ZFは包括的なデジタル・クラウド・プラットフォーム構築に向けて、マイクロソフトとのパートナーシップを拡大したと2019年1月10日発表した。このプラットフォームを通してZFは、自動運転、車両の運動制御、統合安全、電動化分野のデジタルサービスを提供する計画だ。そのサービスは、企業が多数保有する車のフリート管理から、保有車のメンテナンスの事前通知機能、さらには業務の効率化にまで及ぶ幅広いもので、2018年にZFのIoTプラットフォーム発表からわずか一年で、ZFのデジタルサービスはさらに大きく進化している。
フリート管理では、業界大手のバスメーカー「VDL」社は、自社のフリートおよび顧客に販売した車両管理にZFのIoTプラットフォームを使用している。このプラットフォームにより、VDL製の電動車両、ディーゼルエンジン搭載車両の運用効率を包括的に管理することができる。
また、2018年末までに、300台以上のVDL製電動バスにこのシステムが搭載されている。そのフリーと管理システム端末からクラウド・ベースのプラットフォームに至るまで、マイクロソフト・アズールを使用している。
ZFはメンテナンス事前通知機能をTraXon(トラクソン)トランスミッションに搭載し、商用車分野におけるデジタル化のためにスマート・トランスミッションを目指している。また、2019年からは、クラウドを通して車体メーカーおよびフリート管理者は事前に車両メンテナンスの計画を立てることができるようになり、このクラウドもマイクロソフト・アズールがベースとなっている。
このようにZFは、乗用車、商用車の両分野で「ビジョン・ゼロ」に向かって、自動運転車両、革新的な安全システム、交通事故と排ガスのない未来の道路交通の実現を目指している。これらの分野のデジタル化はマイクロソフト・アズールをベースにしたZFのクラウドが技術的なバックボーンとなっているわけだ。今回のZFとマイクロソフトの密接なパートナーシップは、これまでよりも、さらに顧客のためのソリューション開発が期待できる。
ZFのママータ・チャマルティ最高デジタル責任者(CDO)は、「マイクロソフトとの戦略的提携により、ZFはインテリジェントにネットワーク化された移動ソリューション開発にさらに集中的に取り組む環境が整いました。新しいデジタルサービスを開発し、それを個別の顧客ニーズに合わせることが可能となります」と語っている。