VOL80.吉田由美のピンポイント&チャームポイント
「オープンカー」は好き。
幌のルーフも好きですが、自分で買うとしたら圧倒的にハードタイプ。
現実的に、自分の生活環境や安心感などが頭をよぎるからなのかも。
さて、4代目マツダ ロードスターに、ハードトップの屋根を持つリトラクタブルハードトップ(RHT)の後継「ロードスターRF」が追加導入されました。
「RF」とは「リトラクタブル ファストバック」の意味です。「リトラクタブル」と言えば、私が思い浮かべるのは、「リトラクタブル ヘッドライト」ですね。80年代~90年代ぐらいのスポーツタイプのクルマに採用されていた格納式のヘッドライトで、「マツダ RX-7」や初代の「マツダ ロードスター」にも採用されていました。
直訳すると「ひっこめることができる」という意味で、先代の「ロードスターRHT」にも「リトラクタブル」という単語が入っていましたが、今回は新たに「RF」(リトラクタブル ファストバック)というネーミング。
じつはこの「ファストバック」という部分に意味が込められていて、そもそもはクルマのリヤ側に向かって一気に下がるデザインのことを言うらしい。そしてもう一つの「ファスト」はそのまま「素早い」、という意味が込められているのだとか。
ルーフは3分割。18秒で「クーペ」から「オープンカー」に変身。時速10km以下ならば走行しながらの開閉が可能。
他車のオープンルーフタイプのクルマに比べると、開閉可能な速度が低い気がしないでもありませんが、完全停止状態ではなく渋滞時や信号待ちなどのノロノロ運転の時に開閉できるのは嬉しい。開発の方に聞くと、走行しながら開閉できるようにするのは難しいのだとか。
ロードスターRFの「美しい」開閉、「なめらか」で「速い」動き、「堅い」屋根・・・このキーワードで私がイメージしたのは歌舞伎の「早替わり」。
短時間でガラリと衣装替えをするのですが、まさにロードスターRFも同じ。だからロードスターRFも自動車界の日本の伝統芸能的な存在になるといいですね。