アルピーヌA290をル・マンで発表 アルピーヌのEVモデル国内導入を検討中

アルピーヌは2024年6月13日、ル・マン24時間レースの会場で、アルピーヌ初の電気駆動コンパクト・スポーツ「A290」を発表した。

A290のベースはルノーが開発した「ルノー5 Eテック」だ。このモデルは2020年の時点ではコンセプトスタディモデルであったが、ルカ・デ・メオCEOが2021年に試作を命じ、量産化の検討が開始された。

デ・メオCEOは、このコンパクトなEVは自分たちのDNAを他のどのモデルよりも強く表現するモデルであることを強調し、フォルクスワーゲン ゴルフ、フィアット500のような存在であり、ルノーにとってルノー5、トゥインゴを継承するモデルであることが求められ、デ・メオCEO直卒の開発プロジェクトとなっている。

プラットフォームはCFM-B-EV(その後、AmpR Smalに名称変更)が採用されている。2023年初夏には最終試作モデルが完成し、性能の確認と同時に量産の検討が開始された。このプロジェクトと並行し、2022年秋にルノー5 Eテックの高性能スポーツモデルはアルピーヌ A290として生産することが決定されている。

A290は5ドア・ハッチバックで、ボディサイズは、全長3990mm、全幅1820mm、全高1520mm、ホイールベース2530mmというBセグメント・サイズ。前後荷重配分は57%:43%。車両重量は1479kgだ。

A290はBセグメントサイズだが、ルノーメガーヌ Eテック・エレクトリックと共通の巻線界磁式同期モーターを採用。標準グレードが180ps/285Nm、高性能グレードは220ps/300Nmを発生する。このモーター、パワーコントロールECU類はフロントに搭載され、前輪を駆動する。

動力性能は、0-100km/h加速は6.4秒と7.4秒。最高速度は160km/hと170km/h。また最小回転半径は5.1mと小回りに優れている。

フロア面の中央部に配置される3元リチウムイオン・バッテリーの容量は52kWhで、ヨーロッパWLTPモードでの航続距離は380kmとなっており、日本のWLTCモードでは約400kmと推測できる。

充電は交流普通充電で最大11kW(10%~80%充電は3時間20分)、直流急速充電では100kW(10%~80%充電は30分)に対応。またV2L(外部給電)と電力網への接続(V2G)が可能だ。

サスペンションは、フロントがストラット式、リヤがマルチリンク式で、前後ともに油圧バンプストッパー付きダンパー+アルピーヌ・スポーツサスペンションを備えている。特にフロント・サスペンションは切れ味鋭いハンドリングとなるようチューニングされている。

フロントブレーキは4ピストン・モノブロック対向キャリパーを装備し、ディスク径はフロントが320mm、リヤが288mm。シャシーは、スポーティで俊敏、そしてコントロール性に優れたハンドリング性能を備えている。

タイヤは標準グレードがミシュラン パイロットスポーツEV(225/40R19)で、高性能グレードはミシュラン パイロットスポーツ5S(225/40R19)を装着している。

インテリアは最新のインフォテイメントや運転支援システムを装備しながらも、アルピーヌならではのスポーツ性を盛り込み、ドライバー中心のデザインとなっている。ただし、実用面も十分に配慮され、ラゲッジ容量は326Lで、日常での利便性を確保している。

デザインは、アルピーヌならでは4灯式ヘッドライトとし、ラリーカーを彷彿とさせるX字型のモチーフを採用。またこのヘッドライトは、オーナーが車両に近づくと自動的にウエルカム・アニメーションが表示されるようになっている。

またルーフ端部はアルミ製、Cピラーにはオプションでフランス国旗が装備できる。フロントバンパーにはアルピーヌのロゴと雪の結晶のデザインモチーフが使用されている。

なお、A290は2025年式モデルとして生産が開始されており、アルピーヌ・ジャポンは日本導入の検討を開始している。

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