ランボルギーニ「ウルス ペルフォルマンテ」発表 666馬力のスーパーSUV

ランボルギーニは2022年8月19日、アメリカ・カリフォルニア州のぺブルビーチ(モントレー・カー・ウイーク)で、高性能SUV「ウルス」のパフォーマンスを極限まで引き上げたスーパーSUV「ウルス ペルフォルマンテ」を発表した。その圧倒的な動力性能、比類のないスポーツ性により、公道、サーキット、滑りやすい路面などあらゆるシーンでスーパー・スポーツカーにふさわしい走りと存在感を発揮できるモデルとなっている。

ぺブルビーチでベールを脱いだ「ウルス ペルフォルマンテ」

2017年に登場したハイパフォーマンスSUV「ランボルギーニ ウルス」の高性能バージョン「ウルス ペルフォルマンテ」は、高級・高性能SUVカテゴリーの頂点を狙ったまさにスーパーSUVモデルと位置付けられる。なお「ペルフォルマンテ」はPerformanceのイタリア語だ。

今回の正式発表に先駆け、ウルス ペルフォルマンテは8月10日に開催されたパイクスピーク国際ヒルクライム大会で、標高4302mのゴールラインまで10分32秒064で走行し、2018年のベントレー ベンテイガの記録10分49秒902を上回る市販SUV部門の新記録を樹立して、その高性能を証明している。

正式発表に先立ちパイクスピーク国際ヒルクライム大会に挑戦した「ウルス ペルフォルマンテ」

ランボルギーニのステファン・ウィンケルマン会長は、「ウルス ペルフォルマンテは、スーパーSUVとしての最高のパフォーマンスと独自の存在感のあるエクステリアをより高い次元に引き上げ、多用途性はそのままに、公道だけでなくあらゆる環境で最高のドライビングを提供し、ドライビングダイナミズムの新たな基準を作った世界初のスーパーSUVなのです」と語っている。

エクステリア・デザイン

ウルス ペルフォルマンテは、どの角度から見ても大胆で同時に空力的なダイナミズムを感じさせる。よりシャープで目立つピュアなボンネットとバンパーのデザインは、ペルフォマンテのスーパースポーツとしての遺伝子を強調しながらも、ウルス本来のエレガンスさも表現している。

そしてまたアルミ以外に複合素材を多用することで、この最上級SUVセグメントの中でも最も多くのカーボンファイバー部品を使用したクルマとなっている。

ウルス ペルフォルマンテのフロントでは、バンパーにエアカーテン・コンセプトを取り入れ空力特性を高め、新しい軽量カーボンファイバー製ボンネットをはじめ「ペルフォルマンテ」の名を冠したモデルの伝にふさわしく、カーボンファイバーを多用し、軽量化とともに視覚的な差別化を行なっている。

ボンネットのラインは専用デザインのフロントバンパーまで深く切れ込んでおり、エアアウトレット付きボンネットは軽量カーボンファイバー製。オプション設定のカーボンファイバー製ルーフは、ランボルギーニのスーパースポーツモデル、ウラカン ペルフォルマンテやスーパートロフェオをイメージさせる。

新デザインのブラックのフロント・エアインテークは、エンジン冷却効果を高めるとともに、SUVのスーパースポーツの伝統を最大限に表現。新しいエアカーテンは、フロント・ホイール上の気流を引き寄せ、空気抵抗を低減するエアロダイナミクス効果を重視したデザインだ。また新設計のリヤスポイラーは、リヤのダウンフォースを38%増加させる効果を発揮する。

サスペンションのスプリングにより標準モデルより車高を20mmダウンさせ、トレッド幅は16mm拡大され、ワイドなカーボンファイバー製ホイールアーチが、オプションの23インチまたは鍛造22インチの軽量ホイールとチタンボルト、専用開発のピレリ製タイヤをカバーしている。

サイドビューでは全長は標準モデルより25mm長くなっており、フロントとリヤのウィングとバンパーによってロースタンスが強調されている。リヤのカーボンファイバー製フィンを備えたリヤスポイラーは、アヴェンタドールSVJからデザインインスピレーションを受け、ダウンフォースの増加に寄与している。

リヤバンパー下部とディフューザーもカーボンファイバー製で、軽量チタン製のアクラポビッチ・スポーツエキゾーストが標準装備されており、ドライブモードに応じてランボルギーニ特有の高周波共鳴サウンドを発生させる。

