ZFのステア バイ ワイヤ技術 2023年より市場導入へ

メガサプライヤーのZF本社は2022年7月21日、ステア バイ ワイヤ技術に関して複数の主要自動車メーカーから大型受注を獲得しており、主要地域で2023年に市場投入される予定であることを発表した。

電子制御で操舵するステア バイ ワイヤ技術

車両の電動化、自動化、およびソフトウェア制御が加速する中、ZFは機械的な接続や油圧システムを必要としない業界で最も包括的なバイワイヤ技術を搭載した高度なシャシ・システムの開発と量産化を強力に推進している。

ZFのCウォルフ・ヘニング・シャイダーCEOは、「ZFのスマートbyワイヤー・システムは、メカ的接続の時代を終わらせ、車両制御を新しい時代へ導きます。ZFのステア バイ ワイヤ技術は、自動緊急回避操作や非常に限られたスペースでの駐車など、安全性と快適性両方の機能を実現します。さらに設計とエンジニアリングに大幅な自由度が追加されることで、自動車およびトラックの完全自動運転実現の突破口となるのです」と語っている。

前輪用のステア バイ ワイヤ

ZFのステア バイ ワイヤ・システムにより、乗り合いシャトルやロボタクシーの完全自動車両制御が可能となる。また乗用車では、完全自動運転時の格納式ステアリングホイール、駐車や低速運転時のハンドル操作角を低減するアダプタブル・ステアリング制御、ステアリングコラムをなくすことによる衝突安全性の向上など、独自の機能も実現することができるなど、バイ ワイヤは将来の電気自動車や自動運転車にふさわしい技術なのだ。

ZFは先進ステア バイ ワイヤ・システムをメディアに初公開し、この技術を来年中に大手グローバル自動車メーカー向けに量産開始、市場投入することを発表した。

後輪操舵用のステア バイ ワイヤ

さらにZFは、主要地域で量産向けステア バイ ワイヤ・システムの追加契約を獲得し、この技術分野のリーダーとしての地位を確立。 またZFは、主にワイヤー技術で制御される統合ブレーキ制御(IBC)システム製造の世界的リーダーでもある。

電子制御・電動のブレーキbyワイヤ

ZFは、成長するbyワイヤー・シャシー・システム分野での市場シェアをさらに拡大する絶好のタイミングとして捉え、2030年までにステア バイ ワイヤ市場での高いシェア獲得を目指している。

シャイダーCEOは、「ZFは高度なサスペンション、ステアリング、およびブレーキのバbyワイヤー・システムを市場投入することで、クリーンで、自動化されたモビリティの未来を精力的に創造して行きます。これらのシステムには利点が多いため、今後より一般的なものになっていくでしょう。 また、ZFのcubiXやビークル・モーション・ドメインコントローラーなどのソフトウェアや高性能コンピューター・プラットフォームによりシステム全体を完成させ、新しいレベルのパフォーマンスを提供することが可能です。これは、ZFがデジタル化と脱炭素化を開発の好機と捉え、テクノロジー企業に変貌した証でもあります」と語っている。

ZFは物理的接続を必要としないあらゆる分野のbyワイヤー技術の開発、製造のリーダーとなっている。

具体的には、後輪操舵を含むステアリングbyワイヤー、統合ブレーキコントロール(IBC)のブレーキbyワイヤ、電子制御アクティブ・サスペンションなどがある。

電子制御アクティブ・サスペンション「sモーションbyワイヤー」

これらのテクノロジーを組み合わせ、単独で使用するよりも優れた拡張機能を持つ統合システムソリューションが実現する。この場合にはソフトウェアと組み合わせたE/Eアーキテクチャーが重要な役割を果たす。byワイヤー・システムは、より高度な車両制御を可能にし、ブレーキでは停止距離の短縮、ステアリングでは操縦の自由度向上、高速での安定性向上、航続距離と効率の向上など実現することができる。

byワイヤー技術により、ステアリング・アシストまたはブレーキトルクを調整して、ドライバーが期待するフィーリングを実現しながら、停止距離を短くするために瞬時に制動力を調整し、ドライバーが行なうよりも巧みに障害物を回避することもできる。

また、電気自動車ではブレーキbyワイヤー(IBC)システムにより、バッテリーの再充電に役立つ回生ブレーキとエネルギー回収が可能となる。シャシーと電動走行が協調することで、車両の運動制御向上、充電レンジの拡大を実現しながら、よりコンパクトなシステムとして搭載することができるのだ。

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COTY
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