トヨタGAZOOレーシングは2020年5月21日に、第48回ニュルブルクリンク24時間耐久レースへの参戦を見送ることを決定したと発表しました。
第48回ニュルブルクリンク24時間レースは、5月22日〜24日に開催予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大に対応し、9月24日〜27日の開催に延期されています。
スペシャルなレクサスLCだったが・・・
トヨタGAZOOレーシングは、2020年も前年と同じ「レクサスLC」で出場の準備を整えていました。このレクサスLCは市販モデルとは異なり、新開発のエンジンを搭載するなど、将来のスポーツカーの市販車に活かすための新技術を先行投入したスペシャルマシンです。
エンジンは新開発のV8型ツインターボエンジン、最新素材を使用した軽量ボディ、新開発の空力システム、ドライバー支援システム技術、そして車両安定制御システム、トラクション・コントロールなど運動制御システムなども盛り込まれる計画になっていました。
しかし、新型コロナウイルスが各地で感染拡大しているため、チームメンバーの渡航制限、現地での走行テスト自粛、さらに現地のVLNシリーズのキャンセルなどにより、車両の開発を進めることが不可能になっていました。
テストが十分に行なうことができない状況下では、ニュルブルクリンク24時間レースで安全に完走し得る確信が持てないこと、プロジェクトに加わっている多くの社員、関係者の安全確保にも課題があるという判断で、レースへの参戦を断念したわけです。
もちろんトヨタGAZOOレーシングは、このレクサスLCによるプロジェクトを中止したわけではなく、今後熟成を進めて2021年のニュルブルクリンク24時間レースに出場する計画となっています。