マクラーレンのビスポーク部門、マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)は、ある顧客のオーダーにより、マクラーレン「F1 GTR」のレース・ペイントを「675LT」で再現したスペシャルカーを製造した。
マクラーレン「675LT」はスペシャルマシンと呼ぶにふさわしいマシンだが、それをさらにドラマチックに、エクスクルーシブなマシンにしたいというカスタマーからの要望に対し、MSOはそれがどんなに複雑なものであってもリクエストに応じたのだ。
1990年代の耐久レースで圧倒的な強さを発揮し、1996年度のBPRグローバル・エンデュランス・シリーズおよび1997年のル・マン24時間GT1クラスで優勝したマクラーレン F1 GTRに敬意を表したロードカーを製作して欲しい、というリクエストに応えるため、MSOでは、パーソナライズされた有名なレース仕様とカスタマーの要望に沿ったビスポークの特徴を兼ね備えた675LTが特別仕様で製作された。
ライトブルーとブラック/レッドのボディペイント、そしてトレードマークであるセンターのオレンジストライプは、ガルフ・レーシングのペイントを再現したものであり、このペイントが施された、1997年のマクラーレン F1 GTR「ロングテール」は、マクラーレンが675LT製作のヒントとしたマシンでもある。
ペイントだけでなく、デイグロー・オレンジ仕上げの20スポークのホイールもプロジェクトのテーマに沿ったもので、オーナーのイニシャルが入ったサイドシルのバッジにも同じオレンジカラーが使用された。また、ルーバー式のフロントウィング、最新式のルーフスクープおよびカーボンファイバー製のエアブレーキは、MSOが用意しているマクラーレン 675LT用のオプション装備であり、その全てにボディーと同じペイントが施されている。
このプロジェクトは、その有名なレース・ペイントの使用について、ガルフ・オイル・インターナショナル社の許可を得て実施。MSOでの作業には1000時間以上の時間が費やされ、そのうち、エアブラシでの作業を含むペイント作業には800時間が費やされた。
インテリアは、エクステリアのテーマとパーソナライゼーションをより効果的にアピールするデザインとなっている。MSO ビスポークのレーシング・シートはカーボンブラックのアルカンターラ仕上げで、コントラストの利いた、オレンジとブルーのステッチが入っている。ヘッドレストにはブルーでステッチされたオーナーのイニシャルがあしらわれている。