ブラックにペイントされたドアハンドル、ボンネット上のエアアウトレット、スポイラーリップなどがボディカラーとのコントラストを生み出し、この高性能モデルのダイナミズムを際立たせる効果を生み出している。

インテリア

コックピットは、ネロ・コスムス・ブラック・アルカンタラを標準装備し、シートのステッチは新しい六角形のペルフォルマンテ仕上げに。もちろん本革インテリアなどのオプションも設定されている。

専用カラーとトリムのオプションでは、ドア、ルーフライニング、シートバックレスト、リヤウォールにペルフォルマンテ・トリムを拡大採用し、さらにインテリアのマットカーボンファイバーディテール、レッドドアハンドル、アド・ペルソナムのロゴ入りキックプレートなど、アド・ペルソナムのカスタマイズが用意されている。

ブラックのアルカンターラ/本革ステアリングホイールはマットブラックで縁取られ、アルミニウム・インテリア・トリムはブラック・アルマイト仕上げとなっている。

オプションの「ダークパッケージ」を選択すると、中央のギヤセレクターや、スタート/ストップボタン、ドライブモードセレクターなどの操作系を含むディテールにもマットブラック処理を施すことが可能だ。

インフォテイメントのグラフィックは、ウルス・ペルフォルマンテ専用にデザインされ、センターコンソール画面とメインディスプレイの両方に大きく弧を描くように配置されている。

パフォーマンス

ペルフォルマンテの4.0LのV8ツインターボ・エンジンのパワーは標準モデルより16psアップし666ps/6000rpmを発生。最大トルクは850Nm/2300-4500rpm。車両重量は47kg軽量化され2150kgとし、クラス最高のパワーウエイトレシオ:3.2を実現している。0-100km/h加速は3.3秒、100km/h-0のフルブレーキ制動距離は32.9mだ。

最高速度は306km/hに達し、まさにこのカテゴリーのベンチマークとなる動力性能、レスポンス、操縦安定性を備えている。空力性能も高められ、全体のダウンフォースは8%増加している。

4WDシステムは、センターデフはトルセンLSDを装備し、リヤ・デフにはアクティブ・トルクベクタリングを組み込んでいる。

ピレリPゼロ(フロント:285/40 R22、リヤ:325/35 R22)タイヤは、従来より進化したセミ・スリックタイヤだ。このタイヤは初めてSUVの特性に合わせて開発され、ランボルギーニとの共同開発で生まれた専用タイヤだ。そのため、高気温の乾いたアスファルトでも、気温の低い濡れた路面でも高い性能を発揮する性能を確保している。

俊敏性、ステアリング・フィードバック、さらなるスポーツ・ドライビング性を強化し、ドライバーは路面状況をよりダイレクトに感じ取ることができる。

そのためステアリング系は専用チューニングされ、正確な入力とダイレクトなフィードバックが得られ、後輪ステアリングの介入をより高速化することで、オンロードでもオフロードでもリヤ・ディファレンシャルのトルクベクタリングによってターンインの俊敏性を向上させている。

ストラーダ・モードの時は、スムーズなダンピングで快適でラグジュアリーな乗り心地を提供。スポーツ・モードでは、スロットルのレスポンスが向上し、リヤホイール・ステアリングは低速ではより俊敏に、高速では安定し、オーバーステアの楽しさと素早いギアシフトが楽しむことができる。

新しい、よりレートが高められたスチールスプリングと専用のダンパーを含むスポーティなシャシーセットアップは、フィードバックを最大限に高め、ドライビングプレジャーを満喫することができる。

コルサ・モードでは、レーシングカーとしての性格が強調され、高速安定性、アクティブ・スタビライザーと強力なダンピングに支えられフラットなコーナリングが実現し、スポーツエグゾースト・サウンドの高鳴りが加わり、スーパースポーツの伝統を受け継いだ圧倒的な走りの世界に解放される。

そしてウルス ペルフォルマンテのドライブモードに新たにラリー・モードが追加され、ダートコースでのスーパーSUVの走りのスリリングな楽しさを高めることができる。スプリング、スタビライザーとダンパー・システムにより、荒れた路面でのオーバーステアのキャラクターが増幅され、スーパーSUVならではの新しいレベルのパフォーマンスが実現している。

なお中国市場では、特別に新型ウルス ペルフォルマンテに専用のアップグレードが可能になっているが、型式認証上の理由から、エンジン出力は640psに設定されている。

価格

ウルス ペルフォルマンテ:2758万円(イギリス)、3000万円(ヨーロッパ)、6622万円(人民元)、3569万円(アメリカ)*現在の為替で日本円換算

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