【ベントレー】ニューコンチネンタルGT SPEED試乗記  超高級のトップブランドであり続ける理由

マニアック評価vol257

コンチネンタルGT SPEED
ベントレー史上最速・最強、そして快適な2014年モデルのコンチネンタルGT SPEEDに乗った

ベントレー史上もっとも速く、力強い、そして快適に過ごせるモデルと常に形容されるベントレー・コンチネンタルGT SPEEDに試乗してきた。

ベントレーも気づけばラインアップが豊富にあり、大きく分けてトップモデルのミュルザンヌ、フライングスパー、コンチネンタルGTシリーズとある。コンチネンタルGTシリーズには2ドアクーペモデルとコンバーチブルがあり、エンジンもW12気筒とV8型とが選べる。また、4ドアのフライングスパーも現在はW12気筒のみだが、2014年のジュネーブショーではV8型4.0Lが発表された。 今回試乗できたモデルは2012年英国グッドウッドでワールドプレミアされた2014年モデルだ。

他を圧倒するボディサイズは全長4806mm×全幅1944mm(2227mmミラー含む)×全高1394mmでホイールベースは2746mm。全高はコンチネンタルGTより10mm低められているのがコンチネンタルGT SPEEDだ。

コンチネンタルGT SPEED
コンチネンタルGTから全高を10mm低くしたGT SPEEDは、よりスタイリッシュに見える

大きなボディサイズは存在感たっぷりで、他のドライバーからの視線を感じる。ひと目見てベントレーと分かるフロントフェイスは上品さのなかにも迫力を持ち合わせ、知る者の羨望のまなざしを浴びる。古典的な4灯式のヘッドランプをコンテンポラリーなデザイン意匠とするなど、伝統を守りつつ先進的な進歩を遂げていることも感じる。ルーフラインは美しいクーペラインを描き、リヤフェンダー付近のボリュームは力強い走りを想像させる。

コンチネンタルGT SPEEDコンチネンタルGT SPEED

信号で止まるたびに、横に並ぶドライバーが舐めまわすようにコンチネンタルGT SPEEDを眺めているのが印象的だった。超高級ブランドとしての存在感はドイツ御三家を上回り、持つものの所有欲を満たすことは間違いない。

コンチネンタルGT SPEED
明るいタンレザーで統一されたコンチネンタルGT SPEEDのインテリア

インテリアはさらに豪華絢爛で、高級ブランドを手にした満足感は高い。ハンドメイドされるインテリアは調度品や工芸品といった表現のほうがしっくりくる。さらに見た目だけでなく、手に触れたときの感触でも高級感を味わえる。試乗車は明るいタンレザーで統一され、職人によるステッチ加工が施されている。レザーはふんだんに使用され、細部にまで職人の拘りが感じられる。

コンチネンタルGT SPEEDに乗り込み、センターコンソールにあるスタートボタンを押す。搭載しているエンジンはW12気筒6.0Lツインターボで、625ps/800Nmというスペックを持つ。そして滑らかに変速をするZFの8速ATで繋ぎ、発進した瞬間にも高級さを感じさせてくれる。

このエンジンパワーはどこで味わうことができるのだろうか、スロットルは常に10%程度しか踏んでいないように感じる。それでもまわりのクルマに後塵を浴びせることは簡単だ。エンジン回転計も2000rpmを指すことはなく、アイドリング+αで都内を走りきることがたやすい。

コンチネンタルGT SPEED
W12気筒6.0Lツインターボエンジンを搭載。最高出力625ps、最大トルク800Nm

だが、エンジン音は猛獣がのどを鳴らすようなゴロゴロ、ドロドロといった音が聞こえ、スロットルを大きく開けたくなる衝動にも駆られる。625ps/800Nmとは一体どんな世界なのだろうか。0-100km/hを4.2秒で到達させ、329km/hのトップスピードだ。いつ、どんな状況になっても常に余裕があるから、ドライバーの心をおおらかにさせる懐といえるスペックだ。ほんのわずかエンジンの音を大きくしただけで、絵の具を溶かしたように一瞬にして景色は流れる。

それでいて滑らかに発進し、40km/h、60km/hという速度で走行するときの快適さにもうっとりする。獰猛なW12型ツインターボのわずかな唸り声を聞きながら都内を快適にクルーズする。力があるとはこういうことなのだと感じ、エンジンは回さずともスーパーカーをドライブしている気分は常に持てる。

ステアリングポストには固定されたパドルシフトのレバーがある。ハンドルの回転と同期するタイプと独立しているタイプがあるが、ベントレーでは後者を選んでいる。ステアリングの操作フィールは軽い。大きなボディをこの軽さで動かせるのかと思うが、逆にこの軽さだからこそクルマの大きさを感じさせず、軽快に走れるようにしている。

コンチネンタルGT SPEED
ポストに固定されたパドルシフトのレバー
コンチネンタルGT SPEED
インパネセンターにはブライトリングのアナログ時計

 

首都高速を走ったレベルでも高速での安定性は高く、グランドツアラーであることが強く個性的に伝わってくる。275/35-21インチサイズのタイヤを履きこなし、都心環状線をスイスイと車線変更しながら湾岸線に抜ける。欧州の広い直線道路では300km/hでの巡行という世界なのだろう、直進の座りがよく安心感が高い。きっとブレーキも安心感のある高い制動性を発揮してくれるに違いない。

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DSCN6920DSCN6931コンチネンタルGT SPEED

2014年のジュネーブショーでは、このベントレー・コンチネンタルGT SPEEDをさらにパワーアップしたモデルがワールドプレミアされた。パワーユニットに変更はないが出力では10psアップし635ps。トルクも20Nm増え820Nmにアップされている。

ベントレー・コンチネンタルGT SPEEDは常に魅力的で、垂涎の的であり超高級ブランドのトップモデルであり続けるのは間違いない。

ベントレー公式サイト

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