2次世界大戦の敗戦まで、乗用車の生産はもちろん、軍用機や戦車、潜水艦のエンジンなどを生産する巨大重工業メーカーに拡大していた。

戦後のダイムラー・ベンツAGは、乗用車、トラック、バスがメインになり、その他重工業部門も存在していたが、他の部門はしだいに売却されている。

その後、1998年にアメリカの自動車メーカーのクライスラーを買収し、社名は「ダイムラー・クライスラー」に改称。しかし2007年にクライスラーを分離・売却し、社名は「ダイムラーAG」に改称した。

この時には「ベンツ」の名称が消えたことで株主からの不満の声を発したといわれている。なおダイムラー社の筆頭株主は長らくクウェート投資庁であったが、2018年からは中国の浙江吉利控股集団(ジーリー・グループ)が筆頭株主になっている。

そして今回の社名変更では、伝統あるダイムラーの名称が消え、ブランド名を前面に打ち出した「メルセデス・ベンツ」の社名を採用した。

新たな「メルセデス-ベンツ グループAG」は、電動化に取り組む新たな戦略を強調している。世界で最も魅力的なクルマを作るという思想を前提に、常に未来へ向けて前進し、電動モビリティと車両ソフトウェアの分野で業界をリードすることで、創業者の遺志を継承するとしている。

この社名変更と並行して、ダイムラーモビリティAGもブランドもメルセデス・ベンツ・モビリティAGに改称し、ファイナンス、リース、保険の分野で乗用車とバンのモビリティサービスを提供することになる。

さらに、この部門では、メルセデス・ベンツユーザーのレンタル・システムやサブスクリプション、フリートマネジメント、充電や支払いのためのデジタルサービスも利用できるようにすることになる。

このように新生「メルセデス-ベンツ グループAG」は、今後は乗用車ブランドのメルセデス・ベンツ、メルセデスAMG、メルセデス・マイバッハ、メルセデスEQと、さらに商用バンの事業に集中することになる。

2021年1月に全モデルEV化を発表したオラ・ケレニウスCEO

なおメルセデス・ベンツとしては2021年12月に、EV化、デジタル化、自動運転などの分野に2022〜26年の間に総額600億ユーロ(約7兆6560億円)を投資すると発表している。そして2025年以降に発表する新型車はすべてEV専用にする計画で、市場の状況が許せば2030年から販売する全モデルをEVにするとしている。

メルセデス・ベンツ 関連記事
メルセデス・ベンツ・グループ 公式サイト


The Mortor Weekly

ページのトップに戻る