2016年9月17日にアメリカ・オースティンで行なわれたWEC(世界耐久選手兼)第6戦。2台のR18でレースに臨んだアウディは、8号車(ルーカス・ディ・グラッシ、ロイック・デュバル、オリバー・ジャービス組)が2位入賞という結果だった。
今回、アウディはプラクティスからトップタイムをマークし、予選ではポールポジションと2位につける優位な体勢で決勝に臨んだ。その決勝でも2台のAudi R18は3位以下に1分近くの大差を付ける快走を続けていた。
しかし、8号車が99周目に電気系トラブルに見舞われ50秒のタイムロス。さらにドリンク供給システムが作動不良を起こしたため、予定より早いピットインを余儀なくされた。
そのピットインの直後、コースにフルコース・イエローコーションが出されたため、それまでに獲得していた大きなアドバンテージは消失、ライバル達との距離が縮まってしまった。
さらにレース開始後5時間が経った頃、ディ・グラッシがルーティンのピット作業を終えてコースに戻ったものの、ドアが閉まりきっていなかったために再度ピットイン。コースに戻ったのちの猛追を経て、トップにわずか23秒差にまで迫った時点でチェッカーフラッグが振られ2位が確定した。
8号車がトラブルに見舞われた時点では、7号車(マルセル・ファスラー、アンドレ・ロッテラー、ブノワ・トレルイエ)も優勝圏内だった。トレルイエは、8号車と僅か19秒差の2番手を快走。しかし、スピンした周回遅れのマシンにぶつけられ、コースアウト。ピットでダメージを修復するまでに6ラップを失い、7号車は、不本意極まりない6位チェッカーとなった。
アウディモータースポーツ代表のDr. ウォルフガング ウルリッヒは「僅か6時間の間に、信じられないほどの不運に見舞われてしまった。ドライバーは全員、非の打ち所のないパフォーマンスを発揮し、Audi R18を存分に活躍させていた。レース前の全セッションで最速タイムを記録し、レースでは誰よりも速く走行していた。今大会では1-2フィニッシュに手が届いていただけに、1台が2位入賞というだけでは、喜ぶことは難しい」とコメントしている。
次回、WEC第7戦は10月14日(金)~16日(日)、富士スピードウェイで開催される。
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