トヨタは2019年10月17日、第46回東京モーターショー2019のメガWEBで開催される「FUTURE EXPO」に、2020年冬に発売予定の超小型EVモビリティ、電気駆動のパーソナル・モビリティなどを出展すると発表した。
超小型EV
超小型EVは、国交省が取りまとめた軽自動車より遥かに小さい「超小型モビリティ」のカテゴリーのクルマだ。免許取り立ての初級ドライバーや高齢者などの買い物や、法人ユーザーが客先への巡回など、近距離移動で使用することを想定したEVとなっている。
超小型モビリティは、世界最大の中国市場や欧州で普及しているが、トヨタの超小型EVは、欧州規格の「L7E」などには適合せず、国交省の超小型モビリティ認定車両に適合させているので、純日本市場向けのコミューターになっている。
ボディサイズは全長2490mm、全幅1290mmm全高1550mmで、2名乗り。最高速度は60km/hで、高速道路は走行できない。また航続距離は約100kmとされ、日常での近距離での使用を想定。全幅1290mmは大人2名が乗車できる最小幅だという。また、最小回転半径は3.9mmで、軽自動車よりさらに取り回しに優れている。
この超小型EVは2020年内に発売予定で、メインのユーザーは法人で、リースなどが想定されているようだ。
超小型EV ビジネス向けコンセプトモデル
ワンボックス・スタイルの「超小型EVビジネス向けコンセプトモデル」はコンセプト・スタディモデルだ。実はこのコンセプトカーは、2019年6月に開催されたトヨタのメディア向け電動車戦略説明会でも紹介された1台だ。
このモデルは、法人向けで短距離の営業訪問、巡回業務など短距離の走行と、駐車を繰り返す業務で活用できることを想定した「移動するマイ・オフィス」とされている。
そのため車内のレイアウトが、ドライブ・モード、車内で事務作業を行なうオフィス・モード、駐車中に仮眠、休憩するためのリラックス・モードに最適化できるような可変レイアウトになっているのが特長だ。オフィス・モードではデスクがせり出し、リラックス・モードではシートバックが大きく倒れ、フロント・ウインドウはシェード、左右のガラスは自動変色してプライバシーを守るようになっている。
ラスト・ワンマイル向けモビリティ
トヨタは、これ以外にすでに発表している3輪EVの「i-ROAD」、空港や大工場内などの敷地内での巡回や警備などに適した立ち乗りタイプのEV、シニアカー的に使用する座り乗りタイプのEV、車椅子と連結できるEVなどを同時に出展する。
立ち乗りタイプは敷地内での移動、座り乗りタイプは歩道を走るなどシニアカーと同等で、最高速度は6km/hとなっている。
いずれも、トヨタが従来から主張しているEVは短距離移動向けに適しているという主張をベースに、車内のEV開発部署のZEVファクトリーが開発した超小型EV、パーソナル・モビリティで、立ち乗りタイプEVは2020年冬頃に発売予定としている。
またこれらの超小型EV、電動パーソナル・モビリティは全国の自治体、法人などと協力して新たなビジネスモデルを構築し、販売、リースから中古販売、バッテリーのリユースまでのビジネス展開を想定している。